上 下
49 / 101

第49話 妖刀ミコバミ、揉みまくり

しおりを挟む
「イスカ君、その刀は……?」

 何か様子がおかしいことに気がついたニハルが、心配そうに尋ねてきた。

 それに対して、イスカは答えない。無言である。

 何も言わず、黙ったまま――いきなり、ニハルのおっぱいを鷲掴みにした。

「ひゃう⁉ ん! くぅ! な、なにするの⁉」

 頬を染めて、恥ずかしそうにイスカのことを見るニハル。

 まったく気にすることなく、イスカはニハルのおっぱいを、ゆっくりと揉み始めた。

「いやいやいや、なにやってんのよ⁉」

 ライカのツッコミに対しても、まったく反応しない。

 イスカは目を爛々と輝かせつつ、表情には一切の感情を表さないで、黙々とニハルのおっぱいをムギュムギュと揉みしだいている。

「あ……やぁ……」

 身をくねらせ、イスカのおっぱい責めに耐えようとするが、愛する人にエッチなことをされているという状況が、自然とニハルの胸に興奮をもたらす。

 やがて、イスカは、ニハルのバニースーツの胸部へと手をかけ、ペロリとめくった。豊かな乳房がポロンとはみ出してしまう。

「待って! 待って!」

 さすがのレジーナも、これには慌てて、イスカの行動を止めに入る。

「そんなことをしている場合じゃないわ! ルドルフが目の前にいるのに――」

 そんな風にたしなめてくるレジーナのことを、ジッと無表情で見つめてきたイスカは、スッとニハルから離れた。

 そして、今度はレジーナのことを、熱く抱擁してきた。

「え⁉ な! ちょ……!」

 狼狽するレジーナ。その美尻を、ガシッ、とイスカは荒々しく掴んだ。

「はぅう! ま、待って! 乱暴すぎ……!」

 抗議の声を上げるレジーナだったが、イスカは聞く耳持たず、ギュッ! ギュッ! と彼女のお尻を激しく揉んでいる。レオタードがずれて、お尻の割れ目に食い込み、肌がより露出する。レジーナは顔を真っ赤にして、身をよじらせ、イスカを引き剥がそうとするが、力では勝てず、なすがままとなっている。

「いー加減にしなさーい!」

 ライカがスパコーン! とイスカの後頭部をはたいた。

 すると、次に、イスカはライカのことを見てきた。ターゲットロックオン、だ。

「ひ」

 引きつった恐怖の声を上げ、ライカは倉庫の奥へ向かって逃げ出した。

 イスカはその後を追いかけてくる。

「ひいい! なによ! なによ! なんなのよおおお!」

 十二歳の少女を追いかけ回す少年。まあ、歳の差はそれほどないが、しかし、絵面的にかなりまずい光景である。

「きゃう!」

 とうとうライカは逃げ切れず、転んでしまった。

 その上に覆い被さり、イスカは、手を伸ばしてくる。

「やだああ! やめてええ!」

 あわや十二歳の少女が、禁断のエロ展開に突入か、というところで、

「目を覚ませーーー!」

 意識を取り戻したクイナが、急いで駆けつけるやいなや、飛び蹴りを放ち、イスカのことを吹っ飛ばした。

「バカか、お前は! それは妖刀だと、説明しただろ! なんでそれなのに手にした!」

 床に転がったイスカは、ゆらりと起き上がると、今度はクイナへと狙いを定めてくる。完全に妖刀によって精神を支配されている。いまの彼は、とにかく女の子にエッチなことをしたいだけの性欲の塊だ。

「……なんなんだ、いったい」

 ルドルフの口から呆れ声が漏れ出る。

 最初は、妖刀を使いこなして襲いかかってくるかと思い、身構えていたのだが、なんということはない。イスカは妖刀に振り回されてしまっている。

 ならば、恐るるにたらない。

「そろそろ終わらせようか。この茶番をな」

 ルドルフの目の前には、無防備なニハルとレジーナ。イスカ達はその奥のほうにいる。すぐには助けに入れないほどの距離だ。

「俺が欲しいのは、ニハル、お前一人だ。お前さえモノにできれば、あとは全員いらぬ」

 そう言いながら、その目は、レジーナへと向けられている。

「まずは、裏切り者のお前から、抹殺してやろう」

 ルドルフに睨まれて、レジーナはビクンと体を震わせた。このカジノの中でも、特に何度もルドルフに抱かれてきたからこそ、相手の恐ろしさがわかっている。刃向かったことは間違いだったか、とレジーナは次第に後悔し始めていた。

