ヒーローズエイト〜神に選ばれし8人の戦士達による新八犬伝最強救世主伝説〜

蒼月丸

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第四章 エルフの森の怪物騒動

第百二十七話 最強技の取得

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 翌朝、エルフの森の中にある広場では、ライカがエヴァ達にこれまでの事を説明していた。その内容に彼女達は驚きを隠せず、ざわついてしまうのも無理なかった。

「そんな事があったなんて……」
「全て事実だ。更にアルバータドラゴンが基地から脱走したとなると、すぐにこの場所に来る可能性があるだろう。」

 ライカの真剣な推測に零夜達は真剣な表情をしていて、油断大敵だという事を実感する。アルバータドラゴンが脱走したとなると、今からでも襲い掛かる可能性があり得る。そうなると激しい戦いになるのは避けられないのだ。

「あっ、お祖父ちゃん」
「全員揃っているな。始めるぞ!」

 するとエムールが姿を現し、零夜達は彼等に視線を移す。それと同時に伝授される技の説明が始まり、エムールからの話を真剣な表情で聞き始める。

「良いか?今回伝授する技は、八人での合体技であるエイト・スレイヤーじゃ。その技を上手く活用できるかはお主等次第となる」

 エムールからの説明に、零夜は納得の表情をしながら頷く。
 内容はこうなっている。一人が敵を打ち上げたと同時に、六人が次々と連続でダメージを与える。そのまま最後の一人が敵を真っ二つに切り裂き、着地したと同時に消滅。どんな敵でも倒せる確率が高いが、成功するには連携がカギとなるのだ。

「では、早速始めるぞ!」

 エムールは魔術でモンスターを召喚し、零夜達は円陣を組んで作戦を話し合う。それ程この技は一つのミスが命取りとなる為、事前に計画を立てる必要があるのだ。

「エヴァが上空に打ち上げ、アミリス、ヒカリさん、ソニア、倫子さん、ミミ姉、ジャンヌがダメージを与え、そして俺が真っ二つに切り裂く!」
「分かったわ!早速始めましょう!」

 エヴァはモンスターに接近し、そのまま軽々と両手で持ち上げる。

「せーの!」

 そのまま上空へと投げ飛ばし、アミリス達が一斉に空を飛び始めた。

「喰らいなさい!ガトリングアロー!」

 アミリスは宙を浮かんでいるモンスターに狙いを定め、弓矢の連続射撃で次々とダメージを与える。

「一気に決めるわ!断罪一閃!」

 ヒカリは断罪の剣と光の盾を構え、強烈な斬撃をモンスターに炸裂させる。今の一撃は悪の心を持つ者に効果は抜群で、大型モンスターでも大ダメージは確定だ。

炎竜爪撃えんりゅうそうげき!」

 ソニアは空を飛びながら炎の三叉型カタールである「ラハブ」を構え、炎の斬撃でダメージを与えていく。

「これはおまけだ!炎魔脚えんまきゃく!」

 更にソニアは左足に炎を纏いつつ、モンスターに強烈なキックを繰り出した。今の一撃は火傷レベルではすまないだけでなく、全身に引火させる事が可能なのだ。
 当然モンスターは全身に引火してしまい、あっという間に火達磨になる。それを見たミミはリングブレードを変化させ、水属性の新たなリングブレードである「水虎」になったのだ。

「喰らいなさい!水神演舞すいじんえんぶ!」

 ミミの水の剣舞斬撃が見事決まり、その一撃で火も消えて鎮火してしまった。しかし、与えたダメージはかなり大きく、モンスターの耐久力も減っているのだ。

「参ります!ホーリーストライク!」

 ジャンヌは光属性のトライデントランスである「ルミエーレ」を強く構え、強烈な突き攻撃でモンスターにダメージを与える。更に光の電撃も炸裂し、追い討ちをかけたと同時に間合いを取った。 
 ラストは零夜が村雨を構えながら跳躍し、刀身にオーラを込めて振り下ろし始める。

「最後は俺だ!快刀乱麻かいとうらんま!」

 そのまま村雨を振り下ろしながらモンスターを一刀両断し、零夜は地面に着地して刀を鞘に収める。同時にモンスターも消滅して塵となった。

「今のはスピードが遅かったな。もう少し速度を早めるぞ!」
「「「おう!」」」

 零夜は今の攻撃に納得できず、もう少し攻撃のスピードを上げる事を宣言。それにミミ達も掛け声を上げながら付き合う事を決断した直後、ルリカ達パートナーメンバーが駆け寄ってきた。

「私達も協力します!人数が多い程威力も増しますし、ここはユニゾンレイドを放てば楽にできるのでは無いでしょうか?」
「「「ユニゾンレイド?」」」

 ルリカが協力する事を決断し、ユニゾンレイドという魔術を提案。しかし、零夜率いる地球組は、疑問の表情で分からなくなるのも無理なかった。

「ユニゾンレイドというのは、複数の人数で合体魔術を放つ事。私達パートナーチームは事前に練習し、見事取得したわ」
「へ!?本当なのか!?」

 マーリンの説明に零夜達は納得するが、彼女達が事前に取得していた事に驚きを隠せずにいたのだ。
 マーリン達もただパートナーを支えるだけでなく、自らの力で立ち向かう強い意志を持っている。このまま成長すれば化けるだけでなく、戦力としては欠かせないだろう。

「ええ。私達が敵に対してユニゾンレイドをした直後、エヴァさんがそのまま敵を投げ飛ばしてください」
「後は先程やった通りと同じ展開ね。じゃあ、それで行きましょう!」

 ルリカの説明にエヴァ達は納得の表情で頷き、彼女はエムールに対してモンスターの追加を依頼する。

「エムールさん、追加お願いします!」
「よし!成功するまで何度もやるぞ!」

 エヴァの合図と同時に、エムールは再びモンスターを召喚。そのままルリカ達パートナーメンバーはモンスターを囲み始め、それぞれの魔術を駆使して合体攻撃を決め始める。

「「「ユニゾンレイド!」」」

 ルリカ達の合体魔術が発動され、彼女達の手から強烈な光線が発射される。そのままモンスターにダメージを与えた直後、エヴァが駆け出したと同時に合体攻撃が再び始まりを告げられたのだ。

「皆、精一杯頑張っているみたいね」
「ああ。最初はどうなるのか不安だったが、今では協力し合いながら戦っている」
「それだけ成長したという事だな」

 この様子を美津代は感心しながら見ていて、トラマツやノースマンも零夜達の成長を実感していた。
 選ばれし戦士としてのサポートを担当する様になってから、数ヶ月が経過している。今ではレベルや技の種類も増えただけでなく、連携や団結力も向上しているのだ。

「なるほど……こりゃもしかすると……一日足らずで完璧にマスターできるかも知れんのう……」

 エムールも零夜達の動きに感心しながら、最速でできるんじゃないかと予測する。
 この技は普通だったら長い期間を掛けていて、僅か一週間ぐらいで完成をする。しかし、零夜達は最初から見事な連携を見せていて、ほぼ完成に近い動きをしていた。この様子だと完全に取得するのも時間の問題である。

「よし!まだまだ行くぞ!エムールさん、次をお願いします!」
「任せろ!」

 零夜の掛け声にエムールは真剣な表情で頷き、次のモンスターを召喚した。彼等ならアルバータドラゴンやベルセルクを倒す事を信じながら……
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