ヒヨクレンリ

なかゆんきなこ

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~番外編 「年末年始企画」SS~

柏木家の子供が双子でさらに……な夢の話

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「ふんふふんふーん」
 私は今、台所に立っている。
 鍋でことこと煮込んでいるのは、今夜の夕飯。ホワイトシチューだ。
「ん~。いいにおいーい」
「おかあさん」
 ん?
 私のエプロンの裾を、くいくいと引っ張るのは……
「どうしたのー? 朧ちゃん」
 私達の娘、朧ちゃん。御年八歳です。
「真が泣いてる」
「えっ!!」
 そして真くんも、私達の息子である。御年八歳。
 朧ちゃんと真くんは、双子の兄妹なのです。
 私はコンロの火を止めると、真くんのいるお茶の間にぱたぱたと駆けつけた。
「どうしたの~!? 真くん」
「おっ、おかぁ~さああん~」
 ああ、ああ。
 真くん、そんなに目に涙をいっぱいためて……
「朧が~! 俺のおやつ食べちゃたぁ……!!」
「えっ」
 見れば、学校帰りの二人に「今日のおやつね」って渡したクッキーが、綺麗になくなっている。
 二人で食べた……わけじゃなく。朧ちゃんがお兄ちゃんの分まで一人で食べちゃったのか……
「こら! 朧ちゃん!! どうして真くんの分も食べちゃったの!!」
「だってこいつ、食うのおそいんだもん」
「だからって、朧ちゃんが食べることないでしょー!」
 めっ! と叱りつけると、朧ちゃんはほっぺたをぷくー!! と膨らませる。(ち、ちくしょう可愛いなっ!! 朧ちゃんは親の私が言うのもあれですが、美少女です!!)
「真、いいって言ったもん。ちょーだいって言ったら、いいよ! って」
 えええ?
「だってええええ!! ぜんぶ食べると思わなかったあ!! うあああああああん!!」
 ああ、あああ……
 真くんがギャン泣きモードに。
「うるさいっ! おかあさん、はやくこいつ黙らせろよ!!」
「びええええええええええええええ!!!!」
 もー!!
 真くん泣かないで!!
 そして朧ちゃんは反省なさいっ!!


「うう……真……くん……泣かないで……」
「!?」
(何故、幸村の名を……)
 早朝。目が覚めると、隣で眠っていた千鶴さんがうなされながら何故か幸村の名を呼んでいた。
 日頃奴の事を「幸村先生」と呼んでいるのに、何故!? 何故「真くん」なんだ!? しかも、「泣かないで」なんて……
 一体どんな夢見てるんですか!! 千鶴さん!!
「も……駄目だよ……朧ちゃん……」
 水無月!? 今度は水無月か!!
 何故あいつを「ちゃん」付けで呼んでるんです!!
 しかも「駄目だよ」って。あいつ、一体何をしたんですか!?
「千鶴さん!」
「う……仲良く……しなさ……」
 仲良く……!?
「千鶴さん!?」

 その後、目を覚ました千鶴さんを問い詰めると、彼女は恥ずかしそうに「えと……」と、夢の内容を語ってくれた。
 俺達の子供が双子で、それが幸村と水無月……? しかも水無月は男ではなく女に……。いや、確かにあいつは中性的な顔立ちをしているが……。
 水無月が、俺達の娘に……!? …………駄目だ……。あり得無さ過ぎて想像できない。
「あいつらの親……ですか。大変ですね……」
「うっ。で、でもでも、小さいお二人、なんかすっごく可愛かったんですよ。双子ちゃんも、良いですね~」
 お揃いの服を着せたりとか~、と。
 楽しそうに語る千鶴さん。
 俺達の子供……か。
「……正夢に、しましょうか?」
「えっ?」
 もちろん、あいつらを子供に……なんてのはありえないし。
 かならず双子が生まれてくる、とも限らないが……
「双子が無理でも、年子、という手もありますしね……」
「ま、正宗さん!?」

「千鶴さん。子作り、頑張りましょうか」

 俺がにっこり、と微笑めば。
「にょあああああああああああああああああ!!!!」
 千鶴さんは顔を真っ赤にして叫ぶと、ぼすん!! と枕に顔を埋めてしまった。
 結構良い案だと思ったのですが……駄目……ですかね?




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