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そして未来へ
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どこかに消え去った余裕と焼き切れた理性、朔也の獣っぷりが現れた瞬間だった。
ただし朔也は番を大切にする獣だ。決して傷付けるようなことはしない。
体勢を入れ替え陽を組み敷いて、漸くいつもの体勢だ。陽を下から見上げるのも悪くないが、やはり陽を覆うように抱き締める方がしっくり来る。
小さなストロークで奥の襞を擦ればうねるように朔也の剛直に絡み付く。ヒクヒクと朔也を締め付けながら更に奥へと誘い込む。
陽の全身が性感帯になっているのだろう。鎖骨に唇を這わせても、脇腹をゆるりと撫でても、鈴口にぷくりと透明の雫を作るのだ。
このままずっと陽の中で包まれていたい。ずっと繋がっていたい。離したくない。
本気でそんなことを考える己の独占欲と執着心には我ながら辟易とするが、今更変えることなどできないのだから仕方ない。
『朔也、もっと』
それにしても、そろそろ解放してやらねば陽の限界はとうに越えている。
『あぁ、もっとだな』
これで本当に今夜は最後。
スパートをかけるべく早く強い抽挿で後孔の少し奥の痼を擦りながら同時に茎の裏側と鈴口をくちくちと弄る。
薄く粘度の低い液体がトロンと茎を伝うが、生憎朔也の射精が追い付かない。
尚も、つるんとまろい亀頭を撫でながら痼を狙った抽挿で陽を更に高みへと引き上げる。
朔也も頂が見えたところで、残念だが剛直を引き抜いた。
陽の行動力の賜物でコンドームをつけていなかったのだ。
互いの裏筋を重ねるように2本まとめて擦れば陽の茎から透明でサラサラの液体が勢いよく吹き上がる。
シャーッと音を立てて腹を汚していくそれを見るのは、この上なく卑猥で、そして綺麗でもある。
そこに朔也の白濁が混ざるのだ。
普段であれば、既に意識を手放していてもおかしくはない陽が、その様子をじっと見ている。
簡単に後始末をして陽を抱き締めれば、今にも眠ってしまいそうな声色で陽が小さく呟いた。
『朔也、ずっと… ずっとこうしてね』
陽の言う「こうして」は何をどうするのか難しいところではある。あるが、ずっと愛して欲しい。陽が言いたいのは、それだろう。
そしてそれは朔也も同様だ。
ずっと愛して欲しい。ずっと愛させて欲しい。
明日も来年も10年後も、ずっと陽と共にありたい。陽が望まなくなったとしても、共にあり続けるだろう。
愛と言うには重すぎる感情を抱えたまま、朔也は陽の隣にあり続ける。
陽がパーティーを企画してくれたことで、その想いはより一層強いものになった。
『ああ。ずっとこうしていような』
額に1つ口づけを落とし、眠ってしまった陽を抱き上げ浴室へと向かう。
シャワーを浴び、陽をゆっくり休ませたら、また1日が始まる。
この先、2人で積み重ねる時間は、どこまで続くのだろう。
誰にもわからないが、2人の未来は一本道で同じ場所に向かっているのだと決めつけている、いや、信じている朔也だった。
ただし朔也は番を大切にする獣だ。決して傷付けるようなことはしない。
体勢を入れ替え陽を組み敷いて、漸くいつもの体勢だ。陽を下から見上げるのも悪くないが、やはり陽を覆うように抱き締める方がしっくり来る。
小さなストロークで奥の襞を擦ればうねるように朔也の剛直に絡み付く。ヒクヒクと朔也を締め付けながら更に奥へと誘い込む。
陽の全身が性感帯になっているのだろう。鎖骨に唇を這わせても、脇腹をゆるりと撫でても、鈴口にぷくりと透明の雫を作るのだ。
このままずっと陽の中で包まれていたい。ずっと繋がっていたい。離したくない。
本気でそんなことを考える己の独占欲と執着心には我ながら辟易とするが、今更変えることなどできないのだから仕方ない。
『朔也、もっと』
それにしても、そろそろ解放してやらねば陽の限界はとうに越えている。
『あぁ、もっとだな』
これで本当に今夜は最後。
スパートをかけるべく早く強い抽挿で後孔の少し奥の痼を擦りながら同時に茎の裏側と鈴口をくちくちと弄る。
薄く粘度の低い液体がトロンと茎を伝うが、生憎朔也の射精が追い付かない。
尚も、つるんとまろい亀頭を撫でながら痼を狙った抽挿で陽を更に高みへと引き上げる。
朔也も頂が見えたところで、残念だが剛直を引き抜いた。
陽の行動力の賜物でコンドームをつけていなかったのだ。
互いの裏筋を重ねるように2本まとめて擦れば陽の茎から透明でサラサラの液体が勢いよく吹き上がる。
シャーッと音を立てて腹を汚していくそれを見るのは、この上なく卑猥で、そして綺麗でもある。
そこに朔也の白濁が混ざるのだ。
普段であれば、既に意識を手放していてもおかしくはない陽が、その様子をじっと見ている。
簡単に後始末をして陽を抱き締めれば、今にも眠ってしまいそうな声色で陽が小さく呟いた。
『朔也、ずっと… ずっとこうしてね』
陽の言う「こうして」は何をどうするのか難しいところではある。あるが、ずっと愛して欲しい。陽が言いたいのは、それだろう。
そしてそれは朔也も同様だ。
ずっと愛して欲しい。ずっと愛させて欲しい。
明日も来年も10年後も、ずっと陽と共にありたい。陽が望まなくなったとしても、共にあり続けるだろう。
愛と言うには重すぎる感情を抱えたまま、朔也は陽の隣にあり続ける。
陽がパーティーを企画してくれたことで、その想いはより一層強いものになった。
『ああ。ずっとこうしていような』
額に1つ口づけを落とし、眠ってしまった陽を抱き上げ浴室へと向かう。
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この先、2人で積み重ねる時間は、どこまで続くのだろう。
誰にもわからないが、2人の未来は一本道で同じ場所に向かっているのだと決めつけている、いや、信じている朔也だった。
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