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呪われた聖女は犯される
しおりを挟む「ホラっ、喚けよ、聖女様」
男はむき出しの欲望を、目の前の聖女と呼ばれる女に穿つ。薄暗い部屋の中で、まるで獣のような体制で、聖女を嬲る男は、言い放つ。
「へへっ、いいケツしてるな、後から、こっちの穴も可愛がってやるからな」
パンっ、パンっと肌が合わさる音が響く。ぐちゅ、ぐちゅと卑猥な音をさせる行為に、聖女サリーナの瞳は虚ろになっていく。
「ウっ、ううぅぅ」
涙交じりにうめき声がでる。こんな声さえ、この男には聞かせたくないのに。
「おぅ、やっぱり締め付けるな、ホラ」
パァァンと、白く丸い臀部を叩く。もう既に何度も叩かれた箇所は、赤く腫れている。
「へへっ、たまらねぇ…やっぱり国一番の聖女は、コッチも具合がいいな」
もう既に、何度も精を放たれた。身体の中に、もう既に男の精液の生臭い匂いがしみ込んでしまったようだ。
ガリっ、っと首筋を噛みつかれる。その瞬間に「ウっ」と声を発すれば、「いい締まりだ」と言って、男は腰の動きを早めた。
「おぉ、イクゼ、こぼすなよ、ホラっ」
そう言って大きく、深く自身の滾り切ったペニスをサリーナに挿入して、ダン、ダン、ダンっと深く穿つ。ビュー、っと精が放たれたことを感じ、サリーナは目をつむる。男はハァ、と息を吐いた。
「へっ、聖女様、いい姿だな」
彼女は今、手首を合わせて縛られ、白い肌に赤い鞭の痕が痛々しく残っていた。彼女を凌じゅくした男は、名をヘテロと言った。
光の聖女サリーナ、その名を知らぬものはこの国にいない。歴代の聖女の中で、彼女ほどの美貌を持つ者はいないからだ。サリーナの髪は、輝くような黄金であった。聖女はこの国の象徴だ。歴代の聖女は、占いの宣託で決まっていた。
彼女の呼び名は光の聖女、だけではなかった。彼女は―――呪いの聖女―――とも、呼ばれていた。彼女の美貌に嫉妬した前聖女が、死と引き換えに呪いをかけたのだ。前聖女、それは聴衆の目の前で、呪いの言葉を吐きながら死んだ。そして、その禍々しい呪いが、聖女サリーナに纏うことも、その場にいた者全てが目にしていた。
光と呪い、相反する名を持つ聖女。その呪いとは、彼女に精を放つ者を全て作り変える、というものだった。よって、聖女サリーナは齢18歳にして、生涯その純潔を守ることを余儀なくされた。
代々、聖女は婚姻という形で王族と結びついてきた。
サリーナも、次期王となる王太子と婚約して、結婚も目の前であった。王太子は彼女に愛を囁き、サリーナも愛を返していた。彼らが祝福のうちに結び付くその目前で、彼女は呪われた。
今となっては、前聖女がなぜ、そこまでサリーナを妬み、恨んでいたのかはわからない。呪いを解く方法も、残されていなかった。
ゆえに、聖女サリーナは純潔を保ち、これまで生きてきた。
王太子は婚約を破棄し、既に高位貴族の令嬢を娶り、3人もの子がいる。今は、何の関係もない。
サリーナは、もう自分はこのまま、枯れ果てるしかない、と覚悟していた。呪われていようが、聖女を引退することなど、できない。民衆も、聖女を待ち望んでいる。占いにより次代の聖女が現れるまで、その役目を果たせばいい―――そう、思っていた。
―――この、ヘテロに犯されるまでは。
ヘテロは、賭けをした。光と呪いの聖女を犯すことができれば、金貨10枚。殺しを生業とする男にしてみれば、犯すだけで殺してはいけない、ということの方が、難しいほどだ。ヘテロの性癖は、興が乗ると相手を殺すことだった。首を絞めながら致すのだ。
馬車に細工をし、聖女を攫うことなど簡単だった。そして暗い、人もいない朽ちた屋敷に押し込みヘテロは聖女を犯した。彼にしてみれば、優しく犯した。首も絞めず、鞭もほどほどにした。
聖女は、自身の膣に男のペニスから精を放たれた時、呪いが男に移るのを感じた。男は全て作り変えられる。それがいつ、どのように作り変えられるのかわからない。
が、近いうちに、彼は変わる。虫になればいい。そうすれば、踏みつけて殺すことも容易だ。聖女らしからぬ思いに囚われた彼女は。その思いをもったことに、打ちひしがれた。
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