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第五章 ハルバータの姫君
第百五十二話 焦りは禁物
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ナットは零夜達ブレイブペガサスの事をよく調べている為、彼等と自分達の差は実感している。しかし、ホーネット、グローブ、シナモン、ジャミラ、タムロ、パピィ、ニコラに関しては彼等を知らない為、固まってしまうのは無理ないのだ。
「こ、この人達が……我々より上なのか……」
ホーネットは固まりながらもナットに視線を移し、彼は真剣な表情でコクリと頷いていた。
「そうだ。ブレイブペガサスのランクはAからEまでとなると、Aランクだ!最初はEランクだったが、これまでの功績によって今のランクがある。それに比べて俺達はCクラスだ!」
「「「うぐっ!」」」
ナットからの指摘はホーネット達の心に突き刺さり、彼等はそのままヘナヘナと地面に座り込んでしまった。まあ、現実を見ればそうなるのも無理ないが。
「……私とした事が不覚だった……このままマギアスを倒そうとしても、返り討ちと言えるだろう……」
ホーネットはガックリと項垂れる中、零夜は気になる表情をしながら彼に近づく。マギアスというキーワードが気になり、それを質問しようとしているのだ。
「マギアス討伐……もしかするとホーネット達の課題もそうなのか?」
「ええ。メルト様が王位を継ぐ為だけでなく、我々も八人揃った時に出ている課題をクリアする為です。アルメリアスの紋章を手に入れる為にも……」
「「「!?」」」
ホーネットからの説明を聞いた零夜達は驚きを隠せず、中にはビックリして尻もちをつく人もいた。まさかライバル達が同じ課題を受けているのは予想外であり、一筋縄ではいかない展開となるだろう。
「じゃあ、真のヒーローズエイトになる為には……ライバル達との戦いも避けられなくなる……」
「偶然じゃないと言えるなら、ますます負けられなくなるわね」
ジェニーの推測にヒカリも同意し、課題に対する意識が強くなり始めた。ライバルまでいるのなら燃え上がる展開が丁度いいし、任務にも集中する事が出来るのだ。
「言われてみればそうかも知れない。けど、今はアメリアのお父さんに無事である事を伝えないと。課題についてはそれからだ」
「そうかもね……だったらすぐに急がないと!」
「キャッ!?」
「うおっ!?」
零夜からの説明にエヴァ達も同意したと同時に、彼女はアメリアとレザーを抱える。そのままスピードを上げて走り出し、零夜達も急いで後を追いかけた。どうやら早めに面会を済ませ、そのままマギアスとの戦いに向かおうとしているのだ。
その様子にホーネット達はポカンとしているが、すぐに落ち着きを取り戻して前に向く。
「こうしてはいられない!ライバルが増えてもやるべき事に変わりはない。すぐにトンガラ渓谷へ向かうぞ!」
「「「おう!」」」
ホーネット達は駆け足でトンガラ渓谷へと向かい出したが、その様子は何処か焦っているようにも見えた。恐らくこの展開は失敗するケースが高く、嫌な予感しかしないと感じていたのだろう。
※
ロイヤルグリズリーズの八人は目的のトンガラ渓谷に辿り着き、慎重に進みながらマギアスを探していた。敵の生息場所とアルメリアスの紋章は奥の方にあるので、慎重に進む必要があるのだ。
「良いか!何が何でも紋章を取りに行くんだ!メルト様を王にする為にも!」
「「「そうだそうだ!」」」」
「その為にはどんな困難を乗り越えるのみだ!たとえどんなライバルが来ようとも、我々はここで諦める訳にはいかないのだ!」
「「「そうだそうだ!」」」
ホーネットは皆に鼓舞しながら宣言し、ナット達も同意する。彼等は零夜達の登場により、焦りと精神的に追い詰められてしまいっている。その為、この様な鼓舞をして精神さを落ち着かせようとしているが、焦りの色はまだ消えていないのだ。
「よし!ハルバータの栄光の為にも、メルト様の為にも、絶対にやるぞ!」
「「「おう!」」」
ホーネットの合図でロイヤルグリズリーズが動き出し、マギアス討伐に向かおうとしたその時だった。
「お前等も……偽物か!」
「「「!?」」」
