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二章
Ⅵ
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休日、食材と研究に必要な物がほしかったため、買い物に出掛けた。朝食を食べる時間帯、まだ料理屋は開いていない。だから買いだめできてそのまま簡単に食べられる物は買うようにしている。毎食外食はキツいから。
「いやぁしかし、今日は気持ちが良い天気だなぁ!」
「・・・・・・今日は曇り空ですが」
「関係ないさっ」
ルウと一緒ならどんな天気だろうと最高だから。
「・・・・・・さようですか。ご主人様、少しテンション高すぎではないでしょうか?」
「それはそうだろう」
なんといってもルウと二人で出掛けているのだ。本当はルウ一人で行けると断言されたけど。それに、あれから日課となったルウの尻尾を楽しむ時間、名付けて『もふもふタイム』のおかげで毎日楽しい。
「・・・・・・はぁそうですか。鬱陶しいので少し静かにしてもらいたいものです」
「ごめん」
「・・・・・・あ、間違えました。キモいので半径三千メートル常に離れて過ごしていただきたいです」
「常に帝都から出ていろと!?」
ツッコんではみたものの、どうもルウの調子がおかしい。いつも以上にテンションが低い。出会ってからテンションが高かったことなんてないが、
「ルウ、なにかあったのか?」
「・・・・・・いえ別に」
市場でそのまま食べられる果物を選んでいるとき、なんとなく聞いてみた。家事はこなせている。会話やコミュニケーションも普通にできている。それでもやはりおかしい。気怠そうで、疲れている。尻尾も耳も力なくぺたんと伏せられているからより顕著だ。
ルウのおかげで毎日すごい助かっている。実際毎日快眠できるようになって、悪夢を見る頻度は減っているし、研究所から帰ってきたあとの疲労も癒やされている。
だからこそ、ルウになにか返したい。俺だけ与えてもらっていても、ルウが不幸になったり調子が悪いのは嫌だ。それは好きな子をなんとかしたい、という当たり前のことだろう。
「いいのです。私のことでご主人様を煩わせるわけにはまいりません」
ルウはなかなか本心を語ってくれない。今だって無理しているのに、教えてくれない。『隷属の首輪』を使えばきっと教えてくれるんだろうが、それは心苦しい。
「私は物ですから。例えどんなことがあろうと命令を実行いたします。それがよい奴隷でしょう?」
・・・・・・俺はルウを奴隷としてじゃない。一人の女の子として扱いたい。それにその言い方だとやっぱりなにかがあるってことじゃないか。嫌な気持ちのままいたくないし、無理をしてほしくない。さてどうしようか。
「それにご主人様は私に命令なんて絶対できないでしょう」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・一回くらいならいいかな。
「よし。命令する。ルウ、本当のことを教えてくれ」
「っ!?」
半開きになっていたルウの目が、驚愕でかっ! と一瞬のうちに大きく開かれた。まさか俺が命令をするとは予想してなかったんだろう。表情はそのままで、わたわたとした身ぶりで動揺しているのを示し出す。
「ど、どうして、ご、ご主人様? なにを、」
首輪が、淡い光を放つ。魔導具としての効果が発揮された証なのだろう。誓いを破る形になって後ろめたいけど、それでもどうしても知りたい。
「すまない。だが、本当に無理をしていないのか? 最近、変わったことはないのか? 嫌なこととか。俺は、それが知りたいだけなんだ」
「それは、あ、あ、あ、・・・・・・・・・・・・・・・・・・あります・・・・・・!」
やはりあったのか。それは一体何なのか。一刻も早く知りたい。けど、ルウは口を手でふさいでしまう。意地でも教えたくはないことなんだろうか。余計気になってしまう。
「教えてくれ」
「むぐぐ・・・・・・むぐぐ~!」
絶対に教えたくはないというルウの意志と、『隷属の首輪』の効果がせめぎあっている。
「その手をどけろ。命令だ」
『隷属の首輪』がまた光って、ルウの体がぴんと芯が通ったようにぴしっと固まる。両手がゆっくりと外されて太ももの辺りに置かれて兵士のように直立した体勢になった。
それでも、やはりどこかで逆らおうとしているのか、ぷるぷるぷると微妙に震えている。
「わ、私、は別にいやというわけではないのですが、」
一体なんなのか。少し緊張してルウの言葉を待つ。
「ご主人様が、日課にされている、『もふもふタイム』が、多少負担になっているので、ございます・・・・・・」
「・・・・・・どういうことだ?」
