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第三章 真の勇者、ここにあり!
バルードの真の姿
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バルードとの戦いは第2ラウンドに突入し、激しい展開が予測されようとしていた。
その為、ファンク達は真剣な表情で身構えていて、ふざけ過ぎると負けてしまうのは当然の事だと感じているのだ。
「何れにしても油断禁物。必ず勝たないとね!」
「これ以上奴等の好き勝手はごめんだから!」
アミとフローラも真剣な表情をしながら戦う決意を固め、そのままバルードに駆け出しながら立ち向かう。
するとバルードは床に手を置いた途端、ゴースト達を次々と召喚してしまう。中には骸骨の奴もいたり、怖い顔の奴もいた。
「幽霊召喚……分断作戦か!」
「そうだ。君達はここで分断させてもらう。そうしないと困るのでね」
「そう言う事か!なら、それには応えないとな」
ファンクは冷静な判断で対処し、アミ達の方に視線を移して指示を飛ばし始める。
「幽霊についてはアミ、アリア、エリン、椿で対処してくれ!シェリア、フローラ、瞳は俺と共に行動するぞ!」
「「「了解!」」」
ファンクからの冷静な判断にアミ達は真剣な表情で応え、彼等はすぐにそれぞれの敵に立ち向かう。
「なるほど。分断する作戦をこう考えたな」
「俺達だってむやみに突っ込む事は無いからな」
「そうか……私としてはお前みたいなパンダには負けたくない……あの様な屈辱を忘れないからな……」
バルードはファンクを真剣な表情で睨みつけ、彼の発言にファンクはすぐに察する。
壁画にも描いてあった通り、魔王が勇者パンダによって倒されたという伝説が残されていて、その魔王がバルードではないかと推測したのだ。
「もしかすると……俺が前見た壁画……魔王なのはお前なのか?」
ファンクは気になる事をバルードに質問するが、彼は首を横に振って否定していた。
「違う。私の父だ」
「「「父!?」」」
バルードからの真剣な表情での解答にファンク達は驚きを隠せずにいた。この出来事は百年前ぐらいの出来事なので、魔族である彼は子供ぐらいの年齢かも知れないだろう。
「この時の私は幼かったのも無理ない。だが……父の死は今でも鮮明に覚えている……」
バルードは真剣な表情をしながら、当時の事をファンク達に語り始めた。
※
私は当時、初等部くらいの年齢ぐらいだった。この時は不自由なく過ごしていて、様々な英才教育を受けていた。その頃は武術を皆伝する頃だったが、その修行はとても厳しかった。
「くっ……ようやく終わりました……」
私はようやく皆伝して師範に報告しようとしていたが……何故か師範は上半身が地面に埋まっていたのだ。
「何やっているのですか!?」
「助けてくれ~!」
「仕方が無いですね……」
私はため息をつきながらも師範をようやく地面から引っこ抜いた。普段は真面目だが、ドジなところが問題だったな……
その時だった。師範の門下生が慌てながら駆け付けてきたのだ。
「大変です!パンダの勇者によって、国王陛下がやられました!」
「なんだと!?陛下が!?」
門下生からの報告に私は驚きを隠せずにいた。魔界最強の父が負ける筈はない。私はそう信じていたが、まさかパンダの勇者に負けるのは想定外だった。
私は慌てながらも父が心配で門下生の元に駆け寄った。
「父上はどうされましたか!?」
「残念ながら陛下は消滅してしまいました。部下達もそれに乗じて自殺したと……」
「そんな馬鹿な……」
私はショックで膝から崩れ落ちてしまい、そのまま涙を流してしまった。この様子に師範や門下生達も項垂れるしかなかった……
※
「それから私は父上の無念を晴らす為に強くなり、成し遂げられなかった野望を果たす為に今がある!私はこの世界を支配する為にも、ここで負けるわけにはいかないのだ!」
バルードは自身の過去を話した直後、ファンクに向かって強烈な拳を振るいながら襲い掛かる。
「そう言う事か!お前も先代魔王と同じく救われないな!」
「何!?」
ファンクは冷静に対処しつつ、バルードの手首を掴んで攻撃を止めてしまう。すかさず強烈な拳をバルードの顔面に当てて殴り飛ばした。
「まだまだ!」
更に追い討ちの連続打撃も炸裂し、バルードは背中を打ち付けて倒れてしまう。
「また……貴様等が……私の野望を……止めるのか……?」
バルードはボロボロになりながらも立ち上がろうとしていて、ファンク達は冷静に彼を見る。
更にゴースト達との戦いも終盤に入り、エリンが魔術を唱える。
「ミラクルパトローナム!」
エリンが放つ光の魔術が炸裂し、ゴースト達は次々と消滅していく。あまりの光の強さに耐えきれなかったみたいだ。
「ゴースト達まで……こうなったら最後の手段だ!」
バルードは覚悟を決めたと同時に自身の周りに闇のオーラを発動させる。
すると、彼の身体が光に包まれて変化し始め、新たなる姿に変わろうとしていた。
「どんな姿に変わるのでしょうか……」
「手強くなるのも無理はない。気を引き締めていくぞ!」
ファンクの合図に全員が頷いた直後、光が収まってバルードの真の姿が明らかになった。
それは背中に羽が生えていて、身体は頑丈、頭は完全に悪魔となっていた。これこそバルードの真の姿だ。
「これがバルードの真の姿……何れにしても戦うしかないわね」
「ああ!これこそ真の最終決戦だ!気合い入れて立ち向かうぞ!」
