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~番外編~
成人式の思い出
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こちらは1月14日にブログにて公開していたSSです。
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今日、一月十四日は成人の日だ。
そのため、この三連休に成人式を執り行う自治体が多いようで、テレビのニュースでも成人式の様子が取り上げられている。
色とりどりの振袖に身を包んだ、新成人の女の子達。
みんな可愛いなあ……!
でもわかる。わかるよ。
華やかに装う大変さ、ってやつを。
みんなきっと、今日は早起きだったよね……!!
「……懐かしいなあ……」
炬燵に入ってテレビを見ながら、ぼんやりと昔を思い返す。
あれからもう、十年近く経つのかあ……
月日が経つのは早いよ。本当に……
「…………」
なぁんて思っていたら、同じく炬燵に入って読書中だった正宗さん(今日は祝日で正宗さんもお休みなのです!)の視線が……
「え、ええと。ちょっと自分の成人式のこと思い出して……」
そう。まだまだうら若き二十歳の乙女だった頃……(自分で乙女とか言うなし)
「憧れてたんですよねえ。振袖と、あとあのファーショール!!」
成人式といえば!!
振袖に、あの真っ白いファーのショール!!
そう力説すれば、正宗さんは「?」と首を傾げられる。
ええと……
「あの白い毛皮みたいな襟巻です!」
「ああ」
「それで振袖も、自分で選んで……。あっ、あのお見合いで着てたやつです」
「ああ! 可愛かったですね、あの時の千鶴さん」
「ぅえっ!?」
か、かわ!?
……ええと、あの……
「……あ、ありがとうございます……」
なんだこれ!!
無性に恥ずかしいな……!!
「で、でも当日は大変だったんですよ!! 成人式」
「?」
そう。
それまではもう、久しぶりに昔の同級生に会えるし、とか。
綺麗な振袖着れるし! とかでわっくわくしてたんだけど……
「当日……四時起きでした……」
「え!?」
「成人式の日は、美容室が激混みなんです……。何組も予約が入ってて、それも全員成人式までに支度しなきゃいけないから……。私は朝五時から着付けと髪とメイクをやってもらって……」
そうなのだ……
予約が遅いと、めっちゃ早い時間か式ギリギリの時間しか空いていないのですよ……
前日は期待と緊張でなかなか眠れなくって(遠足前の小学生か!)、眠いよ~ってフラフラしながら美容室に行ったら、鬼気迫る様子の美容師さん(この時期は本当に大変みたい)があれよあれよと髪をセット、そしてメイクをしてくれて。
そこからの着つけは……大変だった……
普段着物を着ないから、もう……紐やら帯やらで体をぎゅうぎゅうに締めつけられて……(何度「ぐええ」ってなったことか……)
っていうか振袖って、着るのに結構時間と手間がかかるんだよね……
途中からは私、魂が半分抜けてもうされるがままの人形のようだったよ……
「形が崩れるからあまり座っちゃいけないし、動きにくいわ苦しいわで……」
その後は写真館で当日撮り。
撮影中は、なんとなーくこの写真が見合い写真になったりしてー……なーんて思ってたけど。(いや結局使いませんでしたよ!? だって正宗さんとお見合いしたのはそれから約八年後……だし。さすがに八年前の写真を使ったりはしませんよ!?)
「それでもやっぱり、綺麗なお着物着れてこう……ドキドキしてたんですよ。でも会場に行って、久しぶりに会った友達の第一声が……」
『ぶはははは!! 千鶴あんたそれ七五三みたい!!』
「って!」
「…………っ」
失敬な!! 確かに私は背も低いし顔も童顔だってよく言われるけど、だからって『七五三』はないでしょうよ!!
確かに周りはさ、こうもっと華やかで大人ッぽい着物や髪形してたけど……
だからって!! だからって!!
って!! 正宗さんが口元を押さえてふるふる震えていらっしゃる!!
「……た、たぶん口紅の色がいけなかったんですよ!」
七五三の時に女の子が塗られるみたいな、真っ赤な口紅。
あれがたぶん私の顔には合わなくて、浮いて見えて……七五三っぽく見えたのかもって、後から思った。
それからは会う友達に「あんたは変わらないわね~」とか言われるし。
来賓のあいさつはめっちゃ長いしで!!(とにかく座っている間帯が苦しくて「早く終わってえええ!!」って念じ続けたっけな……)
……あれ? あ、あんま良い思い出なくないか!?