全員が声のした方を向いた途端、紅蓮丸がホーネット達の前に姿を現した。その姿はまさに鬼神其の物で、獲物を狙う様な目をしているのだ。
「何者だ!?」
「お前等に名乗る義務はない!」
紅蓮丸は百鬼夜行を構え、ナットを斜め一線に斬り裂いた。あまりにも容赦なく危害を加える行為は、まさに外道其の物としか言えないだろう。
「がは……」
斬り裂かれたナットはそのまま前のめりに倒れそうになり、そのまま崖の下へ墜落。二度と戻って来る事はなかった。
「ナットォォォォォォ!!」
ホーネットの叫びが響き渡る中、グローブが怒りの表情で紅蓮丸を睨みつける。仲間達が殺された恨みはとても大きく、このまま黙ってはいられないだろう。
「こいつが!よくもナットを!」
グローブは槍を構えながら紅蓮丸に襲い掛かるが、彼はすばやい動きで回避してしまう。そのまま百鬼夜行の刀身が光り輝き、容赦なく斬り裂こうとしていた。
「打首獄門!」
紅蓮丸は横一閃でグローブの首を一刀両断し、彼もまた谷底へと墜落してしまったのだ。あっという間に二人が殺されてしまい、ホーネットはワナワナ震え出す。
「よくも仲間を……もう許さん!皆、行くぞ!」
「「「おう!」」」
ホーネットの突撃を皮切りに、シナモン、ジャミラ、タムロ、パピィ、ニコラの五人も紅蓮丸目掛けて次々と襲い掛かる。しかし、紅蓮丸はギロリと目を光らせたと同時に、百鬼夜行を構えながら敵に狙いを定めていた。
「この偽物共が……!曼荼羅地獄!」
紅蓮丸は素早い連続斬撃で、シナモンとジャミラを峰打ちで倒す。更にタムロは背中に強烈斬撃、パピィは脳天への突き、ニコラに至っては左斜一閃の斬撃を駆使し、見事倒されたのだ。
「残るはテメェだけだ!」
「くそっ!」
ホーネットはサーベルを構えながら攻撃を仕掛けるが、次々と弾かれてしまう。ホーネットの剣技のスキルは上級者と言えるが、紅蓮丸にはあまり効果がないみたいだ。
「仕舞だ!はっ!」
そして紅蓮丸の一刀両断により、ホーネットは真っ二つに斬り裂かれて死んでしまう。そのまま遺体は谷底へと落下してしまったのだ。
「悪いな……俺はここで死ぬ訳にはいかない……俺を殺していいのは……真のヒーローだ……!」
紅蓮丸は空を見上げながらそう呟いた直後、そのままその場から姿を消した。同時にロイヤルグリズリーズは全滅してしまい、メルトは王位継承の戦いから脱落する事が決まったのだった……
「こ、この人達が……我々より上なのか……」
ホーネットは固まりながらもナットに視線を移し、彼は真剣な表情でコクリと頷いていた。
「そうだ。ブレイブペガサスのランクはAからEまでとなると、Aランクだ!最初はEランクだったが、これまでの功績によって今のランクがある。それに比べて俺達はCクラスだ!」
「「「うぐっ!」」」
ナットからの指摘はホーネット達の心に突き刺さり、彼等はそのままヘナヘナと地面に座り込んでしまった。まあ、現実を見ればそうなるのも無理ないが。
「……私とした事が不覚だった……このままマギアスを倒そうとしても、返り討ちと言えるだろう……」
ホーネットはガックリと項垂れる中、零夜は気になる表情をしながら彼に近づく。マギアスというキーワードが気になり、それを質問しようとしているのだ。
「マギアス討伐……もしかするとホーネット達の課題もそうなのか?」
「ええ。メルト様が王位を継ぐ為だけでなく、我々も八人揃った時に出ている課題をクリアする為です。アルメリアスの紋章を手に入れる為にも……」
「「「!?」」」
ホーネットからの説明を聞いた零夜達は驚きを隠せず、中にはビックリして尻もちをつく人もいた。まさかライバル達が同じ課題を受けているのは予想外であり、一筋縄ではいかない展開となるだろう。
「じゃあ、真のヒーローズエイトになる為には……ライバル達との戦いも避けられなくなる……」
「偶然じゃないと言えるなら、ますます負けられなくなるわね」
ジェニーの推測にヒカリも同意し、課題に対する意識が強くなり始めた。ライバルまでいるのなら燃え上がる展開が丁度いいし、任務にも集中する事が出来るのだ。
「言われてみればそうかも知れない。けど、今はアメリアのお父さんに無事である事を伝えないと。課題についてはそれからだ」
「そうかもね……だったらすぐに急がないと!」
「キャッ!?」
「うおっ!?」
