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十六章
Ⅲ
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「先輩、なにがあったんですか?」
調査が再開された。人気がなくなった墓場でそれぞれが探索している。けど、池のときと打って変わって呪いの気配も呪具も発見できていない。それぞれ別れて探しているだけだけど、俺とルウの微妙な距離感をルナは察したのかも知れない。
「先輩、隈が凄いですし眼球血走ってます。そんなんじゃいざというとき対応できませんよ? 体調管理もできないようじゃ魔法士失格です」
やれやれ、とばかりの態度にも悪態をつける余裕はない。
「奴隷の子となにかあったんですか?」
「いや、実はな――――!?」
ルナと顔の距離を近づけて話そうとした途端、なにかが頭に直撃した。木の枝だった。飛んできたとおぼしき方向にはルウがいるけど、黙々と作業をしている。
「実は――――」
今度は小石、苔、砂。それぞれが連続で当たる。振り返ったとき、ルウはなにかを投げつけようとしていた。ごまかしているのか、そのままストレッチに入った。
「こんなかんじだ」
「どんなかんじですか。あの子と痴話喧嘩でもしたんですか?」
痴話喧嘩・・・・・・・・・・・・ではない。きっと俺が悪いんだ。俺がルウのことを傷つけた。そもそも俺が好きにならなかったら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「う、ううううう・・・・・・・・・・・・・・・」
「うわぁ、自分より年上の男性がまじ泣きとか。うわぁ」
うるせぇ。お前も恋の一つでもしてみやがれば痛いほど共感できるはずだ。
「もう、しょうがないですね。先輩のため、調査のためこのルナ様が人肌脱いであげましょう。お礼として崇め奉ってください」
胸を叩いて、自信満々なルナ。
「こういうのは、当人同士だけで解決できませんっ。なので私がさりげな~~~く遠~~~~回し~~~に聞いてみます」
なんか余計こじれそうだなぁ。俺とルナが二人でいると、余計機嫌悪くなってるし。
「それでは行って参ります。泥船に乗ったつもりで待っていてくださいっ」
沈没確定じゃねぇか。
ルナはすたこらさっさとルウの元へ。しばらく話しかけているけど、すごすごと戻ってきた。鼻水を流す勢いで泣いている。
「う、うううう・・・・・・・・・・・・・・。先輩、あの子、私に・・・・・・・・・・・・・う、うう・・・・・・・・・・・」
ルウになにか言われたのか。ルウが好きな俺だから耐えられたけど、そうじゃないルナに、ルウの毒舌は厳しいだろう。
「先輩と私が、お似合いだって。自分よりもご主人様とお二人で調査してくださいって・・・・・・・・・・・。そうして仲を深めてゆくゆくは私の女主人になってくれって・・・・・・・・・・・・・・・・・ひどいです」
「どこにショック受けてんだっ」
別に傷つけること言われてねぇじゃねぇか。逆に俺がショックだ。二重の意味で。
「取り付く島もありません。先輩よくあんな子奴隷にしていられますね。私だったら心折れてますよ」
「そりゃあ、好きだから」
自分で言って、自分で落ちこむ。今の俺にはルウを好きだとおもうことすらおこがましい。
「好きは好きでも、限度がありますよ。傷つくこととか言われまくってたら嫌いになりません?」
「ならないな。逆にそういうところもルウっぽいというか。へへっ」
「もう呪いですね、それは。なんにしろ、私にはもうお手上げですよぅ」
そもそもルナには期待していない。というか、俺が解決しなきゃいけない問題なんだ。
「失礼いたします。ルナ様」
いきなりルナが側にいて、俺達を睥睨している。ビクゥ!! と二人揃って驚いた。
「あちらで呪いらしき物を発見いたしました。ご確認願えますか?」
「あ、ええ。うん」
ちらりとこちらを一瞥すらしないルウからは徹底した拒絶の意志をかんじる。背中を見つめていると、更に悲しさが強まって、両目が滲んでくる。
「こちらです」
墓場の最奥、大木の根元に掘り起こされた土の跡がある。ルナが触れないように観察をする。俺もひょっこりと上から覗いてみる。
「魔物の・・・・・・・・・・骨?」
