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メリー・クリスマス!!
しおりを挟むその後は、「みんなも一緒に食べましょう」というアニエスの言葉に、厨房で色々と用意していた他の猫達も集まって、家族全員揃っての夕食となった。
全員で「メリー・クリスマス!!」と乾杯して(猫達のグラスには山羊のミルク)、キース特製のクリスマス料理に舌鼓を打ち。
お腹いっぱいになってもまだ、デザートは別腹で。
今夜のデザートはもちろん、雪のように真っ白なクリスマスケーキ。
これも使い魔猫達が協力して焼き上げたものだ。
サフィールとアニエスのケーキは、二人分の小さなホールケーキ。
そして猫達も、自分達に合った猫用のケーキを用意していた。
「あーっ!! ずるい!! カルの方がケーキ大きいにゃ!!」
と騒ぐキースに、
「変わらないにゃ! 大人しく食え!」
と一喝するカル。
几帳面な自分がきっちり等分に切り分けたのだ。そんなはずはないのである。
「はあ、綺麗な花に囲まれた僕…。やっぱり美しい…。ねえセラフィ、僕のためにバイオリンを奏でてにゃ」
ジェダは飾られた薔薇の傍で、うっとりと自分の美に浸っている。
「これを食べてからな」
もぐもぐとケーキを食べながら、頷くセラフィ。
バイオリンを弾くのは、難しいけれども楽しい。もっと練習して色々な曲を奏でられるようになりたいなと、密かに思っている三毛猫である。
「でだ、その時おおっきな波が船を揺らして…」
手振りも大きく、ネリーに今朝の巨大魚との格闘を熱く語るアクア。
「すごいにゃー。お魚、とっても美味しかったにゃん」
素直に感心しているネリーは、口元に真っ白いクリームを付けている。
「付いてるぞ」
と、そのクリームを拭ってやるのはライト。
「あっ、ありがとうにゃん」
「ん」
ライトは、今目の前に在る光景――楽しげに笑っている主人夫妻と仲間達の姿に、満足気な微笑を浮かべた。
ジェダイドの提案である花で室内を飾り、
カーネリアンの提案である新しいローブとドレスを二人に贈って、
サードオニキスの提案である料理を振る舞い、
そのメインに、アクアマリンの提案であるデッカイ魚をもってきて、
セラフィナイトの提案である音楽で、場を盛り上げる。
猫達全員の提案を活かした、クリスマスプレゼント。
それが、ライトが提案したアイディア。
(…うまくいって、良かった…)
灰色猫はひとり満足気に笑うと、美味しいクリスマスケーキをぱくりと頬張った。
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