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第二章 隠されたホムラの陰謀
第四十七話 ホムラ領主の息子との遭遇
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零夜達の前に現れた男は豪華な和服を着ていて、年齢は零夜よりも年下ぐらい。更に身長も百七十以上あって、痩せ型のモデル体型だ。
イケメンなのは見事としか言えないが、零夜達に対して偉そうな態度を取るのが欠点だ。
「何か用?」
「お前じゃない。俺はこの女性達に用がある」
「私達の事ですか?」
男はルリカ達に用があると指差し、彼女達はキョトンとしてしまう。いきなり知らない男性から声をかけられただけでなく、用がある事に思わず疑問に感じるのも無理はない。
「そうだ。貴様等の事だ」
「ルリカと申します」
「エヴァよ」
「ウチは藍原倫子!」
「国重ヒカリよ」
「ジャンヌ・ダルクです」
ルリカ達は男に対して丁寧に自己紹介をし、彼は納得の表情をしながら頷く。五人の個性はとても見事であり、称賛する理由もないくらい美しさと可愛さも兼ね揃えていると思っているのだ。
「そうか。随分と可愛らしいじゃないか。俺の女になれ」
男がルリカ達に対し、彼女達を指さしながら命令口調でそう宣言する。
すると零夜が黙っていられずに、ルリカ達を守る様に男の前に移動する。男の言動には呆れている部分もあり、馬鹿だと思っている部分があるだろう。
「お前な……悪いけど、俺の仲間に対して勝手にそんな事しないでくれるか?」
零夜からの呆れながらの指摘に、男は彼に視線を合わせながら睨みつけてきた。
「貴様、この俺を知らないのか?」
「知るわけないだろ!」
零夜の叫びを聞いた男は、彼のバングルに視線を移し、納得の表情をする。この世界では見たことが無いとなると、納得せざるを得ないだろう。
「なるほど。なら、教えるとしよう。俺はこのホムラを治める領主の息子、アルフレッド・ムラマツだ!」
「領主の息子か……どうやらこいつは面倒臭い奴に絡まれたな……」
アルフレッドの自己紹介に零夜が呆れながらため息をついてしまう。こんな偉そうな奴が領主の息子であり、とんでもないキザ男なら関わりたくないのも無理はない。零夜は呆れながらその場から立ち去ろうとしていた。
すると武士姿の兵士達が彼等を囲む。どうやら目的を果たす為ならどんな手段を使おうが構わないだけでなく、反逆する者に対して自らの立ち位置を知ってもらおうとしているのだ。
「何の真似だ。さっさとお昼を食べたいが……」
「俺は領主の息子だぞ。反逆罪に問われたいのか?」
「そんな権限あっても知るかよ。お前等にルリカ達を渡すぐらいなら、反逆罪に問われようとも……俺はお前を殺す覚悟だ!」
零夜は真剣な表情で駆け出したと同時に、次々と手刀を兵士達の首に浴びせて倒した。彼の韋駄天と忍者の隠密能力があるからこそ、この様な行動はお手の物である。
兵士達はまるで糸が切れた人形の様に倒れてしまい、そのまま気絶するのも無理なかった。
「なんて奴だ……」
アルフレッドはこの光景に呆然としているのも無理なく、零夜の圧倒的な強さに恐怖を抱いてしまう。自身が立ち向かえば返り討ちに遭うのは確定と言えるだろう。
その様子を見た兵士の一人が、真剣な表情でアルフレッドに助言を出してきた。
「アルフレッド様、奴は選ばれし戦士である以上、撤退するのが手だと……」
兵士の助言にアルフレッドは首を横に振りながら否定。彼は恐怖心を押し殺しながらキリッと前を向く。
「選ばれし戦士達でも構わん。だが、このまま情けない姿を見せるのなら……」
「話をする暇があれば戦えよ!」
「へぶら!?」
兵士と話をしていたアルフレッドは、急接近してきた零夜のアッパーを下顎から受けてしまい、勢いよく高く飛んでしまう。
そのままアルフレッドは地面に墜落し、ヒクヒクと痙攣しながら倒れてしまった。話をしている事に集中した結果がこれだと言えるだろう。
「アルフレッド様が……倒れた……」
