ヒヨクレンリ

なかゆんきなこ

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~番外編~

先生とデート

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こちらはツイッターにて、『あなたは40分以内に5RTされたら、家庭教師と生徒の設定でほのぼの休日デートな正宗と千鶴の、漫画または小説を書きます。』というのをやりまして、RT数が規定に達したので書いたお話になります。千鶴→高校生。正宗→大学生、家庭教師。幸村→大学生、千鶴の隣人。という設定になっております。
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 私の名前は峰岸千鶴。高校二年生です。
 美術部という名のオタクの集まりに入部してからというもの、来る日も来る日も漫画読んだりアニメ見たり同人誌読んだり描いたりイベント行ったりメ○ト行ったり……と、オタクライフを満喫していたら成績が急降下しました。まあ、自然な成り行きですよね!
 そして、隠していたはずのテスト結果が見つかってお母さんにめっちゃ怒られました。フィギュアはゴミ袋に、大切にとっておいているアニメ雑誌は廃品回収に出されるところでした。(それはあの、ご近所様の目に触れると言う意味でもやめていただきたいというか、あの、公開処刑やめて!!)
 そして家族会議の末、家庭教師に勉強を教えてもらう……ことになりました。隣の家に住む年上の幼馴染み(幸村真、現在大学二年生。私はまこ兄ちゃんと呼んでいる)の紹介で、まこ兄ちゃんのお友達が勉強を教えに来てくれることになったのです。
 それが……柏木正宗先生。
 最初はね、嫌だったよ……。だって私、三次元の男の人に免疫ないもん!!(まこ兄ちゃんは別。もう身内みたいなもんだし)人見知りもするし……
 しししししかも!! 柏木先生てば超イケメンなんだもん!! 黒髪サラサラで、整ったお顔には眼鏡!! 眼鏡男子ですよ!! こんな素敵眼鏡男子がだね、わ、私の部屋に来るんだよ!? で、勉強教えてくれるんだよ!? どうして平常心でいられようか!!

 ……とまあ、最初は嫌だなあって気持ちばっかりだったんだけど、(そもそも勉強も好きじゃないし)柏木先生は勉強を教えるのがとっても上手で!! それに勉強だけじゃなくて、合間に大学の話とか、歴史の話とか、小説の話とかをしてくれて。それが面白くて……
 いつの間にか私は、当初の人見知りはどこへやら。柏木先生が来てくれる日を待ち遠しく思うようになっていたのです。(我ながら単純!!)
 ムフフ。それにさぁ、腐女子としても大変美味しいのですよ。柏木先生と……まこ兄ちゃん!! まこ兄ちゃんからよく柏木先生の話を聞いたり、逆に柏木先生からまこ兄ちゃんの話を聞いたりするとね、もう脳内でめくるめく妄想が……グフフ。
 そんなこんなで柏木先生に勉強を教えてもらうようになって、急降下していた成績も上昇し始めた頃……
 もうすぐテストだ……。嫌だなあって弱音を吐いていたら、柏木先生がね。
『もし次のテストで良い成績をとれたら、前に千鶴さんが「食べに行きたい」って言っていたお店に連れて行ってあげますよ』
 って、言ってくれてね。
 柏木先生にはたまに夕飯を食べて行って貰うんだけど(ウチのお母さんが張り切って引き止めるのだ)、その時かけていたテレビで、パンケーキのお店が特集されていて。そこに「行きたいな~!!」って言っていたのを、覚えててくれて。それで、ご褒美に連れて行ってくれるって!! 
 もー! めっちゃくちゃ!! やる気出ましたよ!! 目の前にニンジンぶらさげられた馬のごとく!! 頑張りました!!
 で、で!! 順位が二十位も上がってね!! 丸がいっぱいついた答案用紙を見た柏木先生も嬉しそうに、「頑張りましたね」って言ってくれてね!!
 それで日曜日の今日!! 先生と待ち合わせて、パンケーキのお店に行くことになったのです~!!
 クローゼットから一番お気に入りのワンピースを取り出して、鏡の前で合わせてみる。んー? ちょっと子供っぽい……かな? あ! バッグはどうしよう……。靴もこれに合わせて……
 お化粧……も、ちょっとだけ。ピンクのグロスを唇に塗って、んー……よし!!
「へ、変じゃないかな……」
 いつもより念入りに鏡と睨めっこしてから、家を出た。
 そうして待ち合わせ場所の広場に着いたのは……約束の時間の一時間前。
「あはは……」
 さ、さすがに早すぎだよねー!! で、でもさ、万が一にも柏木先生を待たせたらいかん!! と思って。うう、我ながら気合入りすぎ……?
「んむむ……」
 ずっと広場で待っているのは少し肌寒い。とりあえずと、私はすぐ傍のカフェに入った。ここなら、広場の様子がわかるし!! 時間になったらまた外に出よう、と思って。
 ホットココアを一つ頼んで、席に座る。なんとなく手持無沙汰で携帯をいじりはじめたら、ブックマークしているサイトさんが更新されてて、夢中になって読んでいたら……

「こんにちは、千鶴さん」

 頭上から、声がして。
「え?」
 って、あああああああああああああああああああ!!!
 か、柏木先生!!?? あ、あれ? もうそんな時間!?
「す、すみません!!」
 慌てて立ち上がる私に、柏木先生はくすっと笑った。
「大丈夫、まだ約束の時間じゃないですよ。……早めに来たつもりだったんですけど、千鶴さんの方が早かったですね」
 柏木先生は広場からカフェに居る私の姿を見つけて、わざわざ迎えに来てくれたらしい。ひええええ!! ご足労お掛けして申し訳ない!!
 それから、先生は私のココアのマグが空になっているのを見て、
「少し早いですけど、行きましょうか」
 って言って、伝票を手に取った。
「あっ」
 そしてスタスタとカウンターまで言って、有無を言わさずココアの代金を支払う。
 あわわわわわわ!!
「あ、あの! 自分で払いますから」
「駄目です。これもご褒美の一つだと思って、奢らせて下さい」
 なんて、柏木先生はぽんぽんって私の頭を撫でる。
 そ、そんな……!!
 柏木先生と一緒におでかけできるだけで、充分過ぎるほどご褒美もらってますよおおおおおお!!!!


