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もしもクレス島に母の日があったら
しおりを挟む今日は母の日。
日頃の感謝や愛情を母に伝える日だ。
アニエスは、離れて暮らす王都の母宛てに、自分が焼いた日持ちのするパンと、サフィールに魔法を掛けてもらったカーネーションの花束を送った。
自分達の近況を知らせる手紙と共に。
そして…。
「「「「「「「奥方様っ!! いつも美味しいご飯、ありがとうですにゃー!!」」」」」」」
食卓に夕飯のメニューを並べていたアニエスは、夫の使い魔猫達に突然囲まれたかと思うと…
「これっ、俺達からの気持ちですにゃ…」
使い魔猫達を代表して、黒猫カルからカーネーションの花束を手渡された。
「みんな…」
使い魔猫達は、今日が「母の日」という、日頃の感謝をお母さんに伝える日なのだと聞いて、七匹で相談して、奥方様にプレゼントを贈ろう! ということになったのだと言う。
「奥方様は、ボクらのお母さん…じゃないけど」
もじもじと、恥ずかしそうに言うのは茶色猫ネリー。
「オレ達にとっては、お母さんみたいに…、大好き…なひとなのですにゃんっ!!」
そう言って、アニエスにがばっと抱きつくのはブチ猫のキース。
縞猫のアクアも、「あっ、ずるいにゃん!」と、一緒になって抱きついてくる。
それを、年長のセラフィが「こら…!」と叱って。
クールな灰色猫ライトが、やれやれ…と嘆息して。
白猫のジェダは、「その花束、僕がアレンジしましたのにゃん」と得意げに言ってくる。
アニエスは自分の腰に抱きついて来た二匹の頭を撫でてやりながら、くすくすと笑った。
「ありがとう! みんな!! 私もみんなのこと、大好きよ!!」
「「「「「「「にゃ~!!!」」」」」」」
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