 ズンズンと足音を響かせて、ルドルフは迫ってくる。

 その前に、ニハルが両腕を広げて、立ちはだかった。

「なんの真似だ」
「レジーナを殺させない」
「どけ。お前は最後の楽しみだ」
「いやよ。どいたら、レジーナを斬るんでしょ。でも、あなたは私を殺せない。だから、私は絶対に、ここをどかない」
「たしかに殺しはしないが……暴力を振るわない、とも言ってないぞ」

 ルドルフは左拳を振り上げた。

 殴られる――と思ったニハルは、それでも目を閉じず、ルドルフのことを睨みつけたまま、覚悟を決めて、グッと全身に力を込めた。

 その瞬間。

 疾風のごとく、離れた位置からイスカが駆けつけてきて、タンッ! と高く跳躍した。頭の上にはミコバミを振りかぶっている。

「ヤアァァァ!」

 裂帛の気合いとともに、ルドルフの頭を叩き斬らんと、落下しながらの唐竹割りを放った。

「ぬう⁉」

 ルドルフは剣を振り上げ、イスカの斬撃を真っ向から防ぐ。

 ガキイイイン! と金属音が鳴り響いた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

平凡冒険者のスローライフ

上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。 平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。 果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか…… ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生

西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。 彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。 精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。 晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。 死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。 「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」 晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。

分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活

SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。 クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。 これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。

俺だけステータスが見える件~ゴミスキル【開く】持ちの俺はダンジョンに捨てられたが、【開く】はステータスオープンできるチートスキルでした~

平山和人
ファンタジー
平凡な高校生の新城直人はクラスメイトたちと異世界へ召喚されてしまう。 異世界より召喚された者は神からスキルを授かるが、直人のスキルは『物を開け閉めする』だけのゴミスキルだと判明し、ダンジョンに廃棄されることになった。 途方にくれる直人は偶然、このゴミスキルの真の力に気づく。それは自分や他者のステータスを数値化して表示できるというものだった。 しかもそれだけでなくステータスを再分配することで無限に強くなることが可能で、更にはスキルまで再分配できる能力だと判明する。 その力を使い、ダンジョンから脱出した直人は、自分をバカにした連中を徹底的に蹂躙していくのであった。

魔力ゼロの出来損ない貴族、四大精霊王に溺愛される

日之影ソラ
ファンタジー
魔法使いの名門マスタローグ家の次男として生をうけたアスク。兄のように優れた才能を期待されたアスクには何もなかった。魔法使いとしての才能はおろか、誰もが持って生まれる魔力すらない。加えて感情も欠落していた彼は、両親から拒絶され別宅で一人暮らす。 そんなある日、アスクは一冊の不思議な本を見つけた。本に誘われた世界で四大精霊王と邂逅し、自らの才能と可能性を知る。そして精霊王の契約者となったアスクは感情も取り戻し、これまで自分を馬鹿にしてきた周囲を見返していく。 HOTランキング&ファンタジーランキング1位達成!!

異世界TS転生で新たな人生「俺が聖女になるなんて聞いてないよ!」

マロエ
ファンタジー
普通のサラリーマンだった三十歳の男性が、いつも通り残業をこなし帰宅途中に、異世界に転生してしまう。 目を覚ますと、何故か森の中に立っていて、身体も何か違うことに気づく。 近くの水面で姿を確認すると、男性の姿が20代前半~10代後半の美しい女性へと変わっていた。 さらに、異世界の住人たちから「聖女」と呼ばれる存在になってしまい、大混乱。 新たな人生に期待と不安が入り混じりながら、男性は女性として、しかも聖女として異世界を歩み始める。 ※表紙、挿絵はAIで作成したイラストを使用しています。 ※R15の章には☆マークを入れてます。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

処理中です...