ヒヨクレンリ

なかゆんきなこ

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~君を想う5つの情景 より~

五、星が溶けゆく明け方

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「~っ」
 夏の夜に。
 千鶴さんと二人、何も纏わずにベッドの上で抱き合う。
 しっとりと汗ばんだ、互いの肌。
 彼女の白い胸に顔を埋めて、肌に口付け強く痕を残しながら。
 繋がった体を、ぐっと。さらに深く突き挿れれば。
「……っあ……っ」
 小さく声を吐いて、彼女の体はびくびくっと絶頂を迎えた。
 はずみ、きゅうきゅうと俺を締めつける彼女のナカ。
「……っ」
「……っ正宗……さっ……」
 彼女の細い腕が俺の背中で交差する。
 すがりつくように、抱きつき。背中に小さな爪痕を残す彼女の指。 
「んっ。もう少し……」
 もう少しで、俺もイクから。
 焦るような気持ちで、腰を動かす。
「んっ、んんっ」
 腰の動きと一緒に揺れる、千鶴さんの小さな体。
 ああ、またそんな風に唇を噛んで。声を堪えて。
「……もっと、聞かせて……?」
 可愛い声を。
「んっ……」
 俺はぎゅっと密着していた体勢から少しだけ身を離すと、彼女の唇を指でなぞった。
 輪郭をつつ……と撫でれば、千鶴さんは瞑っていた目を開けて。
「……?」
 とろんとした眼差しを、向けてくる。
 ……そのあどけない口の中に、指を入れて。
「んんっ」
 小さな舌を撫でる。
 無意識なのか、千鶴さんは俺の指をちゅ……と吸い、舐める。
「んん……」
「……いい子、ですね……」
 まるで男のソレを嬉しげに舐めるような、恍惚とした顔で。
 俺の指を舐める、可愛い奥さん。
「あう……っんん!」
 ぐっと、腰を深く入れて彼女の最奥を突く。
「んっ! あっ……っあっ……ああっ」
 口の中を指で蹂躙したまま、俺はストロークを速めて。
「……くっ」
 そのまま彼女のナカで、果てた。

 汗や体液、互いの体温でドロドロに溶けあって。身も心も満たされた後。
 くったりとしてしまった千鶴さんは、疲労と睡魔とに襲われたとろんとした眼差しで、
「あつい~……から、このままで……」
 と言い残し、裸のまま寝入ってしまった。
 もう一度シャワーを浴びる気力も体力も無かったのだろう。原因の大半である俺は、申し訳ないと思いながら一人でシャワーを浴びて。
 濡れタオルを手に寝室に戻り、彼女の体を拭き清めた。
 そして、自分も浴衣は纏わずに裸のまま彼女の眠る布団の中に潜り込んだ。
 ……このまま千鶴さんを抱きしめて眠ったら、どんなにか幸せだろう。
 けれど、彼女は「暑い~」と嫌がるかもしれない。
 エアコンをつければいいのだろうが、千鶴さんは節約と節電のために夜通しエアコンをつけることを厭った。つけてもタイマーで、二三時間だけだ。
 ……夏の間は仕方がないか、と。千鶴さんを抱きしめることは諦めて。
 シーツ越しに伝わる彼女の温もりの傍で、俺は目を閉じた。

 夏の夜は暑さのせいか、眠りが浅い。
 その日もふっと、夜中に目を覚ました。
 いや、正確には明け方、か。
 レースカーテン越しに差し込む昇ったばかりの陽の光が、部屋を白く照らしている。
 ふと、傍らに眠っていたはずの千鶴さんが半身を起していることに気付いた。
 彼女はまだ俺が起きていることに気付いていないのか、胸元を布団で隠しながら手を伸ばし、ベッドのすぐ横にある窓を開けようとしている。
「ふぐぐ……」
 寝たふりをして、しばらく観察していると。
「……ふうっ……」
 彼女は無事、窓を開け放った。
 窓を開けると、その向こうには白んだ空がいっぱいに広がっている。
 それを満足そうに見て、千鶴さんはぼすん、と布団に沈みこんだ。
 そしてにこにこと、嬉しそうに空に手を伸ばしては。
 またぽすん、と。布団の上に手を置いて、満足そうに空を見上げている。
「……千鶴さん?」
 その意図を測りかね、俺は寝たふりを止めて彼女に声を掛ける。
 すると彼女はぎょっとした顔で、もぞ……と俺の方に顔を向けた。
「……もしかして、起こしちゃいました……?」
「いえ……」
 すると彼女は、あのね、と。
 まるで内緒話をするように、小さな声で言った。
「……この時間に空を見るのが好きなんです……。真っ白くて。夜に輝いていた星が、みーんな白く溶けちゃったみたいな、真っ白い空が」
 そして、部屋の中も真っ白く染まってるのを見ながらうとうとするのが好きなのだと。
 特別なことを話すように、千鶴さんは言う。
 そして、言った後。
 はっと、「……すみません今恥ずかしいことを言いました」と布団で顔を隠してしまった。
 どうして隠すんです……?
 俺も……
「俺も好き、です」
 こうして、星が溶けゆく明け方に。
 あなたと二人、白い光に包まれているこの瞬間が。


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