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第三章 花咲くロベリア革命

第百二話 革命の終焉

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 ボルはワンショルダーのOバック姿になった途端、興奮度最大の暴走状態となって零夜に襲い掛かる。彼は跳躍して回避しようとするが、強烈なラリアットを見舞ってしまい、背中に地面を叩きつけられる。

「くそ……」

 するとボルは自分の肩の上に零夜を仰向けに乗せ、顎と腿を掴み、自分の首を支点とし零夜の背中を弓なりに反らせる。
 しかし、そのせいで自身の股間も丸見えになろうとしていて、ジャンヌとマリーは赤面して顔を抑えてしまう。あんな光景を見たら誰だってそうなるだろう。

「よく見ろ!これが現実だ!」
「現実であっても見たくないです!」
「嫌!」

 バルの呼びかけにもジャンヌとマリーは必死で否定していたその時、何処からかドドドという音が聞こえる。

「ん?この音は……」

 突然の音に全員が戦闘を止めて音のした方を見ると、なんとロベスピエール率いる現ロベリア議員達が走りながら駆けつけてきたのだ。
 今の光景にロベスピエール達は口をあんぐり開けてしまい、呆然とするしかなかった。あれだけやらかせばこうなるのも無理ないだろう……

「こ、この有り様は……恐れていた事が起こりましたね……」
「住民達までOバック……このバカ三兄弟共がァァァァァァ!!」

 ロベスピエールは怒りの大声で叫び、ファンキーズの三兄弟は彼等の方を向いて近付く。因みに零夜はボルから解放されて地面に着地し、素早く間合いを取っていた。

「おいおい。折角良いところなのに何してくれてんだよ」

 バルは怒りを滲ませながらも、ロベスピエールに接近して彼をじっと見つめていた。
 
「うるさい!住民達まで老若男女問わずこのOバックを履かせてどうする!」
「良いじゃねえかよ。これがジャコバンズの本来のやり方だよ」
「他の国々からすれば異常過ぎるぞ!さっさと住民達に服を着させろ!」

 ロベスピエールとファンキーズの馬鹿げた言い争いに、零夜達だけでなく住民達もポカンと動揺してしまう。戦いの最中にこんな展開をすると、呆れてしまうのは確定だ。

「どうするんだ?これ?」
「さあ……」

 零夜達がこの展開にどうするか悩む中、バルがロベスピエールの背中を強烈に叩く。そのまま彼はいつの間にか用意していた台車の上に乗せられ、バルが彼を見下ろしながら睨み付けていた。

「おい、テメェ。我々にこのコンコルドを死守しろと言ったのに、こんなやり方は認められないなんておかしいだろ」
「おい、止めろ。こんな事したら分かっているだろうな」

 バルからの脅迫にロベスピエールは抵抗するが、彼の耳には届いてなかった。
 
「うるせー、そっちがその気ならこっちだって考えがあるんだよ」
「何する気だ!止めろ!」

 ロベスピエールは嫌な予感を感じながら抵抗するが、なかなか離してくれない。するとボルがお尻を向けながらしゃがみ、台車は彼のお尻に狙いを定めていた。

「これは選ばれし戦士達専用の必殺技だ。そこから再開と行こうぜ」
「おい!それは止めろ!」
「大人しくしなさい!ロベスピエール様、大気圏突入!」

 ブルは台車を押しながらスピードを上げ、ロベスピエールはボルのお尻に激突。彼は臭い匂いに悶絶してしまい、失神してしまった。

「なんて奴等だ……協力者までも失神させるなんて……」
「異常過ぎるのも無理ないかも……」

 この光景に零夜達は冷や汗を流していて、驚きも隠せずにいた。彼等のやり方は自己中としか言いようがなく、ヒールレスラーの様にやりたい放題としか言いようが無いからだ。
 
「さーて、他の議員さんも喰らってもらいましょうか!」

 バルの宣言に住民達は歓声を上げまくり、議員の一人を台車に乗せる。ボルはお尻を向けて待ち構える態勢に入った直後、バルによって台車が動き出した。その結果、議員の一人もボルのお尻に激突し、失神してしまったのだ。