あっ!! で、ででででも!!
成人式のサプライズでさ、両親からの手紙ってヤツがあって。(本当に知らなかった!!)
お父さんとお母さんからの手紙に、ウルッときたっけなあ……
うん。周りもみんな泣いたりしてた。
ところで……
「正宗さんの時はどんな成人式だったんですか?」
「……そうですねえ……」
正宗さん、スーツだったのかな? それとも羽織り袴……? も似合うよね!!
「俺はスーツで参加したんですが……幸村が……」
「幸村先生?」
「はい。あいつが白の羽織りに袴で……」
おお!
「……当時からあの髪形だったもので、あの……成人式に酒を飲んで騒ぐ輩がいるじゃないですか」
? ええ、いますねえ。毎年ニュースに……
あっ!
「そうなんです……。そういう騒ぎを起こしそうに見えたんでしょうね。式の間中、ずっと会場のスタッフに睨まれていましたよ……」
「そ……それはなんというか……」
「おまけにあいつもヤケになって、『期待に応えてやる!』なんて言い出すもので……。襟首ひっつかんで止めるのに苦労しました……」
おうふ……
それはなんとも萌……って!! ええと、大変でしたねえ……
でも正宗さん、成人式の後はこの家で幸村先生のヤケ酒に付き合ってあげたんですってよ!!
うふふふふふ!! 男同士の友情って、良いね!! 萌えるね!!!
その後、私達はお互いに成人式の写真をひっぱり出してきて(正宗さん、私の写真を見るなり「ああ、確かに」って言ったのはどういう意味!? どういう意味ですか!?)、思い出話に花を咲かせたのでした。
うふふ。二十歳の頃の正宗さん、今よりも若い……(って当り前か!)というか初々しいご様子で、大変眼福でした……!! 良いよね、スーツ!!
しかも例の羽織り袴姿の幸村先生が正宗さんの肩に手を回してる写真が!!
嫌そうな顔をしている正宗さんがこれまたたまらんです!!(え
萌えるわー!!!
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今日、一月十四日は成人の日だ。
そのため、この三連休に成人式を執り行う自治体が多いようで、テレビのニュースでも成人式の様子が取り上げられている。
色とりどりの振袖に身を包んだ、新成人の女の子達。
みんな可愛いなあ……!
でもわかる。わかるよ。
華やかに装う大変さ、ってやつを。
みんなきっと、今日は早起きだったよね……!!
「……懐かしいなあ……」
炬燵に入ってテレビを見ながら、ぼんやりと昔を思い返す。
あれからもう、十年近く経つのかあ……
月日が経つのは早いよ。本当に……
「…………」
なぁんて思っていたら、同じく炬燵に入って読書中だった正宗さん(今日は祝日で正宗さんもお休みなのです!)の視線が……
「え、ええと。ちょっと自分の成人式のこと思い出して……」
そう。まだまだうら若き二十歳の乙女だった頃……(自分で乙女とか言うなし)
「憧れてたんですよねえ。振袖と、あとあのファーショール!!」
成人式といえば!!
振袖に、あの真っ白いファーのショール!!
そう力説すれば、正宗さんは「?」と首を傾げられる。
ええと……
「あの白い毛皮みたいな襟巻です!」
「ああ」
「それで振袖も、自分で選んで……。あっ、あのお見合いで着てたやつです」
「ああ! 可愛かったですね、あの時の千鶴さん」
「ぅえっ!?」
か、かわ!?
……ええと、あの……
「……あ、ありがとうございます……」
なんだこれ!!
無性に恥ずかしいな……!!
