太陽と月

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皆既日食

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陽に朔也を受け入れてもらうための準備と朔也の一方的なセックスの真似事のせいで、ローションと白濁に塗れた薄い腹と華奢な太腿。
陽を汚してしまったような罪悪感と背徳感と

そして独占欲を満たす満足感。

それでも、このままと言うわけには行くまい。

『シャワー浴びような』

目を覚ましそうにないが一応声をかけて抱き上げる。

シャワーで陽と己の身体を綺麗に流しボディソープを泡立てる。

『んっ  ふぅ』

寝言と寝息のちょうど中間のような艶かしい声を漏らす陽に、またも煽られる朔也だが一応大人なのだ。
陽と生活を共にするようになる前は、殆ど発現の機会がなかった忍耐力とやらを総動員する。

気を失うように眠ってしまった陽の内腿を勝手に拝借してしまったのだ。

これ以上は何か許されるわけがない。

陽を丸洗いし柔らかなバスタオルで包む。
バスタオルに全ての水分を移動させたところでバスローブを着せ、改めて寝室へ運ぶ。

朔也が暴挙に及んでも、シャワーを浴びても目を覚まさなかった陽が、ベッドに下ろした瞬間、ゆっくりと目蓋を持ち上げた。

『さくや  おしっこ』

大きな大きな後ろめたさのせいで、陽を甘やかしたくなるのは許して欲しい。
再び陽を抱き上げ、トイレまでの移動手段を買って出る。

下衣を下ろし、腰を下ろすところまでを手伝えば、ショロショロと水音が聞こえる。

『さくや   …り  …ん』

眠気のせいだろう。あまり明瞭とは言えない陽の言葉を聞き返せば

『おしり、へん』

幾分明瞭になった言葉を聞き、朔也は肝を冷やす。

『陽、お尻、痛いか?』

しばらく考えた陽は首を横に振る。

『いたくない。へん。』

確かに、日常生活の中で、何かを挿入することなどない場所だ。
男としては細いとは言え朔也の指を、しかも2本も入れたのだ。
違和感があって当然だろう。始めから予想できたはずなのに、陽に無理をさせている。
それでも痛みはないと言ってくれたことに安堵しつつ、やはり、こんなことはするべきではなかったのだと、後悔に飲み込まれそうになる。

それなのに。

下衣を直しベッドに戻るため陽を再び抱き上げれば、

『おしり  あしたも  やって』

強請る陽の後ろには、今も悪魔の翼と尻尾が見える。

しかし、そこはご都合主義の朔也だ。飲み込まれそうになった後悔をグッと飲み込み、反省する。正しく反省して、次に繋げようと思う。

だからこそ。

『明日はダメ』

秘蕾の拡張と言うことだけで考えれば毎日の方がいいのかもしれない。

しかし、それと同時に快感を覚えさせようとするのだから、陽の体力との相談になる。

世間では、やりたい盛りの年齢ではあるが、陽にそこまでの体力は備わっていない。

そうなると今まで同様のペース、週に2度ほどとなるのだろうが、秘蕾の拡張となれば、1度だけの吐精で済ませるのは難しいだろう。

『お尻は土曜の夜だけだ』

随分と豊かになった表情が、朔也に不満を伝えているが、己の欲望と陽の望み、そして陽の体力で折り合いをつけるのなら、それ以外は選択不可能だ。

『白いのは、いつでも出すの手伝うから』

そして、その時はまた己のモノも一緒に擦ってしまうだろう。

『一緒に気持ちよくなろう』

それがセックスだから。

文字通り、ご都合主義は都合がいいと変に納得した朔也だった。
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