42 / 126
~番外編 「年末年始企画」SS~
柏木家の子供が双子でさらに……な夢の話
しおりを挟む「ふんふふんふーん」
私は今、台所に立っている。
鍋でことこと煮込んでいるのは、今夜の夕飯。ホワイトシチューだ。
「ん~。いいにおいーい」
「おかあさん」
ん?
私のエプロンの裾を、くいくいと引っ張るのは……
「どうしたのー? 朧ちゃん」
私達の娘、朧ちゃん。御年八歳です。
「真が泣いてる」
「えっ!!」
そして真くんも、私達の息子である。御年八歳。
朧ちゃんと真くんは、双子の兄妹なのです。
私はコンロの火を止めると、真くんのいるお茶の間にぱたぱたと駆けつけた。
「どうしたの~!? 真くん」
「おっ、おかぁ~さああん~」
ああ、ああ。
真くん、そんなに目に涙をいっぱいためて……
「朧が~! 俺のおやつ食べちゃたぁ……!!」
「えっ」
見れば、学校帰りの二人に「今日のおやつね」って渡したクッキーが、綺麗になくなっている。
二人で食べた……わけじゃなく。朧ちゃんがお兄ちゃんの分まで一人で食べちゃったのか……
「こら! 朧ちゃん!! どうして真くんの分も食べちゃったの!!」
「だってこいつ、食うのおそいんだもん」
「だからって、朧ちゃんが食べることないでしょー!」
めっ! と叱りつけると、朧ちゃんはほっぺたをぷくー!! と膨らませる。(ち、ちくしょう可愛いなっ!! 朧ちゃんは親の私が言うのもあれですが、美少女です!!)
「真、いいって言ったもん。ちょーだいって言ったら、いいよ! って」
えええ?
「だってええええ!! ぜんぶ食べると思わなかったあ!! うあああああああん!!」
ああ、あああ……
真くんがギャン泣きモードに。
「うるさいっ! おかあさん、はやくこいつ黙らせろよ!!」
「びええええええええええええええ!!!!」
もー!!
真くん泣かないで!!
そして朧ちゃんは反省なさいっ!!
「うう……真……くん……泣かないで……」
「!?」
(何故、幸村の名を……)
早朝。目が覚めると、隣で眠っていた千鶴さんがうなされながら何故か幸村の名を呼んでいた。
日頃奴の事を「幸村先生」と呼んでいるのに、何故!? 何故「真くん」なんだ!? しかも、「泣かないで」なんて……
一体どんな夢見てるんですか!! 千鶴さん!!
「も……駄目だよ……朧ちゃん……」
水無月!? 今度は水無月か!!
何故あいつを「ちゃん」付けで呼んでるんです!!
しかも「駄目だよ」って。あいつ、一体何をしたんですか!?
「千鶴さん!」
「う……仲良く……しなさ……」
仲良く……!?
「千鶴さん!?」
その後、目を覚ました千鶴さんを問い詰めると、彼女は恥ずかしそうに「えと……」と、夢の内容を語ってくれた。
俺達の子供が双子で、それが幸村と水無月……? しかも水無月は男ではなく女に……。いや、確かにあいつは中性的な顔立ちをしているが……。
水無月が、俺達の娘に……!? …………駄目だ……。あり得無さ過ぎて想像できない。
「あいつらの親……ですか。大変ですね……」
「うっ。で、でもでも、小さいお二人、なんかすっごく可愛かったんですよ。双子ちゃんも、良いですね~」
お揃いの服を着せたりとか~、と。
楽しそうに語る千鶴さん。
俺達の子供……か。
「……正夢に、しましょうか?」
「えっ?」
もちろん、あいつらを子供に……なんてのはありえないし。
かならず双子が生まれてくる、とも限らないが……
「双子が無理でも、年子、という手もありますしね……」
「ま、正宗さん!?」
「千鶴さん。子作り、頑張りましょうか」
俺がにっこり、と微笑めば。
「にょあああああああああああああああああ!!!!」
千鶴さんは顔を真っ赤にして叫ぶと、ぼすん!! と枕に顔を埋めてしまった。
結構良い案だと思ったのですが……駄目……ですかね?
10
あなたにおすすめの小説
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる