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第8回 電撃小説大賞への道~その三~
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ところで『よさりの兎』の話である。
私は某拳法を学んでおり、一応は指導者の資格もあるので、町道場に加えて、とある高校の拳法部によく指導に行っていた。
その高校の拳法部はかなり特殊で、毎年女子ばかり入部してきており、男子は入ってきても一名か二名、といったような状況だった。
2011年に『よさりの兎』を書き始めた時は、拳法部には特にキャラ立ちした子達が集まっていた。その中でも、活発な主将、落ち着いたナンバー2、男勝りの子、人懐っこい子、ちょっと休みがちで物静かな子、の五人からインスピレーションを受けて、『よさりの兎』のメインキャラクターを作り上げた。
それが、『ファイティング☆ウィッチ』におけるメインキャラ達、深沙、巳菜、潤、鏡子、千夏、なのである。
『よさりの兎』では、この五人以外にもさらに多くの部員が登場するが、電撃小説大賞へ応募する『バニィ×ナックル!!』においては五人だけ残して、あとは全員カットした。
敵キャラクターは三人。主人公達が石川県の高校なので、相手は同じ北陸の富山県の高校生とした。その中でもメインとなって敵対するヴィランとして、元不良の少年を設定した。それが、『ファイティング☆ウィッチ』では中盤で主人公と対決する京介である。
主人公と、その父親(作中では既に故人)の設定は、『よさりの兎』からほぼそのまま踏襲した。
こうしてメインキャラクターが固まったところで、さて、「バニーガール」についてどうするか、だった。
五人のヒロイン達がバニーガールの格好をすることは決まっている。問題は、なぜ、その格好をしないといけないのか、だった。(ちなみに余談であるが、五人のヒロイン達は先述の通りモデルになった実在の子達はいるものの、ラノベ用に大幅にデフォルメしているのでもはや別人、ヒロイン達にセクシーなことをさせるのには特に問題はないと判断していた。ただ、このことが、プロデビュー後に2chで叩かれる要素となったのであるが、それはまた後の話で)
バニーガールの格好をする必然性のあるシチュエーション、を色々と考えてみたが、やはり「そういうクラブ」で働いている、という設定しかないと思われた。
バニーガールを題材にした作品(ほとんどが成人向けだったが)を片っ端から読んでみたり、ゲームならプレイしてみたりしたが、高校生くらいの女の子達がバニークラブに勤めているという設定はラノベ的には不自然ではないようだった。とりあえずそれなりの理由をつけて、出来る限り必然性を持たせるようにはした。
しかし、まだ一手足りなかった。
バニーガールを題材に書くのなら、本物のバニーガールについて詳しく知る必要があった。そして、本物のバニーガールとは、やはり元祖であるプレイボーイクラブで働いていたバニーのことだと考えていた。
そんな自分にとって、ちょうどよい本があった。グロリア・スタイネム著『プレイボーイ・クラブ潜入記』である。これは、ジャーナリストである著者が実際にプレイボーイ・クラブのバニーガールとなって体験したことを綴った名著であり、ありし日のプレイボーイ・クラブのことを知るにはまさにうってつけな内容だった。新品の本はもう出回っていないので、古本で購入し、一気に読了した。
こうしてバニーガールについての知識も得た自分は、いよいよ本腰を入れて執筆に取りかかっていった。
(続く)
私は某拳法を学んでおり、一応は指導者の資格もあるので、町道場に加えて、とある高校の拳法部によく指導に行っていた。
その高校の拳法部はかなり特殊で、毎年女子ばかり入部してきており、男子は入ってきても一名か二名、といったような状況だった。
2011年に『よさりの兎』を書き始めた時は、拳法部には特にキャラ立ちした子達が集まっていた。その中でも、活発な主将、落ち着いたナンバー2、男勝りの子、人懐っこい子、ちょっと休みがちで物静かな子、の五人からインスピレーションを受けて、『よさりの兎』のメインキャラクターを作り上げた。
それが、『ファイティング☆ウィッチ』におけるメインキャラ達、深沙、巳菜、潤、鏡子、千夏、なのである。
『よさりの兎』では、この五人以外にもさらに多くの部員が登場するが、電撃小説大賞へ応募する『バニィ×ナックル!!』においては五人だけ残して、あとは全員カットした。
敵キャラクターは三人。主人公達が石川県の高校なので、相手は同じ北陸の富山県の高校生とした。その中でもメインとなって敵対するヴィランとして、元不良の少年を設定した。それが、『ファイティング☆ウィッチ』では中盤で主人公と対決する京介である。
主人公と、その父親(作中では既に故人)の設定は、『よさりの兎』からほぼそのまま踏襲した。
こうしてメインキャラクターが固まったところで、さて、「バニーガール」についてどうするか、だった。
五人のヒロイン達がバニーガールの格好をすることは決まっている。問題は、なぜ、その格好をしないといけないのか、だった。(ちなみに余談であるが、五人のヒロイン達は先述の通りモデルになった実在の子達はいるものの、ラノベ用に大幅にデフォルメしているのでもはや別人、ヒロイン達にセクシーなことをさせるのには特に問題はないと判断していた。ただ、このことが、プロデビュー後に2chで叩かれる要素となったのであるが、それはまた後の話で)
バニーガールの格好をする必然性のあるシチュエーション、を色々と考えてみたが、やはり「そういうクラブ」で働いている、という設定しかないと思われた。
バニーガールを題材にした作品(ほとんどが成人向けだったが)を片っ端から読んでみたり、ゲームならプレイしてみたりしたが、高校生くらいの女の子達がバニークラブに勤めているという設定はラノベ的には不自然ではないようだった。とりあえずそれなりの理由をつけて、出来る限り必然性を持たせるようにはした。
しかし、まだ一手足りなかった。
バニーガールを題材に書くのなら、本物のバニーガールについて詳しく知る必要があった。そして、本物のバニーガールとは、やはり元祖であるプレイボーイクラブで働いていたバニーのことだと考えていた。
そんな自分にとって、ちょうどよい本があった。グロリア・スタイネム著『プレイボーイ・クラブ潜入記』である。これは、ジャーナリストである著者が実際にプレイボーイ・クラブのバニーガールとなって体験したことを綴った名著であり、ありし日のプレイボーイ・クラブのことを知るにはまさにうってつけな内容だった。新品の本はもう出回っていないので、古本で購入し、一気に読了した。
こうしてバニーガールについての知識も得た自分は、いよいよ本腰を入れて執筆に取りかかっていった。
(続く)
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