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第七章 おとぎの世界の大冒険

第二百四十九話 ゴーストパンプキンとの戦い

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 カボチャ男爵はゴーストパンプキンに姿を変え、ギロリとした三つ目で敵を睨みつける。彼が真の姿となっても戦うしかないが、ゴーストパンプキンの弱点を探す事が先決となる。

「カボチャ男爵が真の姿となるとは思いませんでしたが、誰が相手でも戦う覚悟は出来ています!」
「私も同じよ。これ以上奴の好き勝手にはさせないから!」

 ジャンヌとマリーはそれぞれの武器を構えながら戦闘態勢に入り、桃太郎達も後に続いて戦闘態勢に入る。奴を野放しにすれば被害は益々大きくなり、この世界が滅亡するのも時間の問題であるのだ。

「虫けら共が!こいつを喰らえ!」

 ゴーストパンプキンは植物のムチを振り回しながら、次々と兵士達に当てて弾き飛ばしていく。兵士達は次々とやられてしまい、地面に墜落。死にはしなかったが、ひくひく痙攣して戦闘不能になってしまった。

「ここは僕が行きます!これ以上仲間を死なせはせず……元の平穏な世界を取り戻す為にも!」

 一休さんは跳躍したと同時に集中し始め、強大な雷の弾を次々と生成しまくる。しかもバチバチと電流が流れているので、触ってしまえば感電確定だ。

「雷球弾!」

 雷の弾は次々とゴーストパンプキンに襲い掛かり、見事数発直撃して爆発を起こす。しかし、ゴーストパンプキンは平然としていて、大したダメージは受けてないのだ。

「そんな!僕の攻撃が全然効かない!?」
「そんなチンケな攻撃、効くかー!!」
「ぐへら!」

 哀れ一休さんはゴーストパンプキンの鞭によって殴り飛ばされ、そのまま背中を地面に激突してしまう。彼は目を回しながら気絶してしまい、戦闘不能に。

「畜生!一休さんの敵討ちだ!ウインドタックル!」

 ピーター・パンはスピードを上げたと同時に、風を身体に纏いながらゴーストパンプキンに向かい出す。素早いスピードによって威力も増していき、そのまま体当たりを炸裂させたのだ。

「これでゴーストパンプキンも倒れた筈……」
「効くか!」
「そんな!ぐはっ!」

 ピーター・パンの攻撃も効かず、彼も鞭によって殴り飛ばされてしまう。そのまま彼も地面に不時着してしまい、失神しながら戦闘不能になってしまった。

「バカな!一休さんとピーター・パンがやられるなんて!」
「今までとのカボチャ男爵とは大違いと言えるな……だが、僕の炎なら奴を倒せるかも!」

 たぬきは自ら背負っている薪から火を発火させ、スピードを上げながらゴーストパンプキンに立ち向かう。その姿はまさに火の球その物であり、当たってしまえば大火傷は確定だ。

「植物は炎に弱い!フレイムタックル!」
「ぐおっ!」

 強烈な炎のタックルが炸裂し、炎はゴーストパンプキンに燃え移る。植物のムチは炎によって燃やされてしまい、真っ黒焦げになってしまった。

「でかしたぞ、たぬき!植物のムチを燃やすとは考えたな!」
「ああ、草は炎に弱いからね。後は頼んだよ!」
「よし!俺達の世界を取り戻す為にも、全力で立ち向かうぞ!」
「「「おう!!」」」

 たぬきの合図と同時に桃太郎達は駆け出し、ゴーストパンプキンに攻撃を仕掛ける。植物の鞭が使い物にならない以上、攻めるチャンスは今しかないのだ。

「桃絆からの……冥王斬めいおうざん!」
「アックスブレイカー!」
「豪腕ナックル!」
「魔人よ、やれ!」
「サンドストーム!」

 桃太郎達の必殺技が次々とゴーストパンプキンに炸裂し、連続のダメージを与える。体力も減らす事に成功し、後はトドメを刺すだけだ。

「よし!奴の体力は限界となっている!ラストは俺が行くぞ!」

 浦島太郎がトドメを刺そうと動き出したその時、ゴーストパンプキンは三つ目を鋭く光らせた。すると彼の目から光線が放たれようとしていて、ジャンヌは危機感を感じながら浦島太郎に声を掛ける。

