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ゴブリン供が里を襲う理由

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リョウヤがリンクを眷属化した頃、ニーアとラッシは骸骨2体引き連れて村から5キロほど離れた所でゴブリンに囲まれていた。

「まずいなこの状況は
やっぱりコイツら、こんな近くにいるってことはお館様の里を攻めるつもりでいるみたいだな」

「何か作戦待ちとかそんな感じですかニャ
呼び出し笛をラッシ殿は持ち合わせておらんのですかな?」

ラッシは直ぐに気付いて笛を吹いた

ホブゴブリン3匹
ゴブリンメイジ2匹
ゴブリン6匹

明らかに不利な条件
今は距離を保っているが
一気に数で押されたら最後
まずい
援軍が来なければやがて数で押される

ゴブリンが2匹駆け寄って飛び込んで来た
ヨッシーが前に出て1匹を盾で防いでくれている

その横から低い姿勢でゴブリン1匹がダガーで
ラッシーを切りつけた

しかしそれは残像であった
ゴブリンがそれに気付いた時もう既にラッシの刀がゴブリン1匹真っ二つに切り裂いた

ラッシに向かって火の玉が飛んで来た。

「ウォーターシュート」

ニーヤは咄嗟にラッシを庇うようにして
水の玉を作り出し火の玉を相殺した。

「ウォータースプラッシュ」

ニーアの掌から水のしぶきが勢いよくゴブリンメイジめがけて飛んで行ったがもう1匹のゴブリンメイジが氷盾を作り出して防いだ。

「アイスシールドですかニャ」

ゴブリンメイジが今度は魔法を唱え、氷の槍が飛んで来た。

 風刃魔法 ウィンドカッター

スパッと氷の刃を真っ二つにした

魔法の攻防が続くなか突然、ジギーが転移魔法ゲートで現れた。


「おう、やってるねー?」

ラッシは不意を突いて対峙していたゴブリンの首をはね、直ぐにジギーの前で跪いた

「いいよそんなのは
それよりずいぶんと多勢に無勢な状況だなぁ
ホラっ隠れている奴ら出てこいよ」

広範囲電撃魔法 ライトニング-エリア-プラズマ

雷が周り一帯に落ちて来た

何処からか悲鳴が聞こえ
辺りからあちこちで煙が上がってきた

「ラッシ殿あれは広範囲魔法ですかニャ」

「そうお館様はああ見えて魔導師 キャスターなので雷の上級魔法が使えるのだがそれだけではなく武芸も我らを圧倒する」

「ニャんと」

「オイっ生き残ったゴブリンはあたしがやるよ
いいかい?」

「はっ」

ジギーが前に出る

「あっとその前にニーヤお前にプレゼントだ魔法使い用の装備品を受け取れ」
パチンと指を鳴らすと
ニーヤの装備が魔導師キャスター用の装備になった

ニーア・ゲシュタッド

装備

魔導師の杖
魔導師のローブ
魔導師の帽子
魔導師のリング

「こっこれはありがたきニャ」

ジギーはニーヤを見て軽く微笑んだ

「さて今からお前らはあたしの稽古相手な
1匹雷から生き延びた奴!出て来いよ」

奥から大きな筋肉ムキムキなゴブリンが出てきた
明らかに今までのゴブリンとは違う風格というか強さが滲み出ている歴戦の覇者といった感じだ

「ほう、ゴブリンジェネラルかい! しかも
戦士クラス持ちか面白い」

ジギーは手招きしてゴブリンジェネラルを見つめた

お互いが見つめ合いしばらくしてから
お互い構えて間合いを探り出した

「ラッシ殿まさかジギー殿は素手であの屈強なゴブリンジェネラルと闘うつもりか?」

ラッシは無言でうなずいた

「ウガッ!!」

ゴブリンジェネラルはハンマーを振り下ろしたがジギーはアッサリとかわして転身し、後ろ襟を掴み、そのまま投げ崩した。

ゴブリンジェネラルはすぐに立ち上がり、再びジギーに襲いかかるがその勢いでそのままアッサリと投げられてしまう
何度も投げ崩されてゴブリンジェネラルは大の字になっている。

「オラっどうしたっ!さっさと立てよ」

ゴブリンジェネラルはジギーを見あげて指差し

「オマエらワレラのコドモ・・カゼノコドモウバッタ・・ワレ・・トリモドス」

「風の子供奪った?ですと?お館様これはもしや」

「うむっ話を聞こうか」

ゴブリンジェネラルの話によると何日か前に風の精霊からの祝福を受けたゴブリンの子供が何者かに連れ去られたらしい。足跡を見ると人間の大きさだったので1番近くに住む我々がやったのだと思ったそうだ。

広範囲復活魔法 エリアリザレクション

ジギーは倒したゴブリン共を復活させ、とりあえずは転移魔法ゲートで里の入口に帰って来ると


「二人共ご苦労だった、ガイコツもな
まぁ無事でなによりだ」

ラッシは頭を下げ跪くとそれを見てニーヤも同じように跪いた

幼い子供達が駆け寄って来た。

「お館様っお帰り~」

「おーお前たち今晩の夕餉は何が良いんだ
何かリクエストはあるか?」

「ついさっきフログが野菜とか切ってなべの用意してたよ」

「悪いな2人ともあと子供達も手伝ってやってくれるかい
今晩は鍋だぞ」

「はーい」

子供達は元気いっぱいで厨房まで走っていった


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