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第二章 グランからの修行

ゾンビ騒動の終焉

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 ファンク達が進んでいくと、森の奥にひっそりとした小屋が見えてきた。小屋の周りにはゾンビがうろついている様子が見受けられている。
「あれがゾンビを操る者のアジトだな」
 キッカの囁きにその場にいる全員が頷く。
「では、私が先に進んで調査をしてみましょう」
 エリンは魔術を使って小屋の中へと忍び込み、ようすを見始める中、ファンク達は見つからないように隠れていた。
「大丈夫かしら?」
「心配になってきた……」
 皆が不安になる中、エリンがすぐに戻ってきた。
「やっぱり、ゾンビを操る者はいるようです。彼は小屋の奥にいるようですが、どうやら強力な魔術を使っているようです」
 エリンからの報告に全員が驚きを隠せず、真剣な表情をする。
「やはりそうなりますね……」
「妾としても怪しいと思ったからな」
「それならば、私が先に行って倒してくる」
 シェリアが意気込んで先に進むが、アミが彼女の手を握る。
「待って。それなら皆で進みましょう。力を合わせれば怖くないから」
「アミ……そうね。じゃあ、皆で立ち向かいましょう!」
「「「了解!」」」
 アミ達が先に進む中、シェリアはファンク達の方を向く。
「ファンクとマリス、瞳は兵士達を呼んできて」
「分かった!あまり無理はするなよ!」
「大丈夫!」
 ファンク達は兵士達を呼びに向かい、アミ達は小屋の中に入り始める。
 中に入ると、そこにはゾンビを操る者であるゴブリンが待ち構えていた。
「貴様等、ここに居るという事をよく見抜いたな」
「私たちを甘く見ないでよね。あなたの悪事は終わらせるから!」
「終わるのはお前等の方だ!」
 ゴブリンは魔術を使ってゾンビを操り、アミ達に襲い掛かってきた。
「一気に攻めて戦うわよ!」
 アミの合図と同時に戦いが始まりを告げられ、彼女達の猛攻が始まる。
「バレットショット!」
「ブレイクソード!」
「紅斬撃!」
「アローショット!」
「フレイムキャノン!」
「シャインマジック!」
「九尾紅蓮拳!」
 アミの弾丸、フローラと椿の剣技、アリアの弓矢、シェリアとエリンの魔術、キッカの拳が次々とゴブリンに炸裂する。
 しかし、ゴブリンは強力な魔術を使いこなしており、なかなか倒すことができない。
「どうだ!いくらお前達が力を合わせても、この俺には敵うまい!」
「くっ!このままだとまずいわね……どうすれば……」
 アミが冷や汗を流したその時、瞳が小屋に入ってきて如意棒を構えていた。
「瞳!あなた、ファンク達と共に兵士達を呼びに向かったんじゃ……」
「私も戦う覚悟はできているからね。それにこのゴブリンならこれで十分!伸びろ!」
 すると如意棒が伸びたと同時に、ゴブリンに激突した。しかもその場所は……彼の急所だった。
「ごほ……お前な……男の勲章を傷つくなんて……何を考えているんだ……」
 ゴブリンが倒れたと同時に音楽が鳴り響き、彼はそのまま歌ってしまう。それはブルースの曲だが、男の大事なところをやられた悲しみの歌が込められていた。
 しかも、ゴブリンの後ろには何処からか現れたコーラス隊の姿までも……
「何これ?」
「さあ……私に言われても……」
「ミュージカルじゃないんだから……」
 アミ達が唖然とする中、瞳がすまなさそうな表情をしていた。どうやらこの事態になったのは自分のせいだと痛感していたのだろう。
 因みにゾンビにされた人々は元に戻っている。
「くそ……俺はここまでだ……」
 歌い終わったゴブリンは悔しそうな表情をしながらアミ達を睨みつけ、コーラス隊も帰っていた。
「だが、俺は役目を終えただけだ。足止めにしか過ぎない……」
「足止め?どういう事!?」
 瞳はゴブリンの説明に疑問に感じ、彼の胸ぐらを掴んで質問する。
「お前等なんかに教えてやるかよ。ただ……お前等が村に着くまで……村が無事でいればの話だがな!」
 ゴブリンは塵となって消滅し、その直後にファンク達が駆け付ける。
「皆、無事か!?」
「ファンク、マリス!こっちは大丈夫!」
 アミが手を振りながら笑顔で応える中、ファンクは瞳が不安な表情をしていた。
「どうした?」
「うん……不安な事があるの……」
「何かあったのか?」
「ゴブレット村……私達が着く頃に……滅んでいるかも知れない……」
「「「ええっ!?」」」
 瞳の不安な推測にファンク達は驚きを隠せなかった。
「じゃあ、このゴブリンは私達を足止めする為に仕掛けられたという事なの!?」
「そう言う事になるわね」
「完全にやられてしまったか……」
 ファンク達は悔しそうな表情をする中、瞳はすぐに前を向く。
「ともかく急がないと!皆に危害が及ぶ前に駆け出しましょう!」
「そうだな。すぐに急ぐぞ!」
 ファンク達は急いで小屋から飛び出し、そのままゴブレット村へと駆け出す。
(お願い……皆、無事でいて……)
 瞳は自分を待ってくれている村の人達を心から心配しながら、すぐにスピードを上げ始めた。

     ※

 その頃、ゴブレット村では園児達が瞳の帰りを待っていて心配の表情をしていた。
「先生、大丈夫かな……」
「うまく連れてきてくれると良いけど……」
 園児達が心配する中、一人のピエロが姿を現す。
「君達は瞳先生を待っているのかな?」
「そうだけど……」
「そうかそうか。だったら……君達にはこれをプレゼントだ!」
 ピエロが宣言したその瞬間……銃声が村中に響き渡り始めた……
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