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第2章
第209話 お母さんは心配性
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「けど……やっぱり心配にゃね。
王家管理のダンジョンに潜ったことのある経験者は、アタシしかいないにゃりんよ?」
エルシィさんが腕組みしながら言う。
こういうところはお母さんだからなのか、それともレベルの高い人だからなのか、心配性だならなのか、どっちなんだろうな?
「ならば俺もついて行こう。
それならどうだ?エルシィ。」
「セオドアが来るにゃ!?
それなら安心にゃ!!」
叔父さんがそう言うと、エルシィさんは急に手のひらを返して、ニッコニコしながらそう言った。昔一緒に戦ったことがあるらしいけど、叔父さんへの信頼が凄いなあ。
でも、王家が管理するほどの、レアダンジョンともなると、クローディアさまがおっしゃるみたいに、ドロップも経験値も凄い分、魔物だってめちゃくちゃ強いはずだよ。
叔父さんが一緒について来てくれるのは心強いな!エルシィさんが反対しなくなったことで、僕らは宴会を終えたあとで、王家管理のダンジョンに潜ることになった。
「あそこのダンジョンの中は少し冷えるにゃりからねえ。お風呂に入ったばかりだし、ちゃんとあったかくして行くのにゃ!」
と、僕らの装備を防寒仕様にさせた。
防具も僕らの体型に見合ったものを、王宮から貸し出してくれた。僕と叔父さんはこの国を出る時に返さないといけないけど、みんなはレベリング中は貸してもらえるらしい。
国が特別に保管している防具だなんて、安心安全率が高いことこの上ないね!
リシャーラ王国も、英雄候補者たちに、武器装備を貸し出してくれたらいいのになあ。
だけどわが祖国ながら、僕のスキルの正体が知れたら、僕を取り込もうとするか、潰そうとする方向に動く気しかしないからねえ。
父さまに連れられて、何度か王宮に足を運んだ時も、次世代の魔法省大臣かつ、魔法師団長候補として、値踏みするような視線しか向けてこなかった大臣たちの姿を思い出す。
「場所はアタシとセオドアが知ってるにゃ!
アタシの後ろについて来るにゃ!」
叔父さんがしんがりをつとめるとあって、張り切って僕らを先導するエルシィさん。
これから怖いオニと戦う筈なのに、なんなんだろうなあ、ピクニック気分になるのは。
みんなも楽しげにめいめいおしゃべりをしながら、エルシィさんの後をついて行く。
エルシィさんも、さっきたらふく食べたばかりなのに、お弁当を持ってくれば良かったにゃ、とか言ってるし。楽しいからいっか。
王宮管理のダンジョンは山の中の洞窟にあった。石ころが転がる険しい山道を登ると、そこにぽっかりとほら穴が口を開けていた。
「ここにゃ。暗いし足元も悪いから、気をつけるにゃよ。」
松明に日をつけた物を、めいめい手に持たされて、ゆっくりと中へ進んでいく。
確かにちょっとひんやりしていているみたいだ。ジメッとしているわけじゃないけど、風も吹いているから、湯上がりにそのまま入ってたら、風邪をひいちゃってたかもだね。
「この中は迷路みたくなってるのにゃ。
上に上がったり下に下がったり、分岐してたりするのにゃ。地図から目を離すと迷子になるから、見比べながら歩くにゃ。」
そう言って、1人に1つずつ、ダンジョン内部の地図を配ってくれた。──あれ?
「この、扉が記してあるところの向こうは、地図がないんですね……?」
「そこから先は知性のある、強い鬼の住処なのにゃ。今のアタシたちでは倒せないから、決して近付いたら駄目なのにゃ。」
知性のある強いオニかあ……。
知性があるなら、それって魔物なの?
話し合ったり出来ないのかな?
僕はそんなことを考えながら、ここが地図でいうとここにあたるのか、なんて見比べながらダンジョンを進んでいく。
ダンジョンの壁は、石を積み上げて壁になったようなところや、土壁、鉱石そのものみたいな壁とか、多種多様だった。
「ここから先は松明があるにゃ。
ここに火を移せば、壁にそって松明に火がついていくにゃりね。」
「それがし、やってみたいでござる!」
最年少のギギルさんが、目をキラキラさせながら、背伸びをしている。
「ならやってみるといいにゃ。」
ギギルさんは松明には少し身長が足らなくて、ピョン!と身軽に飛び上がると、自分の松明から、壁の松明に火を移した。
すぐに火がついて、ボッ、ボッ、とリズミカルな音を立てながら、壁に沿って松明に火がついて行く。反対側も同様に火をつけた。
通路が明るくなって、思わずみんなからホッとため息が漏れた。足元が見辛い中を歩くのは大変だものねえ。時間もかかるし。
王家管理のダンジョンに潜ったことのある経験者は、アタシしかいないにゃりんよ?」
エルシィさんが腕組みしながら言う。
こういうところはお母さんだからなのか、それともレベルの高い人だからなのか、心配性だならなのか、どっちなんだろうな?