「いえ。おそらく獣人ですね。形状からして」
長細く特徴的な頭蓋骨の外観は、人間とは明らかに一線を画している。にも関わらず獣人の骨と推察できたのは何故だろう。
「見てください。魔物と違って、脳の収る部分が大きいでしょう? 人間や亜人族のように知能を持っていない魔物は、この骨の大きさだともっと脳は小さくなるはずなのですよ」
そこまではさすがに俺も詳しくない。あくまでも魔法専門だから。というかルナはなんでそんなに詳しいんだ。
「ほえ? 呪いの仕組みを調べるために呪われている魔物や亜人族の解剖書とか標本とか。あと死体とかも実験に使いますし」
なに? こいつの部署そんなおそろしいことやってたの? こわっっっ。
「ふんふんふふふ~~ん」
ルナは手際よく道具を用意して、調べていく。手持ち無沙汰となった俺達は自然と眺めるしかない。ちら、と隣にいるルウを見る。ルウも俺を見ていたようで視線が交錯する。どちらからともなく逸らす。でも、なんとなく気になってまたチラ見してしまう。そのたびにルウと目が合ってしまう。
「あ、先輩。解析終わりましたぁ。ぶっ壊しちゃってくださいなっ」
「軽いなおい」
にこにこ笑顔で頭蓋骨を差しだしてくる。逆にぞんざいすぎる扱いにこちらが戸惑ってしまう。
「これはこの前の呪いと違って、大丈夫なやつです。ほら、額に赤い血で文字が描かれているでしょう? これがなんやかんやあって、呪いを発生させています。媒介物である骨に込められている怨念がまったくないので、血文字自体に意味があるのですよ」
「じゃあこの血文字消せばいいんじゃねぇか?」
「それだと呪い返しにあって、なんやかんやあって先輩死にますよ?」
なんともあやふやな説明だけど、呪いに一番詳しいはずのルナがそこまで断言するなら、仕方ない。
『紫炎』を発動して、『炎球』を頭蓋骨にぶつける。見間違えようもなく、木っ端微塵になり、そのままずぶずぶと燃やし尽くす勢いで延焼していく。
「さてさて。これであと残すところは~~っと」
地図に印を付けながら歩きだすルナに追従する形になって、全員が墓場を後にする。まだ調査するべき場所は何カ所かある。全部が全部呪いに関連しているわけじゃないけど、このまま進めば予定より早く問題は解決するはず。にも関わらず、心は晴れない。逆にこのまま終わらなければいいとすら願っている。
それは、自ずとルウと二人で別の問題に向き合わなければいけないということだから。いつまでも先延ばしにしていい問題ではない。なによりもまず優先しなければいけないことのはず。だけど、答えを出すのが嫌だ。だって、答えの如何によってはルウと・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
心細くなって、何気なしにルウの姿を探す。けど、俺達の一団の中にルウはいなかった。きょろきょろとしていたら、ルウは一人残っている。いても立ってもいられず、戻ってしまった。
なんて声をかければいいんだろう。戻ってルウの後ろ姿を前にして後悔した。なにを喋っても薄ら寒い言葉になってしまうと予感があった。
視線の端で、なにかが動いた。『炎球』で燃え尽きたはずの破片。風に吹かれて転がったのか。違う。燃え尽きてはいない。飛び散ったはずの焔を纏った破片が、そこかしこでひゅん、ひゅん、と。なにかに引かれるように一つ所に集まっていく。
はっとする。池での異変。あのとき、ルウは呪いに引き寄せられていた。なにかの声を聞いたと。
「おい、ルウ?」
呼びかけに応えない。肩を揺すってもまるで体幹が存在していないようにふらふらと所在なさげに揺れてしまう。それだけじゃない。『紫炎』を纏った頭蓋骨が再生した。そのままゆっくりと口を開ける。
「ルナ!」
俺の声は届いたのか。この世ならざるおぞましい絶叫が響いたのを合図にして、墓場を囲むように赤い線が走っていく。辺り一面が暗くなって。
感情が流れこんでくる。頭。体内。血管。神経。あまさず俺のすべての中にどす黒い負の感情。身の毛がよだつなんて生ぬるくて、吐き気と頭痛と圧死されそうなあらゆる憎悪が駆け巡る。
それは、俺だけじゃなくルナ達も同じだった。誰もが地面に伏して藻掻き苦しみ、痙攣している。
けたけたとあざ笑うかのように、上下の口を開け閉めしている頭蓋骨めがけて、『炎球』を放つ。制御がうまくいかず、想定の十分の一の大きさでも直撃はした。炎上し、煙を発する。