零夜からの説明にエヴァ達も同意したと同時に、彼女はアメリアとレザーを抱える。そのままスピードを上げて走り出し、零夜達も急いで後を追いかけた。どうやら早めに面会を済ませ、そのままマギアスとの戦いに向かおうとしているのだ。
その様子にホーネット達はポカンとしているが、すぐに落ち着きを取り戻して前に向く。
「こうしてはいられない!ライバルが増えてもやるべき事に変わりはない。すぐにトンガラ渓谷へ向かうぞ!」
「「「おう!」」」
ホーネット達は駆け足でトンガラ渓谷へと向かい出したが、その様子は何処か焦っているようにも見えた。恐らくこの展開は失敗するケースが高く、嫌な予感しかしないと感じていたのだろう。
※
ロイヤルグリズリーズの八人は目的のトンガラ渓谷に辿り着き、慎重に進みながらマギアスを探していた。敵の生息場所とアルメリアスの紋章は奥の方にあるので、慎重に進む必要があるのだ。
「良いか!何が何でも紋章を取りに行くんだ!メルト様を王にする為にも!」
「「「そうだそうだ!」」」」
「その為にはどんな困難を乗り越えるのみだ!たとえどんなライバルが来ようとも、我々はここで諦める訳にはいかないのだ!」
「「「そうだそうだ!」」」
ホーネットは皆に鼓舞しながら宣言し、ナット達も同意する。彼等は零夜達の登場により、焦りと精神的に追い詰められてしまいっている。その為、この様な鼓舞をして精神さを落ち着かせようとしているが、焦りの色はまだ消えていないのだ。
「よし!ハルバータの栄光の為にも、メルト様の為にも、絶対にやるぞ!」
「「「おう!」」」
ホーネットの合図でロイヤルグリズリーズが動き出し、マギアス討伐に向かおうとしたその時だった。
「お前等も……偽物か!」
「「「!?」」」
全員が声のした方を向いた途端、紅蓮丸がホーネット達の前に姿を現した。その姿はまさに鬼神其の物で、獲物を狙う様な目をしているのだ。
「何者だ!?」
「お前等に名乗る義務はない!」
紅蓮丸は百鬼夜行を構え、ナットを斜め一線に斬り裂いた。あまりにも容赦なく危害を加える行為は、まさに外道其の物としか言えないだろう。
「がは……」
斬り裂かれたナットはそのまま前のめりに倒れそうになり、そのまま崖の下へ墜落。二度と戻って来る事はなかった。
「ナットォォォォォォ!!」
ホーネットの叫びが響き渡る中、グローブが怒りの表情で紅蓮丸を睨みつける。仲間達が殺された恨みはとても大きく、このまま黙ってはいられないだろう。
「こいつが!よくもナットを!」
グローブは槍を構えながら紅蓮丸に襲い掛かるが、彼はすばやい動きで回避してしまう。そのまま百鬼夜行の刀身が光り輝き、容赦なく斬り裂こうとしていた。
「打首獄門!」
紅蓮丸は横一閃でグローブの首を一刀両断し、彼もまた谷底へと墜落してしまったのだ。あっという間に二人が殺されてしまい、ホーネットはワナワナ震え出す。
「よくも仲間を……もう許さん!皆、行くぞ!」
「「「おう!」」」
ホーネットの突撃を皮切りに、シナモン、ジャミラ、タムロ、パピィ、ニコラの五人も紅蓮丸目掛けて次々と襲い掛かる。しかし、紅蓮丸はギロリと目を光らせたと同時に、百鬼夜行を構えながら敵に狙いを定めていた。
「この偽物共が……!曼荼羅地獄!」
紅蓮丸は素早い連続斬撃で、シナモンとジャミラを峰打ちで倒す。更にタムロは背中に強烈斬撃、パピィは脳天への突き、ニコラに至っては左斜一閃の斬撃を駆使し、見事倒されたのだ。
「残るはテメェだけだ!」
「くそっ!」
ホーネットはサーベルを構えながら攻撃を仕掛けるが、次々と弾かれてしまう。ホーネットの剣技のスキルは上級者と言えるが、紅蓮丸にはあまり効果がないみたいだ。
「仕舞だ!はっ!」
そして紅蓮丸の一刀両断により、ホーネットは真っ二つに斬り裂かれて死んでしまう。そのまま遺体は谷底へと落下してしまったのだ。
「悪いな……俺はここで死ぬ訳にはいかない……俺を殺していいのは……真のヒーローだ……!」
紅蓮丸は空を見上げながらそう呟いた直後、そのままその場から姿を消した。同時にロイヤルグリズリーズは全滅してしまい、メルトは王位継承の戦いから脱落する事が決まったのだった……
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