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第三章 花咲くロベリア革命

第七十八話 レジスタンスとの出会い

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 レジスタンスの本拠地の中に入った零夜達は、アランの案内で会議室の扉の前に辿り着く。目の前の扉は茶色だが、中から緊迫の空気が漂っている。

「ここが会議室……この中に仲間達がいるの?」
「ああ。どれも有力な人物ばかりだ。今、開けるぞ」

 マリーは疑問に思いながら質問し、アランは頷いたと同時に扉の前に移動してノックを行う。

「アランです!選ばれし戦士達と元女王陛下をお連れしました!」
「よし!今、開くぞ!」

 扉の向こうから声がしたと同時に扉が開かれ、その先には多くの政治家や同志達がいたのだ。その数はなんと二十人以上。
 全員がレジスタンスのメンバーの数に驚きを隠せなかった直後、一人の男性が近付いて一礼する。その姿はニ十代ぐらいで、白い短髪をしていた。

「マリー元王女。あなたが無事で何よりです」
「ええ。迷惑をかけて御免なさい」

 マリーと男性はお互い一礼した後、彼は零夜達に視線を移し始める。同時に議員達も彼等に視線を合わせた。

「マリー王女を保護してくれて感謝する。僕はシャルル=アンリ・サンソン。レジスタンスの幹部だ」

 サンソンは零夜達に礼をした後、自ら自己紹介をした。シャルル=アンリ・サンソンはフランス革命の処刑人として活動していて、死後はこの世界に転生をしていたのだ。
 更に一人の議員が零夜達に近付く。年齢は四十代で黒い髪、スーツ姿となっているのだ。

「私はシュヴァリア。レジスタンスであるベルクスのリーダーだ。まずは、君達にこのロベリアの現状を話すとしよう」

 シュヴァリアが零夜達に自己紹介した後、そのまま真剣な表情でロベリアの現状を説明し始める。
 話によるとロベリアは王政で、ルイ十六世とマリーによって平和だった。更に国民主権、人権の尊重という法律も出ようとしていたが、ロベスピエールが出てきた事で革命が起こってしまった。
 ルイ十六世と家族は処刑されてしまい、マリーはアークスレイヤーに引き渡された。シュヴァリアは彼等の野望を終わらせる為、レジスタンスであるベルクスを設立したとの事だ。

(まさかルイ十六世までもこの世界にいるとは……どうなっているんだ、この世界は……)

 シュヴァリアの説明に零夜はルイ十六世までもこの世界に来た事に内心驚いていた。
 恐らくこの世界で偉人達が転生しているとなれば、他の偉人までも出てくる可能性があり得る。そうなると多くの選ばれし戦士達がこの世界で偉人達を探しに来る事があり得るだろう。

「ロベスピエールを筆頭とするジャコバンズは貧しい人民達を中心としていて、金持ちを倒して国民の為による政治を作る事だ。しかし、中産階級や貴族、王族を殺してまでやる事は外道と言われている」

 サンソンからの説明に、ルリカ達は彼等に対して怒りを覚える。ロベリアでは差別があるのが分かるが、命を奪ってまで革命を起こすのは許せないと感じているだろう。
 おまけにベルクスに味方する住民達はこの街のみで、他は全てジャコバンズ派閥となっている。こうなると苦戦するのも無理ない。

「更に我々はアークスレイヤーの基地についても調べてみたが、ロベリアの外にある事が判明されている。だが、この国の五ヶ所の街にも、アークスレイヤー戦士達が駐在している事が判明された。オットー!」
「はい!」

 オットーは魔術でウインドウを召喚し、ロベリア国内にアークスレイヤーの基地がある画像を映す。居場所は5つあり、コンコルド、ブラース、ルブラン、アルストール、シャングリという街にアークスレイヤーの戦士達がいると判明されている。
 特にコンコルドはロベリアの中心と言われていて、ルイ十六世が処刑されていた場所だ。そこではマリーの処刑を待ち侘びる者が続出している為、住民達が取り囲む可能性もあり得る。

(一筋縄ではいかない……か……)

 零夜は心の中で思いながら、ウインドウに映されている画面を真剣に確認する。それと同時に今後の事をどうするか冷静に考え始めていた。

「では、次に各ボスについてです」

 オットーはウインドウの画面を切り替え、五つの街にいるアークスレイヤー戦士達の画像を映し出す。どれも個性的で様々な戦い方をしてくるが、いずれにしても甘く見ると痛い目に遭うのは確実だ。

「シャングリは炎使いのバブーフか。水属性で対処できるかね」

 赤い髪が特徴であるバブーフの画像を見ているキララは、彼の攻撃にどう対処するか冷静に考え始める。弱点が水攻撃となると、どれだけの威力を与える事が出来るかがカギだ。

「電気仕掛けの街であるアルストールのボスは雷轟。彼は雷属性となると、油断は禁物ね」

 マーリンは雷轟の戦法に真剣な表情で考え、それに零夜達も同意する。彼は強烈な雷を放つ事が予測される為、森属性の技が効果的だ。

「ルブランにいるゼルベルは、闇と毒、爪での攻撃を得意としているようだ」
「ブラースは全身機械のサイボーグであるオルベイルか。ちょっとこいつ等は危険すぎるな……」

 ソニアと杏は紫色の短髪であるゼルベルと、茶色い髪をしているオルベイルの戦法を確認する。彼等も侮れない実力を持っているので、苦戦を強いられるのも無理ないだろう。

「コンコルドは変態三兄弟のバル、ブル、ボルの三人。彼等はこのロベリア出身の革命家で、ジャコバンズの後継者と言われているわ。しかも……Oバックのパンツを履いているみたい……」

 エヴァがコンコルドのボスを確認した途端、零夜、ミミ、倫子、ヒカリは冷や汗を流しながらある集団を思い出してしまう。
 それは自身達の世界にいるマキシマムで、奴等は破廉恥な攻撃を得意としている。零夜と倫子は彼等によって酷い目に遭い、ミミとヒカリはガタガタと震えながら見ているしかなかった。

「彼奴等と同類ですよね……」
「まさかロベリアにもこんな変態達がいたなんて……」
「あんな奴等とは絶対に戦いたくない……」
「私なんか逃げ出しそう……」

 四人が変態三兄弟をマキシマムと重ねてしまい、思わずガタガタと震えながら冷や汗を流してしまう。しかし、彼等を倒さなければ革命は終わる事はできない。その覚悟を胸に秘めて零夜は前を向く。

「奴等を倒さなければロベリア支部どころかロベスピエールも倒せない。必ず革命を終わらせてみせます!」
「よく言った!我々も出来る限り援助する。では、会議はここまでだ」

 シュヴァリアの合図と同時に会議は終わりを告げられ、零夜達はそのまま会議室を後にしたのだった。
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