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第2章
第255話 叔父さん無双
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「くっ……、調子に乗るなよ。」
双剣を使っていた男の武器は、刃を連ねた2つの扇になっていた。男がぐるりと回転すると、それがシャワーのように降ってくる。
叔父さんはそれを空中を蹴りながら、縦横無尽に左右に飛んでよけ回りつつ、時に双剣で刃を跳ね返しながら近付いて行く。
「──子どもだましだな。双剣の時のほうがまだ動きが良かったぞ?武器を変えないほうがっ……、良かったんじゃないのか?」
「抜かせっ……!」
扇を閉じるとそれは双剣へと変わった。近距離に詰め寄った叔父さんの攻撃を、双剣に戻した扇で受け止めて押し戻そうとしてる。
「俺はすべての武器を習得した剣聖だ。本来のお前たちの力で勝てる相手じゃないってことは、今のお前が1番よく分かってる筈だ。」
自分と同じ武器を使われて、自分の攻撃を受け止めつつ、もう片方の刃で脇腹に攻撃してくる叔父さんの攻撃を、受け止めるだけで力負けし、押し戻すことが出来ないでいる。
その彼が1番叔父さんとの実力差を理解しているのは明白だろう。
「ぐっ……!」
汗をかきながらこらえるのに必死だ。
「うおおお!」
長剣だった男は、光の剣に変わっていた。
後ろから攻撃された叔父さんの、右手で受け止めた双剣の刃にヒビが入る。
長剣だった男がニヤリとした。あの武器相当強いやつなんだ!叔父さんは直ぐ様刃こぼれした片方の双剣を捨てて、くるりと向きを変え、もう片方の左手の双剣で受け止めた。
マジックバッグから長剣を取り出して、双剣と交差するように、長剣だった男の光の剣を受け止めつつ押し戻していく。
「早く行け!」
「あ、ああ……。
お前が助けてくれるとはな。」
双剣だった男がそう言って、叔父さんから距離を取ると、離れた位置まで飛んでった。
「お前も武器だよりか。」
「それでもお前より強いぜ?」
「それは……どうかな!!」
「がっ……!」
長剣同士で押し合っている隙に、叔父さんの双剣が長剣だった男の腹を切り裂いた。
前回も今回もなんだけと、こいつらは自分の力を過信してるのか、まったく防具といえるものを身に着けていないんだ。
僕も叔父さんも、叔父さんのすすめで普段から防具にもなる革のベストを着てるし、ダンジョンの時は防具も身に着けてたのにね。
前回の襲撃の時は、叔父さんは頭をやられてしまったから、血まみれになっちゃったけど、彼らの武器では防具を切り裂けなくて、お腹とかはちゃんと無事だったからね。
咄嗟のことだったから、叔父さんも今はそのベストしか着てないけど、それでも胸やお腹は守ることが出来る。だけど彼らはむき出しだから、お腹に深傷をおってしまった。
「──長剣は両手持ちなら、確かにその分攻撃力は増すが、攻撃も防御も1つの武器だけで行わなくてはならない。防御もろくに出来ないやつが、選んでいい武器じゃない。」
「エリアヒール!」
唯一の回復役の男が、遠くから長剣だった男にエリアヒールをかける。ついでに他の仲間も回復させたみたいだ。
「バラバラに行くな!全員でかかれ!」
大剣だった男が叫ぶ。この人も武器が変わってる。あれは……巨大なナタ?みたいだ。
「叔父さん!」
叔父さんがダンジョンの時のように彼らに囲まれた!僕は生命の海で水刃を出して、彼らを攻撃しようとした。
「──問題ない。」
一斉に襲いかかる彼らを、叔父さんが空中で踏み込み、ぐるりと一回転をすると、全員がどこかしらを切られて吹っ飛んだ。
「踏み込みが甘いな。近接職が踏み込めなくて、じゅうぶんな力を出せるとでも?
空中に浮かぶ戦法を取ったのが敗因だな。
今の俺相手じゃ、それは通じない。」
叔父さん強い……!9人が相手だろうと、力を増していようと、実戦で身につけた叔父さんの実力だと、相手にならないんだ!