「私の尻尾は、感覚が敏感なのです。そのようなところをご主人様・・・・・・・・・・・にあのようにされると、おかしくなってしまうのです」
「おかしい? 具体的にどんな?」
「はい。例えば――」
それから、ルウの口から説明されて、激しく後悔した。そして『もふもふタイム』は禁止することにした。
要するに、ルウは尻尾をいじられて、性的快感に近いものを毎回味わっていた。具体的にどのような、というのは『隷属の首輪』の力で赤裸々に語ってくれたけど、内容はルウの名誉のために伏せておく。とにかく、『もふもふタイム』の回数が多すぎるから、少し体が保たない、それでテンションが低かったり怠そうだったというわけである。
言わなかったのは、恥ずかしかったから。
・・・・・・命令しなきゃ良かった。罪悪感で死んでしまいたい。
「・・・・・・これで、満足でしょうか・・・・・・ご主人様・・・・・・」
無表情でいようとしているのか、若干涙目になってすごい恥ずかしがってるし。顔を真っ赤に染めて、睨んでいるし。無理やり恥ずかしいことを暴露させられたということで、屈辱とか怒りとかも凄まじいに違いない。
「すまなかった。ルウ。これからは絶対に命令はしない」
「当然です。そして、私はお肉が食べたいです」
「ぜひに」
それくらいで許されるんだったら安いもの。仕切り直して、買い物を続けようと目的地までまた歩き始める。何度も謝り続ける。もう本当に命令はやめようと改めて誓った。
「・・・・・・肉が好きなのか?」
「はい、大好物です」
あっけらかんとして答えてくれたので安心でほっとする。そういえば、初めて外食したときも肉をたくさん注文していたな。
「お肉さえ食べられればあとは何もいりません」
「そんなにか」
「はい。ご主人様に、例え泥水と汚物に塗れた場所で寝起きしろと命令されてもお肉を三食食べさせてもらえるならばそれで幸せです」
「さすがに命令しないからな? そんな命令しなくても食べさせるからな?」
三食は難しいかもしれない。金銭的に。それに健康的にも。しかし、種族的には問題ないのだろうか。
「正直、今までおなかが減ったとき、ご主人様を襲って食べてしまおうかという衝動に襲われたのも一度や二度ではございません」
「俺知らない間に生命の危機に瀕していたの!?」
「ご安心ください。ウェアウルフは習性として非常食は絶対に隠していざというときまで取っておく種族ですから」
「安心できねぇよ!」
俺自分の奴隷に非常食扱いされてたの? そこはかとなくショック。けど、許す。
「けど、本当にいざというときは俺を食べていいからな」
ルウになら食べられてもいい。むしろ食べられたい。ルウが無言で距離をとった。なんで?
「それに、毎日五食お肉にしていただけるなら、『もふもふタイム』を毎日してもかまいません。それくらい好きです」
「まじでか!?」
いかん。つい決意が揺らいだ。顔をブルブルブルと振って冷静になる。
「そんなことしなくても肉なら食べさせる。というか毎日五食って回数おかしいからな?」
きっとおやつ、夜食も含んでのことなんだろう。それでも多すぎる。
「・・・・・・ち、無駄にさといですねご主人様」
「そんな不満げになるな。毎日一~二食は必ず肉を出すよ。それとは別に『もふもふタイム』はなしな」
俺は癒やされても、それがルウの負担になっているなら意味がない。廃止した方がいい。俺なんかのメンタルやストレスなんかよりルウが最優先。残念だなんておもっちゃいない。本当に。
「え?」
「え?」
なんでそこで反応するんだ。
「廃止するのですか?」
「だって嫌なんだろう」
「私は別にあれ自体が嫌なわけではありません。私も満足していましたから」
「え?」
「ですので、ご主人様に尻尾を、いじられていたのは、嫌ではなかったのです。私もなんだかんだ気持ちよくなっていたのですから。逆に少し求めているのもありますので、そただ回数を減らしていただければよいのです」
ルウは澄まし顔だけど、聞いた俺の方が狼狽してしまう。その言葉の意味を理解してしまったから。
それは・・・・・・・・・・・・きっとそういう意味でいいんだよな? とんでもない衝撃発言をぶちかまされて、頭と顔が熱くなってくる。
「ご主人様がご命令なさったので、また余計なことを口に出してしまいました」
遅れて、自分の迂闊さに気づいたのか、尻尾を胸に抱くようにして、顔を隠す。きっと今更恥ずかしくなってきたのだろう。それでいて、非難するように横目でじとっとにらんでくる。それがいとおしくって、ときめいた。
きっと、まだ『隷属の首輪』効果があると思い込んでしまっていて、それで正直に本心を伝えてしまったのだろう。
・・・・・・もう『隷属の首輪』の効果は一切残っていないことは黙っていたほうがいいな。
「いやぁしかし、今日は気持ちが良い天気だなぁ!」
「・・・・・・今日は曇り空ですが」