「で、でも当日は大変だったんですよ!! 成人式」
「?」
そう。
それまではもう、久しぶりに昔の同級生に会えるし、とか。
綺麗な振袖着れるし! とかでわっくわくしてたんだけど……
「当日……四時起きでした……」
「え!?」
「成人式の日は、美容室が激混みなんです……。何組も予約が入ってて、それも全員成人式までに支度しなきゃいけないから……。私は朝五時から着付けと髪とメイクをやってもらって……」
そうなのだ……
予約が遅いと、めっちゃ早い時間か式ギリギリの時間しか空いていないのですよ……
前日は期待と緊張でなかなか眠れなくって(遠足前の小学生か!)、眠いよ~ってフラフラしながら美容室に行ったら、鬼気迫る様子の美容師さん(この時期は本当に大変みたい)があれよあれよと髪をセット、そしてメイクをしてくれて。
そこからの着つけは……大変だった……
普段着物を着ないから、もう……紐やら帯やらで体をぎゅうぎゅうに締めつけられて……(何度「ぐええ」ってなったことか……)
っていうか振袖って、着るのに結構時間と手間がかかるんだよね……
途中からは私、魂が半分抜けてもうされるがままの人形のようだったよ……
「形が崩れるからあまり座っちゃいけないし、動きにくいわ苦しいわで……」
その後は写真館で当日撮り。
撮影中は、なんとなーくこの写真が見合い写真になったりしてー……なーんて思ってたけど。(いや結局使いませんでしたよ!? だって正宗さんとお見合いしたのはそれから約八年後……だし。さすがに八年前の写真を使ったりはしませんよ!?)
「それでもやっぱり、綺麗なお着物着れてこう……ドキドキしてたんですよ。でも会場に行って、久しぶりに会った友達の第一声が……」
『ぶはははは!! 千鶴あんたそれ七五三みたい!!』
「って!」
「…………っ」
失敬な!! 確かに私は背も低いし顔も童顔だってよく言われるけど、だからって『七五三』はないでしょうよ!!
確かに周りはさ、こうもっと華やかで大人ッぽい着物や髪形してたけど……
だからって!! だからって!!
って!! 正宗さんが口元を押さえてふるふる震えていらっしゃる!!
「……た、たぶん口紅の色がいけなかったんですよ!」
七五三の時に女の子が塗られるみたいな、真っ赤な口紅。
あれがたぶん私の顔には合わなくて、浮いて見えて……七五三っぽく見えたのかもって、後から思った。
それからは会う友達に「あんたは変わらないわね~」とか言われるし。
来賓のあいさつはめっちゃ長いしで!!(とにかく座っている間帯が苦しくて「早く終わってえええ!!」って念じ続けたっけな……)
……あれ? あ、あんま良い思い出なくないか!?
あっ!! で、ででででも!!
成人式のサプライズでさ、両親からの手紙ってヤツがあって。(本当に知らなかった!!)
お父さんとお母さんからの手紙に、ウルッときたっけなあ……
うん。周りもみんな泣いたりしてた。
ところで……
「正宗さんの時はどんな成人式だったんですか?」
「……そうですねえ……」
正宗さん、スーツだったのかな? それとも羽織り袴……? も似合うよね!!
「俺はスーツで参加したんですが……幸村が……」
「幸村先生?」
「はい。あいつが白の羽織りに袴で……」
おお!
「……当時からあの髪形だったもので、あの……成人式に酒を飲んで騒ぐ輩がいるじゃないですか」
? ええ、いますねえ。毎年ニュースに……
あっ!
「そうなんです……。そういう騒ぎを起こしそうに見えたんでしょうね。式の間中、ずっと会場のスタッフに睨まれていましたよ……」
「そ……それはなんというか……」
「おまけにあいつもヤケになって、『期待に応えてやる!』なんて言い出すもので……。襟首ひっつかんで止めるのに苦労しました……」
おうふ……
それはなんとも萌……って!! ええと、大変でしたねえ……
でも正宗さん、成人式の後はこの家で幸村先生のヤケ酒に付き合ってあげたんですってよ!!
うふふふふふ!! 男同士の友情って、良いね!! 萌えるね!!!
その後、私達はお互いに成人式の写真をひっぱり出してきて(正宗さん、私の写真を見るなり「ああ、確かに」って言ったのはどういう意味!? どういう意味ですか!?)、思い出話に花を咲かせたのでした。
うふふ。二十歳の頃の正宗さん、今よりも若い……(って当り前か!)というか初々しいご様子で、大変眼福でした……!! 良いよね、スーツ!!
しかも例の羽織り袴姿の幸村先生が正宗さんの肩に手を回してる写真が!!
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萌えるわー!!!
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