今の叔父さんはキリカいわく、前回の彼らなら対等に戦えるということだったけど、今の彼らは前回よりも力を増してて、更に新しい力まで手に入れているっていうのに。
多少の力の差なら、実力差でねじ伏せられるんだ!彼らは無理やり力をつけただけの、もとはBランク程度の冒険者だものね。
経験値配布で力を増した、現役Sランク冒険者の叔父さんだと、相手にならなかった。
回復役が回復してるけど、完全に心を折られている感じがする。
それが証拠に、こちらを睨んだまま、少しも近寄って来ようとしないんだ。叔父さんの力を警戒してるんだろう。叔父さんは長剣と双剣の片方を交差して待ち構えている。
たぶん彼らは僕だけが来る場合を想定していたんだろうね。完全に待ち構えていたという感じだったし、この結界が僕のものであるということは、彼らには分かっていたんだ。
双剣を使っていた男の武器は、刃を連ねた2つの扇になっていた。男がぐるりと回転すると、それがシャワーのように降ってくる。
叔父さんはそれを空中を蹴りながら、縦横無尽に左右に飛んでよけ回りつつ、時に双剣で刃を跳ね返しながら近付いて行く。
「──子どもだましだな。双剣の時のほうがまだ動きが良かったぞ?武器を変えないほうがっ……、良かったんじゃないのか?」
「抜かせっ……!」
扇を閉じるとそれは双剣へと変わった。近距離に詰め寄った叔父さんの攻撃を、双剣に戻した扇で受け止めて押し戻そうとしてる。
「俺はすべての武器を習得した剣聖だ。本来のお前たちの力で勝てる相手じゃないってことは、今のお前が1番よく分かってる筈だ。」
自分と同じ武器を使われて、自分の攻撃を受け止めつつ、もう片方の刃で脇腹に攻撃してくる叔父さんの攻撃を、受け止めるだけで力負けし、押し戻すことが出来ないでいる。
その彼が1番叔父さんとの実力差を理解しているのは明白だろう。
「ぐっ……!」
汗をかきながらこらえるのに必死だ。
「うおおお!」
長剣だった男は、光の剣に変わっていた。
後ろから攻撃された叔父さんの、右手で受け止めた双剣の刃にヒビが入る。
長剣だった男がニヤリとした。あの武器相当強いやつなんだ!叔父さんは直ぐ様刃こぼれした片方の双剣を捨てて、くるりと向きを変え、もう片方の左手の双剣で受け止めた。
マジックバッグから長剣を取り出して、双剣と交差するように、長剣だった男の光の剣を受け止めつつ押し戻していく。
「早く行け!」
「あ、ああ……。
お前が助けてくれるとはな。」
双剣だった男がそう言って、叔父さんから距離を取ると、離れた位置まで飛んでった。
「お前も武器だよりか。」
「それでもお前より強いぜ?」
「それは……どうかな!!」
「がっ……!」
長剣同士で押し合っている隙に、叔父さんの双剣が長剣だった男の腹を切り裂いた。
前回も今回もなんだけと、こいつらは自分の力を過信してるのか、まったく防具といえるものを身に着けていないんだ。
僕も叔父さんも、叔父さんのすすめで普段から防具にもなる革のベストを着てるし、ダンジョンの時は防具も身に着けてたのにね。
前回の襲撃の時は、叔父さんは頭をやられてしまったから、血まみれになっちゃったけど、彼らの武器では防具を切り裂けなくて、お腹とかはちゃんと無事だったからね。
咄嗟のことだったから、叔父さんも今はそのベストしか着てないけど、それでも胸やお腹は守ることが出来る。だけど彼らはむき出しだから、お腹に深傷をおってしまった。
「──長剣は両手持ちなら、確かにその分攻撃力は増すが、攻撃も防御も1つの武器だけで行わなくてはならない。防御もろくに出来ないやつが、選んでいい武器じゃない。」
「エリアヒール!」
唯一の回復役の男が、遠くから長剣だった男にエリアヒールをかける。ついでに他の仲間も回復させたみたいだ。
「バラバラに行くな!全員でかかれ!」
大剣だった男が叫ぶ。この人も武器が変わってる。あれは……巨大なナタ?みたいだ。
「叔父さん!」
叔父さんがダンジョンの時のように彼らに囲まれた!僕は生命の海で水刃を出して、彼らを攻撃しようとした。
「──問題ない。」
一斉に襲いかかる彼らを、叔父さんが空中で踏み込み、ぐるりと一回転をすると、全員がどこかしらを切られて吹っ飛んだ。
「踏み込みが甘いな。近接職が踏み込めなくて、じゅうぶんな力を出せるとでも?
空中に浮かぶ戦法を取ったのが敗因だな。
今の俺相手じゃ、それは通じない。」
叔父さん強い……!9人が相手だろうと、力を増していようと、実戦で身につけた叔父さんの実力だと、相手にならないんだ!
今の叔父さんはキリカいわく、前回の彼らなら対等に戦えるということだったけど、今の彼らは前回よりも力を増してて、更に新しい力まで手に入れているっていうのに。
多少の力の差なら、実力差でねじ伏せられるんだ!彼らは無理やり力をつけただけの、もとはBランク程度の冒険者だものね。
経験値配布で力を増した、現役Sランク冒険者の叔父さんだと、相手にならなかった。
回復役が回復してるけど、完全に心を折られている感じがする。
それが証拠に、こちらを睨んだまま、少しも近寄って来ようとしないんだ。叔父さんの力を警戒してるんだろう。叔父さんは長剣と双剣の片方を交差して待ち構えている。
たぶん彼らは僕だけが来る場合を想定していたんだろうね。完全に待ち構えていたという感じだったし、この結界が僕のものであるということは、彼らには分かっていたんだ。
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