それでも、消えない。
調査が再開された。人気がなくなった墓場でそれぞれが探索している。けど、池のときと打って変わって呪いの気配も呪具も発見できていない。それぞれ別れて探しているだけだけど、俺とルウの微妙な距離感をルナは察したのかも知れない。
「先輩、隈が凄いですし眼球血走ってます。そんなんじゃいざというとき対応できませんよ? 体調管理もできないようじゃ魔法士失格です」
やれやれ、とばかりの態度にも悪態をつける余裕はない。
「奴隷の子となにかあったんですか?」
「いや、実はな――――!?」
ルナと顔の距離を近づけて話そうとした途端、なにかが頭に直撃した。木の枝だった。飛んできたとおぼしき方向にはルウがいるけど、黙々と作業をしている。
「実は――――」
今度は小石、苔、砂。それぞれが連続で当たる。振り返ったとき、ルウはなにかを投げつけようとしていた。ごまかしているのか、そのままストレッチに入った。
「こんなかんじだ」
「どんなかんじですか。あの子と痴話喧嘩でもしたんですか?」
痴話喧嘩・・・・・・・・・・・・ではない。きっと俺が悪いんだ。俺がルウのことを傷つけた。そもそも俺が好きにならなかったら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「う、ううううう・・・・・・・・・・・・・・・」
「うわぁ、自分より年上の男性がまじ泣きとか。うわぁ」
うるせぇ。お前も恋の一つでもしてみやがれば痛いほど共感できるはずだ。
「もう、しょうがないですね。先輩のため、調査のためこのルナ様が人肌脱いであげましょう。お礼として崇め奉ってください」
胸を叩いて、自信満々なルナ。
「こういうのは、当人同士だけで解決できませんっ。なので私がさりげな~~~く遠~~~~回し~~~に聞いてみます」
なんか余計こじれそうだなぁ。俺とルナが二人でいると、余計機嫌悪くなってるし。
「それでは行って参ります。泥船に乗ったつもりで待っていてくださいっ」
沈没確定じゃねぇか。
ルナはすたこらさっさとルウの元へ。しばらく話しかけているけど、すごすごと戻ってきた。鼻水を流す勢いで泣いている。
「う、うううう・・・・・・・・・・・・・・。先輩、あの子、私に・・・・・・・・・・・・・う、うう・・・・・・・・・・・」
ルウになにか言われたのか。ルウが好きな俺だから耐えられたけど、そうじゃないルナに、ルウの毒舌は厳しいだろう。
「先輩と私が、お似合いだって。自分よりもご主人様とお二人で調査してくださいって・・・・・・・・・・・。そうして仲を深めてゆくゆくは私の女主人になってくれって・・・・・・・・・・・・・・・・・ひどいです」
「どこにショック受けてんだっ」
別に傷つけること言われてねぇじゃねぇか。逆に俺がショックだ。二重の意味で。
「取り付く島もありません。先輩よくあんな子奴隷にしていられますね。私だったら心折れてますよ」
「そりゃあ、好きだから」
自分で言って、自分で落ちこむ。今の俺にはルウを好きだとおもうことすらおこがましい。
「好きは好きでも、限度がありますよ。傷つくこととか言われまくってたら嫌いになりません?」
「ならないな。逆にそういうところもルウっぽいというか。へへっ」
「もう呪いですね、それは。なんにしろ、私にはもうお手上げですよぅ」
そもそもルナには期待していない。というか、俺が解決しなきゃいけない問題なんだ。
「失礼いたします。ルナ様」
いきなりルナが側にいて、俺達を睥睨している。ビクゥ!! と二人揃って驚いた。
「あちらで呪いらしき物を発見いたしました。ご確認願えますか?」
「あ、ええ。うん」
ちらりとこちらを一瞥すらしないルウからは徹底した拒絶の意志をかんじる。背中を見つめていると、更に悲しさが強まって、両目が滲んでくる。
「こちらです」
墓場の最奥、大木の根元に掘り起こされた土の跡がある。ルナが触れないように観察をする。俺もひょっこりと上から覗いてみる。
「魔物の・・・・・・・・・・骨?」
「いえ。おそらく獣人ですね。形状からして」
長細く特徴的な頭蓋骨の外観は、人間とは明らかに一線を画している。にも関わらず獣人の骨と推察できたのは何故だろう。
