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第二章 グランからの修行

ボルタード火山の秘密

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 椿は指定された火山であるボルタード火山へと向かっている中、試練の内容を確認する。
「確か試練の内容はマグマに向けて刀を振り、新たな力を得る事か……でも、マグマにあまり近過ぎると痛い目に遭うのは確かなのよね……ドラゴン族の私でも上手くやれるのか心配だけど……」
 椿がため息をつく中、何処からか硫黄の匂いがしてくる。
「この匂い……向こうからだわ!」
 椿は急いで駆け出すと、近くに目的であるボルタード火山が見えた。
「あれが……目的地であるボルタード火山か……すぐに急がないと!」
 椿が急いで駆け出そうとしたその時だった。

「おっと!無理は禁物だよ!」
「!?」

 突如何処からか声が聞こえ、椿はキョロキョロと辺りを見回す。
「今の声は一体……」
 椿がキョロキョロと辺りを見回した途端、一匹の赤いリトルドラゴンが姿を現す。
「あなたは?」
「僕はレッド。グランじいちゃんの頼みを受けて君の手助けに来たんだ」
「レッドね。私は椿と言うの」
 椿は自己紹介した後、気になる事を質問する。
「でも、どうして無理は禁物なの?」
「ボルタード火山はとても危険な場所と言われているんだ。熱気がとても熱いだけでなく、崖下も険しいところ。おまけに柵まで設置してないから一瞬の油断で死んでしまう事もあるんだ」
「そ、そうなんだ……柵は設置しないの?」
「設置したら試練にならないからだよ」
 レッドの説明に椿は唖然とするしかなく、納得せざるを得なかった。
「まあ、あの火山が危険だという事は分かったけど、敵とかもいるの?」
「敵はいないけど、落石も時々出るからね。気をつけておいた方が良いよ。案内は僕がするから」
「分かったわ。十分気を付けないとね」
 椿はレッドの案内と共に、そのままボルタード火山へと再び進みだした。

     ※

 ボルタード火山に辿り着いた椿とレッドは山の高さを確認し、すぐに順路に沿って登り始める。
「今のところは普通だけど……火山が噴火すると溶岩が流れてくるのかしら?」
「ううん。溶岩が出た途端、何故かカボチャになって飛んでしまい、次々と降ってくるんだ」
「何故カボチャ!?おかしいでしょ!」
 レッドの説明に椿がツッコミを入れる中、いきなり火山が噴火した。
「まずい!溶岩がカボチャになるぞ!」
 レッドが叫んだ直後、火山から溶岩が飛び出したと同時に、次々とカボチャとなってゴロゴロと転がってきた。
「こ、こんなにも……こうなったら空を飛ばないと!」
 椿は背中の翼を広げて空を飛んで回避した直後、何処からかモンスター達がやってきて次々とカボチャを回収しまくった。
「彼等は一体……」
「カボチャ回収係。彼等はカボチャを回収して次々と商売しているのさ」
「なんなの、この火山は……」
 レッドの説明に椿は唖然とするしかなく、頭を押さえてしまうのも無理なかった。
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