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本当に綺麗な人②*

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◆◆◆

 朝だ……朝? 朝だよね……あれ、もしかしてもしかすると、もうお昼かな……

 翌朝、私が目を覚ますと隣には麗しいお顔がある。ひっ、と息を呑み込むと同時にまじまじと見つめてしまう。

 本当に、綺麗な人……

 凛々しい眉に長いまつ毛が陰影をつくっている。すーっと通った鼻筋に高い鼻梁、きめの細やかな肌。すこしだけ髭が生えているところをみると、男らしさを感じてキュンとする。

 すーっと息を吸い込むと、ルドヴィーク様の何とも言えない匂いがした。汗とかいろいろなものが交じり合い、彼から漂う香りからは雄を感じて下腹部がキュンと疼いてしまう。

 要するに、私は彼のことが愛しくてたまらない。このまま腕の中にいたいけれど、窓から差し込む光は朝が通り過ぎていることを教えている。

「ルドヴィーク様?」
「ん……アリーチェか……おはよう」

 寝ぼけた顔も麗しい。少し掠れた声で名前を呼ばれると、腰にキテ厭らしい蜜が溢れてしまいそう。

「おはようございます」

 昨夜は後ろから抱かれて、あられもない声をあげてしまったから、私の声も掠れ気味だ。あんなにも気持ちいいとは、思ってもいなかった。アミフェ姉さまが夢中になるのも今なら頷ける。

 でも、やっぱり私はルドヴィーク様だけがいい。他の男の人と、あんなことをするなんて考えられない。

 恋しい気持ちが溢れ出て、私は彼の胸に手をあてながら頬にチュッとキスをする。次第に気持ちが高まってくると、頬だけでなく首筋にも唇を優しくあてた。

「どうした……アリーチェ」

 少し汗臭い肌にチュッ、チュッとキスをしながら、私は彼の胸にある突起を口に含んだ。確か姉さまは、ここは男性の感じるところだと言っていたから、私も彼の真似をしてみる。

「うっ」

 舌を使ってころころと遊びながら、反対の乳首を指でキュッと摘まむ。するとルドヴィーク様は身をよじって逃げようとした。

「あっ……これ、気持ち良くなかったですか?」
「いや、朝から一体何をしているんだ」
「え、ルドヴィーク様の真似です」

 上目遣いをしながら至近距離で見上げると、彼はまた「うっ」と言い目元を赤らめる。

「どうして、俺の真似なんか……」
「だって、いつもルドヴィーク様に触られると気持ちいいので、私もルドヴィーク様を気持ち良くさせたいなーって……ダメでしたか?」

 今度ははーっと長い息を吐くと、ルドヴィーク様は「朝から煽られるとは……」と呟いた。

「朝は君に触れてはいけないのだろう。その、閨の格言だったか?」
「あ! それはシェナに教えて貰いました。新婚夫婦は朝から同衾しても、誰も文句は言わないって」
「……君は納得したのか?」
「え? あ、はい。子づくりは大切なお役目ですから……って、きゃあっ」

 一瞬で目の色を変えたルドヴィーク様が、私の上にのしかかっていた。腰には立派にお育ちになった昂りがある。昨夜はあんなにたくさんしたのに、朝もすごく元気になっている。

「では、子づくりに励もうではないか」
「ぁあんっ」

 呆れる声をだしても、抵抗する間もなく彼の執拗な愛撫が始まった。こうなると、声を抑えることなどできない。

 すでに疼きで濡れそぼった泥濘を、かき混ぜるように熱杭が入り込む。浅いところをぐちぐちと捏ねられ、それだけで甘い声を上げてしまう。確実に私の感じるところを把握したルドヴィーク様は、的確に狙いを定めて腰を動かした。

 キスをしながら突かれるのに弱いことも、見抜かれている。彼は起きがけにも関わらず、私を貪り寝台をギシッギシッと軋ませた。

 ふーっ、ふーっと獣のような息をしながら、ありえない速さで腰を振りたくる。私の腰が逃げないように掴みながら、彼は最奥を目指して熱杭を押し込めた。

「アリーチェッ! 出るっ……っ、くっ、だすぞ!」
「あんっ、あっ、ああーーっ!」

 同時に果てるように二度、三度と腰を穿ち、彼はどくどくと白濁を注ぎ込む。朝から致してしまったけれど……私は愛される喜びに包まれていた。

 ——でも。

「あたた」

 腰が痛い。
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