「見てください。魔物と違って、脳の収る部分が大きいでしょう? 人間や亜人族のように知能を持っていない魔物は、この骨の大きさだともっと脳は小さくなるはずなのですよ」
そこまではさすがに俺も詳しくない。あくまでも魔法専門だから。というかルナはなんでそんなに詳しいんだ。
「ほえ? 呪いの仕組みを調べるために呪われている魔物や亜人族の解剖書とか標本とか。あと死体とかも実験に使いますし」
なに? こいつの部署そんなおそろしいことやってたの? こわっっっ。
「ふんふんふふふ~~ん」
ルナは手際よく道具を用意して、調べていく。手持ち無沙汰となった俺達は自然と眺めるしかない。ちら、と隣にいるルウを見る。ルウも俺を見ていたようで視線が交錯する。どちらからともなく逸らす。でも、なんとなく気になってまたチラ見してしまう。そのたびにルウと目が合ってしまう。
「あ、先輩。解析終わりましたぁ。ぶっ壊しちゃってくださいなっ」
「軽いなおい」
にこにこ笑顔で頭蓋骨を差しだしてくる。逆にぞんざいすぎる扱いにこちらが戸惑ってしまう。
「これはこの前の呪いと違って、大丈夫なやつです。ほら、額に赤い血で文字が描かれているでしょう? これがなんやかんやあって、呪いを発生させています。媒介物である骨に込められている怨念がまったくないので、血文字自体に意味があるのですよ」
「じゃあこの血文字消せばいいんじゃねぇか?」
「それだと呪い返しにあって、なんやかんやあって先輩死にますよ?」
なんともあやふやな説明だけど、呪いに一番詳しいはずのルナがそこまで断言するなら、仕方ない。
『紫炎』を発動して、『炎球』を頭蓋骨にぶつける。見間違えようもなく、木っ端微塵になり、そのままずぶずぶと燃やし尽くす勢いで延焼していく。
「さてさて。これであと残すところは~~っと」
地図に印を付けながら歩きだすルナに追従する形になって、全員が墓場を後にする。まだ調査するべき場所は何カ所かある。全部が全部呪いに関連しているわけじゃないけど、このまま進めば予定より早く問題は解決するはず。にも関わらず、心は晴れない。逆にこのまま終わらなければいいとすら願っている。
それは、自ずとルウと二人で別の問題に向き合わなければいけないということだから。いつまでも先延ばしにしていい問題ではない。なによりもまず優先しなければいけないことのはず。だけど、答えを出すのが嫌だ。だって、答えの如何によってはルウと・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
心細くなって、何気なしにルウの姿を探す。けど、俺達の一団の中にルウはいなかった。きょろきょろとしていたら、ルウは一人残っている。いても立ってもいられず、戻ってしまった。
なんて声をかければいいんだろう。戻ってルウの後ろ姿を前にして後悔した。なにを喋っても薄ら寒い言葉になってしまうと予感があった。
視線の端で、なにかが動いた。『炎球』で燃え尽きたはずの破片。風に吹かれて転がったのか。違う。燃え尽きてはいない。飛び散ったはずの焔を纏った破片が、そこかしこでひゅん、ひゅん、と。なにかに引かれるように一つ所に集まっていく。
はっとする。池での異変。あのとき、ルウは呪いに引き寄せられていた。なにかの声を聞いたと。
「おい、ルウ?」
呼びかけに応えない。肩を揺すってもまるで体幹が存在していないようにふらふらと所在なさげに揺れてしまう。それだけじゃない。『紫炎』を纏った頭蓋骨が再生した。そのままゆっくりと口を開ける。
「ルナ!」
俺の声は届いたのか。この世ならざるおぞましい絶叫が響いたのを合図にして、墓場を囲むように赤い線が走っていく。辺り一面が暗くなって。
感情が流れこんでくる。頭。体内。血管。神経。あまさず俺のすべての中にどす黒い負の感情。身の毛がよだつなんて生ぬるくて、吐き気と頭痛と圧死されそうなあらゆる憎悪が駆け巡る。
それは、俺だけじゃなくルナ達も同じだった。誰もが地面に伏して藻掻き苦しみ、痙攣している。
けたけたとあざ笑うかのように、上下の口を開け閉めしている頭蓋骨めがけて、『炎球』を放つ。制御がうまくいかず、想定の十分の一の大きさでも直撃はした。炎上し、煙を発する。
それでも、消えない。
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