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第三章 花咲くロベリア革命

第八十二話 シャングリへの突入

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 零夜達は宿屋を出た後、シャングリへと向かっていた。彼等はマリーの魔法であるステルスマジックを掛けられていて、誰にも見つからずに空を飛んでいるのだ。

「取り敢えず敵に見つからずに済んでいるけど、ここからが本番。油断するとやられるから要注意よ」

 マリーからの忠告に、零夜達は真剣な表情で頷く。今回の相手は炎使いのバブーフだが、油断は禁物。アークスレイヤーも倒す事に強くなっていくので、気を引き締める必要があるのだ。
 
「バブーフは炎となると、対策は水がカギとなるわね。それにアンジェリックもシャングリにいると聞いている以上、彼女も探さないと!」

 ミミの真剣な表情での決意に、その場にいる全員も頷く。今回のやるべき事はバブーフを倒すだけでなく、アンジェリックを探す事も含まれている。このシャングリでは重要と言えるだろう。

「取り敢えずはステータスを確認しよう。現在のレベルは三十六だが、スキルの確認も必要だ」
「そうね。見てみるわ」

 トラマツの提案に全員が頷き、彼等はバングルを起動してウインドウを開く。では、まずは選ばれし戦士達から見てみよう。

東零夜
スキル:韋駄天いだてん跳躍力ちょうやくりょく、変化術、属性忍法、自動回復術、隠れ身の術、水遁の術、飛行術、属性剣術
固有スキル:不屈の逆転劇

春川ミミ
スキル:回復の舞、属性剣術、トラップ設置、ツンデレ、飛行術、跳躍力ちょうやくりょく、ソングパワー、幻影魔術
固有スキル:ショータイムダンス

藍原倫子
スキル:属性攻撃、カウンターバリア、跳躍力ちょうやくりょく、魔法の筆、回復術、飛行術
固有スキル:ビューティーオーラ 

国重ヒカリ
スキル:モンスター召喚、モンスターハント、属性剣術、回復術、飛行術、ソングパワー、カウンターバリア
固有スキル:歌のお姉さん

エヴァ
スキル:韋駄天いだてん跳躍力ちょうやくりょく特殊嗅覚とくしゅきゅうかく、絶対音感、飛行術、自動回復術、格闘魔術(風、雷)、穴掘り
固有スキル:特殊怪力とくしゅかいりき
 
アミリス
スキル:千里眼、魔術(攻撃、回復、特殊、弓矢)、鷹の目、飛行術、精霊召喚、特殊聴覚
固有スキル:天才頭脳

ソニア
スキル:竜変化、飛行術、炎魔術、韋駄天いだてん、アイテムハント、アイテム鑑定確認、サーチアイ
固有スキル:ドラゴンソウル

ジャンヌ・ダルク
スキル:光魔術、回復術、サーチアイ、カウンターバリア
固有スキル:聖女の光

トラマツ
スキル:先読み、司令塔、穴掘り、文字解読
固有スキル:天才頭脳

ノースマン
スキル:特殊嗅覚とくしゅきゅうかく韋駄天いだてん跳躍力ちょうやくりょく、穴掘り、特殊聴覚
固有スキル:満月の覚醒

「なるほど。零夜様達のスキルは固有スキルがある為、それをどう使いこなすかが今後の戦いの鍵となるのですね」
「なんか羨ましいかも……」

 ルリカは零夜のステータスを見ながら納得の表情をしていて、キララ達は羨ましそうな目で見ている。
 続いてはパートナー契約を結んでいるルリカ達だ。

ルリカ
パートナー:東零夜
スキル:特殊嗅覚とくしゅきゅうかく韋駄天いだてん跳躍力ちょうやくりょく、穴掘り、カウンターバリア、魔術(回復、攻撃)、属性剣術、飛行術