「ならば俺もついて行こう。
それならどうだ?エルシィ。」
「セオドアが来るにゃ!?
それなら安心にゃ!!」
叔父さんがそう言うと、エルシィさんは急に手のひらを返して、ニッコニコしながらそう言った。昔一緒に戦ったことがあるらしいけど、叔父さんへの信頼が凄いなあ。
でも、王家が管理するほどの、レアダンジョンともなると、クローディアさまがおっしゃるみたいに、ドロップも経験値も凄い分、魔物だってめちゃくちゃ強いはずだよ。
叔父さんが一緒について来てくれるのは心強いな!エルシィさんが反対しなくなったことで、僕らは宴会を終えたあとで、王家管理のダンジョンに潜ることになった。
「あそこのダンジョンの中は少し冷えるにゃりからねえ。お風呂に入ったばかりだし、ちゃんとあったかくして行くのにゃ!」
と、僕らの装備を防寒仕様にさせた。
防具も僕らの体型に見合ったものを、王宮から貸し出してくれた。僕と叔父さんはこの国を出る時に返さないといけないけど、みんなはレベリング中は貸してもらえるらしい。
国が特別に保管している防具だなんて、安心安全率が高いことこの上ないね!
リシャーラ王国も、英雄候補者たちに、武器装備を貸し出してくれたらいいのになあ。
だけどわが祖国ながら、僕のスキルの正体が知れたら、僕を取り込もうとするか、潰そうとする方向に動く気しかしないからねえ。
父さまに連れられて、何度か王宮に足を運んだ時も、次世代の魔法省大臣かつ、魔法師団長候補として、値踏みするような視線しか向けてこなかった大臣たちの姿を思い出す。
「場所はアタシとセオドアが知ってるにゃ!
アタシの後ろについて来るにゃ!」
叔父さんがしんがりをつとめるとあって、張り切って僕らを先導するエルシィさん。
これから怖いオニと戦う筈なのに、なんなんだろうなあ、ピクニック気分になるのは。
みんなも楽しげにめいめいおしゃべりをしながら、エルシィさんの後をついて行く。
エルシィさんも、さっきたらふく食べたばかりなのに、お弁当を持ってくれば良かったにゃ、とか言ってるし。楽しいからいっか。
王宮管理のダンジョンは山の中の洞窟にあった。石ころが転がる険しい山道を登ると、そこにぽっかりとほら穴が口を開けていた。
「ここにゃ。暗いし足元も悪いから、気をつけるにゃよ。」
松明に日をつけた物を、めいめい手に持たされて、ゆっくりと中へ進んでいく。
確かにちょっとひんやりしていているみたいだ。ジメッとしているわけじゃないけど、風も吹いているから、湯上がりにそのまま入ってたら、風邪をひいちゃってたかもだね。
「この中は迷路みたくなってるのにゃ。
上に上がったり下に下がったり、分岐してたりするのにゃ。地図から目を離すと迷子になるから、見比べながら歩くにゃ。」
そう言って、1人に1つずつ、ダンジョン内部の地図を配ってくれた。──あれ?
「この、扉が記してあるところの向こうは、地図がないんですね……?」
「そこから先は知性のある、強い鬼の住処なのにゃ。今のアタシたちでは倒せないから、決して近付いたら駄目なのにゃ。」
知性のある強いオニかあ……。
知性があるなら、それって魔物なの?
話し合ったり出来ないのかな?
僕はそんなことを考えながら、ここが地図でいうとここにあたるのか、なんて見比べながらダンジョンを進んでいく。
ダンジョンの壁は、石を積み上げて壁になったようなところや、土壁、鉱石そのものみたいな壁とか、多種多様だった。
「ここから先は松明があるにゃ。
ここに火を移せば、壁にそって松明に火がついていくにゃりね。」
「それがし、やってみたいでござる!」
最年少のギギルさんが、目をキラキラさせながら、背伸びをしている。
「ならやってみるといいにゃ。」
ギギルさんは松明には少し身長が足らなくて、ピョン!と身軽に飛び上がると、自分の松明から、壁の松明に火を移した。
すぐに火がついて、ボッ、ボッ、とリズミカルな音を立てながら、壁に沿って松明に火がついて行く。反対側も同様に火をつけた。
通路が明るくなって、思わずみんなからホッとため息が漏れた。足元が見辛い中を歩くのは大変だものねえ。時間もかかるし。
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