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贖罪
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吾妻と工藤を送り出し、朔也も自宅マンションへと向かう。
半日留守にしてしまったことで、陽の事が心配になったからなのだが、楠瀬からの報告では、特に変わった様子もなく落ち着いて過ごしているようだ。
楠瀬からの報告を読み終えるか終えないかのうちに、スマートフォンにポップアップ通知でニュース速報が入った。
不知火議員辞職。
健康問題を理由にしての離職だが、党幹部から肩叩きがあったらしい。離党では許されないのだと。
創世会からも、所属政党からも三行半を突き付けられた不知火だが、それなりの資産があるはずだ。
一族が路頭に迷うようなことはないだろうが、これまでのような華やかな生活は不可能だろう。
不知火から甘い汁が吸えないと思えば取り巻きもいなくなる。
それを寂しいと感じるのか、静かだと感じるのか全く興味はないが、孫娘を甘やかし陽の心にダメージを負わせた対価としては大きくない。
亜美とて重度の薬物依存であっても、初犯であることは変えられない。執行猶予が付き収監されるようなことはない。祖父と両親により、更生施設へと入所させられることが決まっているようだが、非常に再犯率の高い犯罪であることは誰もが知っている。
薬物への依存を繰り返そうと構わない。無関係の人間なのだから。万が一、再び陽の前に現れるようなことがあれば、その時は命はないだろう。
そして南野に関しては陽の前に現れる心配はなさそうだ。工藤が手配した風俗店で壊れた人形のように客を取らされているようだ。
薬物の影響もあるのだろうが、己の性嗜好と著しくかけ離れた行為が南野の人格を破壊したようだ。
短い食事の時間と睡眠時間以外は様々な客の様々なプレイで、その体を弄ばれていると言う。
南野が陽にしたこと、しようとしたことを考えれば当然の報いなのだ。
世間はそう考えなくとも朔也が思うのだから仕方ない。
今回は咲恵も危険な目に遭わせてしまった。咲恵本人は、環境が環境なのだから覚悟していたと言う上に、陽を守れなかったと恐縮し自身よりも陽の心配をしている。
そして、風間は引退をすると言い出した。以前、朔也が襲撃され、今回は陽を守れなかったのだ。このまま任を解かないことの方が風間にとっては辛いのかもしれない。
風間ほどの男の後継者を探すのは少々骨が折れるが、これが風間なりの贖罪であれば、本人が思うようにさせてやりたいとも思う。
一口に贖罪と言っても形も思いも様々だ。
そして、朔也の贖罪と言う名の修行は、もう暫く続く。既に我慢は限界を越えている。
玄関のドアを開ければ無自覚な陽が朔也に纏わりつくことだろう。
半日留守にしてしまったことで、陽の事が心配になったからなのだが、楠瀬からの報告では、特に変わった様子もなく落ち着いて過ごしているようだ。
楠瀬からの報告を読み終えるか終えないかのうちに、スマートフォンにポップアップ通知でニュース速報が入った。
不知火議員辞職。
健康問題を理由にしての離職だが、党幹部から肩叩きがあったらしい。離党では許されないのだと。
創世会からも、所属政党からも三行半を突き付けられた不知火だが、それなりの資産があるはずだ。
一族が路頭に迷うようなことはないだろうが、これまでのような華やかな生活は不可能だろう。
不知火から甘い汁が吸えないと思えば取り巻きもいなくなる。
それを寂しいと感じるのか、静かだと感じるのか全く興味はないが、孫娘を甘やかし陽の心にダメージを負わせた対価としては大きくない。
亜美とて重度の薬物依存であっても、初犯であることは変えられない。執行猶予が付き収監されるようなことはない。祖父と両親により、更生施設へと入所させられることが決まっているようだが、非常に再犯率の高い犯罪であることは誰もが知っている。
薬物への依存を繰り返そうと構わない。無関係の人間なのだから。万が一、再び陽の前に現れるようなことがあれば、その時は命はないだろう。
そして南野に関しては陽の前に現れる心配はなさそうだ。工藤が手配した風俗店で壊れた人形のように客を取らされているようだ。
薬物の影響もあるのだろうが、己の性嗜好と著しくかけ離れた行為が南野の人格を破壊したようだ。
短い食事の時間と睡眠時間以外は様々な客の様々なプレイで、その体を弄ばれていると言う。
南野が陽にしたこと、しようとしたことを考えれば当然の報いなのだ。
世間はそう考えなくとも朔也が思うのだから仕方ない。
今回は咲恵も危険な目に遭わせてしまった。咲恵本人は、環境が環境なのだから覚悟していたと言う上に、陽を守れなかったと恐縮し自身よりも陽の心配をしている。
そして、風間は引退をすると言い出した。以前、朔也が襲撃され、今回は陽を守れなかったのだ。このまま任を解かないことの方が風間にとっては辛いのかもしれない。
風間ほどの男の後継者を探すのは少々骨が折れるが、これが風間なりの贖罪であれば、本人が思うようにさせてやりたいとも思う。
一口に贖罪と言っても形も思いも様々だ。
そして、朔也の贖罪と言う名の修行は、もう暫く続く。既に我慢は限界を越えている。
玄関のドアを開ければ無自覚な陽が朔也に纏わりつくことだろう。
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