「「「おう!」」」
ファンクの真剣な合図と同時にアミ達も一斉に頷き、彼等とバルードの戦いも最終決戦に入ったのだった。
その為、ファンク達は真剣な表情で身構えていて、ふざけ過ぎると負けてしまうのは当然の事だと感じているのだ。
「何れにしても油断禁物。必ず勝たないとね!」
「これ以上奴等の好き勝手はごめんだから!」
アミとフローラも真剣な表情をしながら戦う決意を固め、そのままバルードに駆け出しながら立ち向かう。
するとバルードは床に手を置いた途端、ゴースト達を次々と召喚してしまう。中には骸骨の奴もいたり、怖い顔の奴もいた。
「幽霊召喚……分断作戦か!」
「そうだ。君達はここで分断させてもらう。そうしないと困るのでね」
「そう言う事か!なら、それには応えないとな」
ファンクは冷静な判断で対処し、アミ達の方に視線を移して指示を飛ばし始める。
「幽霊についてはアミ、アリア、エリン、椿で対処してくれ!シェリア、フローラ、瞳は俺と共に行動するぞ!」
「「「了解!」」」
ファンクからの冷静な判断にアミ達は真剣な表情で応え、彼等はすぐにそれぞれの敵に立ち向かう。
「なるほど。分断する作戦をこう考えたな」
「俺達だってむやみに突っ込む事は無いからな」
「そうか……私としてはお前みたいなパンダには負けたくない……あの様な屈辱を忘れないからな……」
バルードはファンクを真剣な表情で睨みつけ、彼の発言にファンクはすぐに察する。
壁画にも描いてあった通り、魔王が勇者パンダによって倒されたという伝説が残されていて、その魔王がバルードではないかと推測したのだ。
「もしかすると……俺が前見た壁画……魔王なのはお前なのか?」
ファンクは気になる事をバルードに質問するが、彼は首を横に振って否定していた。
「違う。私の父だ」
「「「父!?」」」
バルードからの真剣な表情での解答にファンク達は驚きを隠せずにいた。この出来事は百年前ぐらいの出来事なので、魔族である彼は子供ぐらいの年齢かも知れないだろう。
「この時の私は幼かったのも無理ない。だが……父の死は今でも鮮明に覚えている……」
バルードは真剣な表情をしながら、当時の事をファンク達に語り始めた。
※
私は当時、初等部くらいの年齢ぐらいだった。この時は不自由なく過ごしていて、様々な英才教育を受けていた。その頃は武術を皆伝する頃だったが、その修行はとても厳しかった。
「くっ……ようやく終わりました……」
私はようやく皆伝して師範に報告しようとしていたが……何故か師範は上半身が地面に埋まっていたのだ。
「何やっているのですか!?」
「助けてくれ~!」
「仕方が無いですね……」
私はため息をつきながらも師範をようやく地面から引っこ抜いた。普段は真面目だが、ドジなところが問題だったな……
その時だった。師範の門下生が慌てながら駆け付けてきたのだ。
「大変です!パンダの勇者によって、国王陛下がやられました!」
「なんだと!?陛下が!?」
門下生からの報告に私は驚きを隠せずにいた。魔界最強の父が負ける筈はない。私はそう信じていたが、まさかパンダの勇者に負けるのは想定外だった。
私は慌てながらも父が心配で門下生の元に駆け寄った。
「父上はどうされましたか!?」
「残念ながら陛下は消滅してしまいました。部下達もそれに乗じて自殺したと……」
「そんな馬鹿な……」
私はショックで膝から崩れ落ちてしまい、そのまま涙を流してしまった。この様子に師範や門下生達も項垂れるしかなかった……
※
「それから私は父上の無念を晴らす為に強くなり、成し遂げられなかった野望を果たす為に今がある!私はこの世界を支配する為にも、ここで負けるわけにはいかないのだ!」
バルードは自身の過去を話した直後、ファンクに向かって強烈な拳を振るいながら襲い掛かる。
「そう言う事か!お前も先代魔王と同じく救われないな!」
「何!?」
ファンクは冷静に対処しつつ、バルードの手首を掴んで攻撃を止めてしまう。すかさず強烈な拳をバルードの顔面に当てて殴り飛ばした。
「まだまだ!」
更に追い討ちの連続打撃も炸裂し、バルードは背中を打ち付けて倒れてしまう。
「また……貴様等が……私の野望を……止めるのか……?」
バルードはボロボロになりながらも立ち上がろうとしていて、ファンク達は冷静に彼を見る。
更にゴースト達との戦いも終盤に入り、エリンが魔術を唱える。
「ミラクルパトローナム!」
エリンが放つ光の魔術が炸裂し、ゴースト達は次々と消滅していく。あまりの光の強さに耐えきれなかったみたいだ。
「ゴースト達まで……こうなったら最後の手段だ!」
バルードは覚悟を決めたと同時に自身の周りに闇のオーラを発動させる。
すると、彼の身体が光に包まれて変化し始め、新たなる姿に変わろうとしていた。
「どんな姿に変わるのでしょうか……」
「手強くなるのも無理はない。気を引き締めていくぞ!」
ファンクの合図に全員が頷いた直後、光が収まってバルードの真の姿が明らかになった。
それは背中に羽が生えていて、身体は頑丈、頭は完全に悪魔となっていた。これこそバルードの真の姿だ。
「これがバルードの真の姿……何れにしても戦うしかないわね」
「ああ!これこそ真の最終決戦だ!気合い入れて立ち向かうぞ!」
「「「おう!」」」
ファンクの真剣な合図と同時にアミ達も一斉に頷き、彼等とバルードの戦いも最終決戦に入ったのだった。
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