「関係ないさっ」
ルウと一緒ならどんな天気だろうと最高だから。
「・・・・・・さようですか。ご主人様、少しテンション高すぎではないでしょうか?」
「それはそうだろう」
なんといってもルウと二人で出掛けているのだ。本当はルウ一人で行けると断言されたけど。それに、あれから日課となったルウの尻尾を楽しむ時間、名付けて『もふもふタイム』のおかげで毎日楽しい。
「・・・・・・はぁそうですか。鬱陶しいので少し静かにしてもらいたいものです」
「ごめん」
「・・・・・・あ、間違えました。キモいので半径三千メートル常に離れて過ごしていただきたいです」
「常に帝都から出ていろと!?」
ツッコんではみたものの、どうもルウの調子がおかしい。いつも以上にテンションが低い。出会ってからテンションが高かったことなんてないが、
「ルウ、なにかあったのか?」
「・・・・・・いえ別に」
市場でそのまま食べられる果物を選んでいるとき、なんとなく聞いてみた。家事はこなせている。会話やコミュニケーションも普通にできている。それでもやはりおかしい。気怠そうで、疲れている。尻尾も耳も力なくぺたんと伏せられているからより顕著だ。
ルウのおかげで毎日すごい助かっている。実際毎日快眠できるようになって、悪夢を見る頻度は減っているし、研究所から帰ってきたあとの疲労も癒やされている。
だからこそ、ルウになにか返したい。俺だけ与えてもらっていても、ルウが不幸になったり調子が悪いのは嫌だ。それは好きな子をなんとかしたい、という当たり前のことだろう。
「いいのです。私のことでご主人様を煩わせるわけにはまいりません」
ルウはなかなか本心を語ってくれない。今だって無理しているのに、教えてくれない。『隷属の首輪』を使えばきっと教えてくれるんだろうが、それは心苦しい。
「私は物ですから。例えどんなことがあろうと命令を実行いたします。それがよい奴隷でしょう?」
・・・・・・俺はルウを奴隷としてじゃない。一人の女の子として扱いたい。それにその言い方だとやっぱりなにかがあるってことじゃないか。嫌な気持ちのままいたくないし、無理をしてほしくない。さてどうしようか。
「それにご主人様は私に命令なんて絶対できないでしょう」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・一回くらいならいいかな。
「よし。命令する。ルウ、本当のことを教えてくれ」
「っ!?」
半開きになっていたルウの目が、驚愕でかっ! と一瞬のうちに大きく開かれた。まさか俺が命令をするとは予想してなかったんだろう。表情はそのままで、わたわたとした身ぶりで動揺しているのを示し出す。
「ど、どうして、ご、ご主人様? なにを、」
首輪が、淡い光を放つ。魔導具としての効果が発揮された証なのだろう。誓いを破る形になって後ろめたいけど、それでもどうしても知りたい。
「すまない。だが、本当に無理をしていないのか? 最近、変わったことはないのか? 嫌なこととか。俺は、それが知りたいだけなんだ」
「それは、あ、あ、あ、・・・・・・・・・・・・・・・・・・あります・・・・・・!」
やはりあったのか。それは一体何なのか。一刻も早く知りたい。けど、ルウは口を手でふさいでしまう。意地でも教えたくはないことなんだろうか。余計気になってしまう。
「教えてくれ」
「むぐぐ・・・・・・むぐぐ~!」
絶対に教えたくはないというルウの意志と、『隷属の首輪』の効果がせめぎあっている。
「その手をどけろ。命令だ」
『隷属の首輪』がまた光って、ルウの体がぴんと芯が通ったようにぴしっと固まる。両手がゆっくりと外されて太ももの辺りに置かれて兵士のように直立した体勢になった。
それでも、やはりどこかで逆らおうとしているのか、ぷるぷるぷると微妙に震えている。
「わ、私、は別にいやというわけではないのですが、」
一体なんなのか。少し緊張してルウの言葉を待つ。
「ご主人様が、日課にされている、『もふもふタイム』が、多少負担になっているので、ございます・・・・・・」
「・・・・・・どういうことだ?」
「私の尻尾は、感覚が敏感なのです。そのようなところをご主人様・・・・・・・・・・・にあのようにされると、おかしくなってしまうのです」
「おかしい? 具体的にどんな?」
「はい。例えば――」
それから、ルウの口から説明されて、激しく後悔した。そして『もふもふタイム』は禁止することにした。
要するに、ルウは尻尾をいじられて、性的快感に近いものを毎回味わっていた。具体的にどのような、というのは『隷属の首輪』の力で赤裸々に語ってくれたけど、内容はルウの名誉のために伏せておく。とにかく、『もふもふタイム』の回数が多すぎるから、少し体が保たない、それでテンションが低かったり怠そうだったというわけである。