キララ
パートナー:春川ミミ
スキル:韋駄天いだてん跳躍力ちょうやくりょく、格闘魔術(風、炎)、飛行術、サーチアイ

有原日和
パートナー:藍原倫子
スキル:属性攻撃、跳躍力ちょうやくりょく、飛行術、ソングパワー、ダンスマジック、回復術

ジェニー
パートナー:国重ヒカリ
スキル:属性攻撃、韋駄天いだてん跳躍力ちょうやくりょく、飛行術、回復術

コーネリア
パートナー:エヴァ
スキル:闇魔術、飛行術、コウモリ変化、水・ニンニク・十字架・日光耐性、幻影魔術

マーリン
パートナー:アミリス
スキル:人魚変化、水魔術、アクアマジック、飛行術サーチアイ


パートナー:ソニア
スキル:韋駄天いだてん跳躍力ちょうやくりょく、属性剣術、魔術(闇、炎)、飛行術、鬼神覚醒

マリー・アントワネット
パートナー:ジャンヌ・ダルク
スキル:転移魔術、属性魔術、属性剣術、カウンターバリア、飛行術

「アタシ等はそれぞれのパートナーと契約しているが、固有スキルが無いのが特徴となっているからな」
「まあ、これに関してはしょうがないかもね」

 杏とマーリンは自身のステータスを見ながら苦笑いをしていたその時、シャングリの街が見え始めた。

「どうやら着いたみたいだな。全員着陸用意!」

 トラマツの合図で零夜達はすぐに地上に降り立ち、シャングリの街近くにいる事を確認する。

「このシャングリにアンジェリックがいるが、ジャコバンズもいるので油断は禁物だ」
「この街はジャコバンズとロベスピエール一味が占拠しているとなると、ここは手分けして彼女を探すのが効率的だ」

 ノースマンとトラマツの説明に、零夜達は納得の表情をしながら頷く。

「確かにそうね。集団で探したら余計目立つし、ここは零夜、私、ルリカ、キララ、倫子さん、日和。トラマツ、ノースマン、エヴァ、コーネリア、ジャンヌ、マリー。アミリス、マーリン、ソニア、杏、ヒカリさん、ジェニーの3組に分かれて行動しましょう」
「ミミの言う通りね。この3組で早速行動しましょう!」

 ミミの提案にヒカリは賛同し、彼女達は三手に分かれてアンジェリックを探しに向かい出した。



 零夜達は空を飛びながらアンジェリックを探しに向かっていて、キララのサーチアイで索敵していた。彼女の猫の目はレーダーの役割を持つ為、どんな物でも探せるのだ。

「確かこの辺りだと思うけど……」

 キララが辺りを見回したその時、何処からか音楽が聞こえる。更に歌も聞こえ始め、彼女達は思わず足を止めて地上に着地した。

「ねえ。何処かで歌が聞こえない?」
「そう言えば……あっ!向こうにいるわ!」

 キララが指差す方を見ると、そこには一人の女性がギターを流しながら歌っていた。金髪のロングヘアで青い瞳をしているが、お客はあまりいなくてイマイチの人気だった。

「売れないシンガーですね……」
「うん……私としてもそう思うかも……」
「う……!?」

 ルリカと倫子のボソッとした呟きに、女性は心にグサッと刺されてしまった。そのまま落ち込んでしまうのも無理なく、退屈座りになってしまった。

「どうせ私は売れないシンガーですよーだ……」
「なんて事を言うんですか!」
「いや、思った事を口にしてしまったから……って、この女性……」

 日和の注意に倫子は苦笑いする中、女性の顔を見た途端、胸ポケットから1枚の写真を取り出す。
 それはアンジェリックの写真で、彼女の顔と写真を見比べてみる。間違いなく顔は一致しているので、本人に間違いないのだ。

「間違いないわ!この人……アンジェリックよ!」
「えっ!?この売れないシンガーがアンジェリックなのですか!?」
「ぐほっ!」

 更にミミもアンジェリックに対して追い討ちの言葉をかけてしまい、彼女はまたも落ち込んでしまった。
 この光景を見た零夜はアンジェリックの元に駆け寄り、彼女の頭を優しく撫でながら慰める。

「元気出してくれ。今の歌は良かったけど、その才能が認められないなんて勿体ないぞ」
「あ、ありがとう……それであなた達はここに何しに来たの?」

 零夜に慰められたアンジェリックは涙を拭いた後、彼に対して気になる表情で質問をする。
 
「実はあなたに用がある。ここで話すとまずい事になるので、仲間達と合流してからでもいいか?」
「別に構わないわ。お客さんいなくなったし」

 アンジェリックはお客さんがいない事を指差しながら説明する。どうやら彼女の歌に誰も興味なく、そのまま帰ったに違いない。

「了解。すぐにその場から移動しよう」

 零夜はアンジェリックの手を握ったと同時に、そのまま彼等はエヴァ達と合流しに向かい出した。
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