「まだ勝負は終わっていません!次の手が来ます!」
「何!?」

 ジャンヌの掛け声に浦島太郎が驚いたその時、ゴーストパンプキンの上の目から光線が放たれた。浦島太郎は気付くが既に遅し。光線をまともに喰らってしまったのだ。

「ぐわあああああ!!」
「浦島太郎!」

 光線を喰らった浦島太郎は、地面の上に仰向けに倒れてしまう。しかも彼は真っ黒焦げで、失神しながら目を回しているのだ。

「俺の三つ目は魔眼なのでね。光線も放てるだけでなく、相手の弱点も見つける事が可能だ。ここでやられると思ったら、大間違いなんだよ!」

 ゴーストパンプキンは台車のスピードを上げ、王様達に突撃してくる。更に光線も次々と放ってきて、兵士達は次々とやられて戦闘不能になってしまう。

「まさかゴーストパンプキンに奥の手があるとは……」
「まずい事になりましたが、ここで諦めずに立ち向かうのみです!」

 ジャンヌは冷や汗を流しながらも、槍を新たな姿に変えて戦闘態勢に入る。その槍の姿は先が二つに分かれていて、光のオーラを纏う赤い槍だ。

「ジャンヌ、その槍は?」
「これこそロンギヌスの槍!あなたの魔眼を破壊します!」

 ジャンヌは真剣な表情をしながらロンギヌスの槍を強く構え、跳躍したと同時に魔眼を突き刺しに入ろうとしていた。
 ロンギヌスの槍は、磔刑に処せられた十字架上のイエス・キリストの死を確認するため、わき腹を刺したとされる槍である。彼の血が槍に触れた事で聖槍となっただけでなく、高威力の一撃を放つ事もできるのだ。

「聖槍か……だが、この魔眼の力を侮るな!」

 ゴーストパンプキンはジャンヌに狙いを定め、目から強烈な光線を放ってきた。彼女もロンギヌスの槍でガードするが、光線の威力に押されてしまう。

「ぬぐぐ……!」
「抵抗しても無駄だ!更に威力強めだ!」

 ゴーストパンプキンは魔眼の威力を最大限に強め、強烈な光線をジャンヌに浴びせた。流石にロンギヌスの槍ではガードが出来ず、打ち破られて直撃してしまうのも当然の結果だ。

「きゃああああああ!!」
「ジャンヌ!」

 ジャンヌは大ダメージを受けてしまい、地面に墜落してしまう。身体はボロボロになっていて、多くの痣が身体中についていた。再び立ち上がろうとしても時間は掛かるし、回復するにも長時間が必要だろう。

「しっかりして、ジャンヌ!ここで倒れたら駄目でしょ!」
「ええ……ですが、身体の自由が……」

 ジャンヌはマリーの呼びかけに応じるが、光線の威力で身体が動かない事を実感している。まともに光線を貰ってしまった以上、この様になってしまうのは当たり前と言える。しかし、ゴーストパンプキンを止める為にも、ここで死ぬ理由にはいかないのだ。

「どうやら聖女もこれで終わりだな。最期は皆まとめて死なせてくれよう」

 ゴーストパンプキンがトドメを刺す為、光線を敵全体に放とうとしたその時だった。


「諦めるのはまだ早いわ!」
「何!?」


 突如声のした方に全員が一斉に向いた途端、洗脳されていた筈のシンデレラ達が姿を現した。更に零夜達も一斉に駆け付けていて、ジャンヌ達のピンチを救いに来たのだ。

「皆さん……来てくれたのですね……」

 ジャンヌは嬉し涙を流しながら、零夜達に視線を移す。四天王を倒したばかりの彼等が、仲間のピンチに駆け付けてくれた事がとても嬉しいからだ。

「ヒーローは遅れてやってくるというけど……俺達が来たからには、誰一人死なせないぜ!」

 零夜の強い宣言と同時に、シンデレラ達も戦闘態勢に入る。おとぎの世界を巡る戦いも、最終決着に向かおうとしていたのだった。
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