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第2章

第201話 最適な武器選び

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「獣神になり魔王に挑む存在になろうとするのであれば、目指すしかあるまいよ。」
 クローディアさまがそう言った。
 
「それとですね、銀牙狼族、星豹族、尾狐老族、達犬族、美毛猫族、綿羊族、幻狸族、小袋熊族、火面鶏族は、種族固有スキルの条件を満たした場合、獲得経験値が2倍になるとのことです。皆さんの中に、これに当てはまる方はいらっしゃいますか?」

「それがし、達犬族だ。」
 ギギルさんが我先に手を上げる。
「綿羊族ですぅ~。」
 ヒナ嬢がのんびりと半分手を上げる。

「幻狸族……です。」
 ノーベルさんがオズオズと手を上げる。
「美毛猫族にゃ!」
 これは当然エルシィさんだね。

 皆の視線がルルゥさんに集まった。
「……星豹族だ。」
「なんと、あの幻の!?」
「まだ生き残りがいたんですねえ!」

 みんなが関心している。ルルゥさんはあんまり数のいない種族なんだね。それか、御庭番衆はみんな星豹族だとか?それなら知らない人が多くても、おかしくはないかもね。

「あとは人間と獣人の割合が5対5の場合、獲得経験値が2.5倍になるとのことです。
 皆さんの中に、人間の血が入っている方はいますか?」

 そう聞いた途端、みんながピクリとする。
「たとえ、この中にいたとしても、誰も言わないんじゃないのかなあ。」
 とノーベルさんが言う。

「ですよねぇ……。
 スウォン皇国がぁ獣人の楽園とは言え~、やっぱりぃ、人間の血が入っているのが分かるとぉ、差別されることもありますしぃ。」

 そうなの?……そういえば、レンジアが捨てられた理由が、人間からも獣人からも嫌われたから、なんだっけ。

 人間との混血って、この国でも嫌がられちゃうんだ。だったら、滅多なことでは言えないかあ。スウォン皇国で居場所がなくなったら、どこにも行く宛がなくなっちゃうもの。

 つまりは逆に言えば、レンジアくらい、人間そのものにしか見えない見た目でもない限りは、人間の血が混じってたとしても、パッと見じゃ分からない場合が多いってことだね。

 だけどもしもこの中にいたとしたら、種族特有の経験値2倍に加えて、半分人間特典で経験値が更に2.5倍だ。他の人たちよりも成長が早ければ、それでバレちゃうんじゃ?

 もしもそうなるとしても、その人は協力してくれるのかな?もしクローディアさまの命令だから、断れないっていうだけなら、今の時点で辞退させてあげたほうがいいかもね。

「あの!全員じゃなくてもだいじょうぶなので!もしも辞退したい方がいらしたら、今のうちに教えてくださいね?」

「確かに大変な道のりだが、こんな名誉なことを、よもや断ったりはせぬよ。次代の英雄たる存在、ぜひともなりたいものだ!」

「僕もまあ、そんな感じですかねえ……?」
「クローディアさまがぁ?最大限助けて下さいますしぃ?ならない手はないかなぁ?」
「アタシは当然やるにゃ!」

 みんなやる気満々だ。
 僕は、はたと、ルルゥ嬢を振り返った。
「……どうされますか?」

「命令は絶対だ。スウォン皇国人として、クローディアさまの命令を断るなどありえぬ。
 ましてや魔王討伐がかかっているのなら、なおのこと。私もやらせてもらう。」

 御庭番衆かつ、次期頭目としては、当然の答えだよね。とりあえず、クローディアさまを除く全員が、英雄を目指してくれることになった。やった!初めての仲間が出来たよ!

「では、話はそれで終わりでよいかの?
 なれば武器を持たせようぞ。」
 とクローディアさまが言ってくれる。

「はい!あとは各々頑張っていただければだいじょうぶです。……あ!スクロールを持っているので、それを配りますね!」

「おお、かたじけない。」
 僕はみんなにスクロールを配って歩いた。
 みんな嬉しそうにしてくれる。

「侍従を呼びや。」
 クローディアさまに言われて、ノーベルさんが外に従者を呼びに行った。

「こやつらに合う武器を見繕ってまいれ。
 まずは固有(ユニーク)クラス程度で良いじゃろう。各々好きなものを選ぶが良い。」

 クローディアさまに命じられた従者が、かしこまりましたと言って、お辞儀をして部屋を出ていった。

「うわあ!いきなり固有(ユニーク)クラスですか!?僕初めて持ちますよ!」
 ノーベルさんがはしゃいでいる。

 しばらくすると、武器を大量に運んで大勢の従者たちが戻って来た。それを畳の上に種類別に広げてくれる。
「では、それがしはこれを。」

 ギギルさんは細身の長剣を手に取った。ギギルさんはお侍さんってやつなのかな?腰にも長いのと短い長剣をぶら下げているね!
「じゃ、僕はこれ!」
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