「仲間割れは助かるけど……これはチャンスかも知れないわね」
「ええ。ですが、あのお尻には激突したくありません……」
「私も嫌だ……」

 この光景にマリー達は抱き合いながら震えてしまい、零夜は真剣な表情をしながら冷や汗を流していた。仲間割れは助かるが、無理に突っ込めばとんでもない展開になり、同じ目に遭ってしまうのも無理はない。彼等はそれを恐れているのだ。
 その様子を見たトラマツはすぐにある事を思い付き、倫子達に声かけを始める。

「ここは僕に作戦がある。実は……」

 トラマツは作戦の内容を零夜達に説明し、その内容に全員が納得しながら頷く。どうやらこの作戦は一か八かだが、やってみる価値はあるだろう。

「よし!やってみましょう!」

 ミミ達が作戦通りに動き出そうとしたその時、ブルが零夜の背中を叩いていた。そのまま彼を台車に乗せようとしていて、零夜は激しく抵抗する。

「さあ、お兄さん!あなたも一緒に!」
「おい!止めてくれ!」

 零夜が抵抗しながら叫んだ直後、ルリカがハサミを持ちながらボルに近付いてきた。

「おいおいおい!何しているんだ!」

 ブルがルリカの仰天行動に叫ぶ中、彼女はボルのOバックをハサミでチョキンと切ってしまった。彼は股間を抑えながら地面を転がってしまい、戦える事は不可能になったのだ。

「お前!なんて事をしてくれたんだ!アンタにはタブーというのは無いのかよ!」
「無いです!」

 ブルからの文句にルリカは真顔ですぐに応え、マリー達も同様に真顔で頷いていた。

「やっていい事といけない事が「お前等が言うセリフか!」ぐへら!」

 ブルがルリカに注意しようとするが、零夜の怒りのパンチを浴びてしまい、そのまま背中を強打して倒れてしまう。
 ボルとブルは戦闘不能となってしまい、残るはバルとなった。因みにロベスピエール達はボルのお尻にやられてしまい、全員失神しているのだ。

「よくもやってくれたな!お前等さえいなければ完璧だったのに!」
「大体お前等が変な格好をするからだろ!そんな格好したら世間から気持ち悪いし、馬鹿だと思われるからな!」
「なんだと!テメェ等に俺達の苦しみが分かるか!」

 バルは激怒しながら零夜に襲い掛かるが、彼は次々と素早い動きで回避してしまう。バルはすぐに間合いを取って立ち止まり、零夜をギロリと睨みつける。

「俺達三人が生きる為には、有名になるしかない!普通に就職しただけじゃ面白くもないし、金も普通。だからこそ、ジャコバンズに入って新たな道を切り開くと同時に、この国を全裸にすると決めたんだ!法律なんか知ったこっちゃねえんだよ!」

 バルの渾身の叫びに、零夜達は思わずズッコケてしまった。ロベリアが全裸になんかなったら、馬鹿な国としては確定だろう。
 
「全裸にしたら流石に国際的にまずいだろ!アンタ等の思い通りにしてたまるか!」
(ご尤もだし、やはりマキシマムと同じやり方やね)

 零夜のツッコミの叫びに倫子が心から呆れる中、マリーが駆け出してバルに襲い掛かってきた。そのまま彼女は跳躍したと同時に、空中での蹴りをぶちかます態勢に入る。

「サイクロンスマッシュ!」
「ぐほっ!」

 マリーの強烈な空中蹴りがバルの顔面に炸裂し、彼はそのまま仰向けに倒れて戦闘不能になってしまった。

「全裸にするのは流石に良くないわ。少しは馬鹿な事を反省しなさい!」

 マリーがバルに対して宣言するが、彼は失神しながら気絶していた。同時にコンコルドの戦いも終わりを告げられ、ロベリアの革命は終わりを告げられたのだった。
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