言わなかったのは、恥ずかしかったから。
・・・・・・命令しなきゃ良かった。罪悪感で死んでしまいたい。
「・・・・・・これで、満足でしょうか・・・・・・ご主人様・・・・・・」
無表情でいようとしているのか、若干涙目になってすごい恥ずかしがってるし。顔を真っ赤に染めて、睨んでいるし。無理やり恥ずかしいことを暴露させられたということで、屈辱とか怒りとかも凄まじいに違いない。
「すまなかった。ルウ。これからは絶対に命令はしない」
「当然です。そして、私はお肉が食べたいです」
「ぜひに」
それくらいで許されるんだったら安いもの。仕切り直して、買い物を続けようと目的地までまた歩き始める。何度も謝り続ける。もう本当に命令はやめようと改めて誓った。
「・・・・・・肉が好きなのか?」
「はい、大好物です」
あっけらかんとして答えてくれたので安心でほっとする。そういえば、初めて外食したときも肉をたくさん注文していたな。
「お肉さえ食べられればあとは何もいりません」
「そんなにか」
「はい。ご主人様に、例え泥水と汚物に塗れた場所で寝起きしろと命令されてもお肉を三食食べさせてもらえるならばそれで幸せです」
「さすがに命令しないからな? そんな命令しなくても食べさせるからな?」
三食は難しいかもしれない。金銭的に。それに健康的にも。しかし、種族的には問題ないのだろうか。
「正直、今までおなかが減ったとき、ご主人様を襲って食べてしまおうかという衝動に襲われたのも一度や二度ではございません」
「俺知らない間に生命の危機に瀕していたの!?」
「ご安心ください。ウェアウルフは習性として非常食は絶対に隠していざというときまで取っておく種族ですから」
「安心できねぇよ!」
俺自分の奴隷に非常食扱いされてたの? そこはかとなくショック。けど、許す。
「けど、本当にいざというときは俺を食べていいからな」
ルウになら食べられてもいい。むしろ食べられたい。ルウが無言で距離をとった。なんで?
「それに、毎日五食お肉にしていただけるなら、『もふもふタイム』を毎日してもかまいません。それくらい好きです」
「まじでか!?」
いかん。つい決意が揺らいだ。顔をブルブルブルと振って冷静になる。
「そんなことしなくても肉なら食べさせる。というか毎日五食って回数おかしいからな?」
きっとおやつ、夜食も含んでのことなんだろう。それでも多すぎる。
「・・・・・・ち、無駄にさといですねご主人様」
「そんな不満げになるな。毎日一~二食は必ず肉を出すよ。それとは別に『もふもふタイム』はなしな」
俺は癒やされても、それがルウの負担になっているなら意味がない。廃止した方がいい。俺なんかのメンタルやストレスなんかよりルウが最優先。残念だなんておもっちゃいない。本当に。
「え?」
「え?」
なんでそこで反応するんだ。
「廃止するのですか?」
「だって嫌なんだろう」
「私は別にあれ自体が嫌なわけではありません。私も満足していましたから」
「え?」
「ですので、ご主人様に尻尾を、いじられていたのは、嫌ではなかったのです。私もなんだかんだ気持ちよくなっていたのですから。逆に少し求めているのもありますので、そただ回数を減らしていただければよいのです」
ルウは澄まし顔だけど、聞いた俺の方が狼狽してしまう。その言葉の意味を理解してしまったから。
それは・・・・・・・・・・・・きっとそういう意味でいいんだよな? とんでもない衝撃発言をぶちかまされて、頭と顔が熱くなってくる。
「ご主人様がご命令なさったので、また余計なことを口に出してしまいました」
遅れて、自分の迂闊さに気づいたのか、尻尾を胸に抱くようにして、顔を隠す。きっと今更恥ずかしくなってきたのだろう。それでいて、非難するように横目でじとっとにらんでくる。それがいとおしくって、ときめいた。
きっと、まだ『隷属の首輪』効果があると思い込んでしまっていて、それで正直に本心を伝えてしまったのだろう。
・・・・・・もう『隷属の首輪』の効果は一切残っていないことは黙っていたほうがいいな。
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❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4500文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
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第4章 15歳の辺境聖女
第5章 17歳の愛し子
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