 それから、柏木先生と二人で例のパンケーキのお店に行きました。先生は「甘い物の後にすぐ甘い物……でしたね。大丈夫ですか?」って気遣ってくれたけど、モーマンタイ(無問題)です!! 私、ココアをお供にケーキいける口なんで!!
 でも一応ここでは、飲み物は紅茶にしました。柏木先生はブラックコーヒー。そしてパンケーキは、私が頼んだのは一番人気の苺のパンケーキ! そして柏木先生は塩キャラメルパンケーキ。どっちも美味しそう~!!
「わぁ……! テレビとおんなじ!!」
 私がにっこにことナイフとフォークを手に取ると、柏木先生はくすっと笑った。
 はわわ……。こ、子供っぽ過ぎですよねすみませんんん!!
 でも、ナイフをすっと入れたパンケーキはふわっとしてて、口に入れるとこれまたふわっ! で!! かつ、とろっ!! で!!
「んん~!!」
 おいふぃ~!! 生クリームもほどよい甘さ!! 苺のソースと、生の苺の甘酸っぱさがマッチして……幸せのお味~!!
「美味しいですか?」
「んっ! とっても美味しいです!!」
 はぁ~。美味しいなあ……
 勉強頑張って良かった!! 目の前にぶら下げられたニンジン、大変美味しゅうございます~!!
「こっちも食べてみますか?」
「えっ、い、良いんですか?」
「もちろん」
 そう言って、柏木先生はさくさくっと一口分を切り、ちゃんとキャラメルソースを絡めて……
「はい、どうぞ」
 ……って、え、え?
 こ、こりは……っ!! 「はい、アーン」の体勢じゃないですか!!
(ええええええええええええええええええ!!!)
 ど、どうしよう……!! こんな、こっ、こひっ、恋人同士みたいな……!!
 わ、私達はあくまで家庭教師と生徒……そう! 先生と生徒でして!! 師弟関係でして!! ああああ頭が混乱している!! 千鶴は混乱した!!
「千鶴さん?」
 ああああっ、柏木先生が首を傾げるそんな仕草がなんか可愛……って!! 萌えている場合じゃなくてだね……!!
 あああああそれに、は、早く食べないとソースが、零れ、おち……
「あむっ!」
 た、食べちゃったー!! 身を乗り出してぱくっと、食べちゃったー!!
 千鶴は、塩キャラメルパンケーキを、食べた。体力が二十回復した。MPが三十減った。
(は、恥ずかしい……)
 RPG風に言ってる場合じゃないよ!!
 ひえええええ。顔が熱い!! 照れる!! めっちゃ照れる……!!
「むぐ……」
「美味しいですか?」
 こくこくっと、頷く。美味しい、のだ。塩キャラメルパンケーキも、美味しい……のだが……
 柏木先生の顔、ちょ、直視できないいいいいい!!
「あっ、あの、柏木先生も……」
 私は自分の苺パンケーキを一口サイズに切り、お返しに……って!!
 自分もアーンしてどうすんだ馬鹿!!
 千鶴は、混乱して、柏木先生に、パンケーキを食べさせた。
ってか!!
「……いただきます」
 柏木先生は一瞬驚いた顔をした後、笑みを深めて身をわずかに乗り出す。
 先生の端正なお顔が間近に迫って、ど、ドキドキしちゃって……、フォークがカタカタと震えてしまって。
「…………」
 私の顔はきっと、苺みたいに真っ赤になっているだろう。
(あっ……)
 ふっと、フォークを握る私の手に柏木先生の手が重なる。それから先生は、そのまま私の手と一緒にフォークを自分の口に近付けて……
 ぱくっと、パンケーキを口にした。
(くぁwせdrftgyふじこlp!!)
「苺、美味しいですね」
 ぴゃああああああああああああああ!!!
「でっ、デスヨネ!!」
 その後も、苺のような顔の熱は冷めやらず。
 私はドクンドクンと鳴る心臓の音を感じながら、もぐもぐとパンケーキを食べることしかできなかったのです。
(ご、ご褒美……)
 美味しいパンケーキだけじゃなくて、その……
 私はちらっと、柏木先生の顔を窺う。
 コーヒーカップを持つ仕草もカッコ良くて、笑顔もとっても素敵で……。スマートな年上の男の人……で……
 一緒にいるだけで、ドキドキしてしまう。自慢の……憧れの、先生。
(……ありがとうございます、先生……)
 こうして柏木先生と過ごす時間全てが、私にはご褒美なのでした。
(だいす……)
「あ、千鶴さん口元にクリームが」
「ふぇあええあええええええ!!!??」
 最後まで締まらないな!! 自分!!

 そんなある日の。
 先生とのデート……の、お話。




 
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