この光景に兵士達が武器を落として唖然とする中、零夜は真剣な表情で彼等に視線を移す。その瞳には怒りが込み上げられていて、兵士達は思わずビクビクと怯えてしまう。
「おい、このバカを連れて行け」
「は、はい!」
「それと……この事についてはアンタ等が突っかかっていたからな。二度と……ん?」
零夜が兵士達に説教をしていたその時、失神しているアルフレッドの右肩部分の服に、見覚えのマークがあるのが見つかった。
悪魔の顔に後ろには双剣がある。これこそアークスレイヤーの紋章なのだ。
「これは……アークスレイヤーの紋章……どういう事か説明してもらおうか!」
「ひっ!」
零夜の鋭い怒りの睨みに兵士達は怯えてしまい、観念して話す事に。
話にをまとめてみるとこの様になっていた。
・領主はアークスレイヤーと手を組んでいる。
・賄賂や違法品、薬物となる植物の販売などをしている。
・奴隷が届く予定だったが、なかなか届かずに苛立ちをしていた。
彼等の話を聞いて零夜は納得したと同時に、怒りの表情で兵士達を再び睨みつける。兵士達は腰を抜かしてしまい、中には失禁している者もいた。
「アークスレイヤーと絡みがあるのなら、こいつは見逃す事はできない。この件に関しては公表させてもらう!良いな?」
「「「はい!」」」
兵士達はアルフレッドを担いでその場から立ち去り、零夜は後方にいるルリカ達に視線を移す。
「もう大丈夫だ!」
「ありがとうございます!」
零夜の笑顔にルリカは嬉しさのあまり彼に抱き着き、スリスリと身体をくっつかせる。
「本当に助かりました!それにしても凄かったです!あの領主の息子であろうとも、一歩も引かないのですね」
「まあな。あいつ、強がっている割には大した事なかったからな。しかし、領主がアークスレイヤーと繋がっていたとは想定外だったな……」
零夜が苦笑いした後、領主達とアークスレイヤーが繋がっている事に真剣な表情をする中、騒ぎを聞いていたヒューゴが彼の元に駆け付けてきた。
「今、騒ぎが起きていたけど何かあったのか?」
「ヒューゴ!実は……」
零夜はこれまでの事をヒューゴに話し始め、その内容に彼が驚きを隠せずにいたのも無理はなかった。
※
「「「ええっ!?領主の息子を殴り飛ばした!?」」」
その後、ミミ達も駆け付け、零夜からの話に驚きを隠せずにいた。一方的に絡まれたとはいえ、まさか殴り飛ばしてしまうとは思わなかったのだろう。
「そうだ。それに奴等はアークスレイヤーと手を組んでいるだけでなく、薬物植物、違法品の販売までしていた」
零夜からの報告に全員は納得の表情をする。領主が裏でとんでもない事を知った以上、これは流石に見逃す事はできない。おまけにアークスレイヤーと組んでいるのなら、容赦なく倒すしかないだろう。
「まさかホムラでその様な事が隠されていたなんて……でも、零夜達が無事で良かったわ……」
「迷惑掛けて悪いな……」
零夜がすまなさそうにミミ達に謝罪するが、倫子は彼のおでこにデコピンをする。その様子だと零夜の行動に少し怒っているのも無理ないのだ。
「痛っ!」
「ここが異世界だから良かったけど、私達の世界だと犯罪になるからね。プロレスラーは基本的に暴力行為は禁止なんだから!」
「すみません……」
倫子からの指摘に零夜は俯きながら謝罪してしまう。確かにプロレスラーが暴力行為を振るえば、警察沙汰になってしまうのも間違いない。プロレスラーとしては失格にもなるし、試合にも出られなくなるのだ。
すると、倫子は優しい表情で零夜の頭を優しく撫でる。
「でも、アークスレイヤーと組んでいるという情報を聞き出せたのは凄いと思う。後は領主達をどう取り押さえるかね」
「ええ。アークスレイヤー騎士団もこの街にいますし、アルフレッドに囚われた女性達もいます!」
「となると……このホムラ支部の前に、ホムラの領主屋敷へと向かう必要があるわね」
倫子が零夜を褒める中、紬は騎士団の情報を伝え、クロエは真剣な表情で推測する。どうやら敵はホムラにもいる以上、この状況を整理してからホムラ支部に向かわなければならない。領主への反逆を成功させるかが、この戦いのキーポイントだ。
「零夜さん、覚悟はできていますか?」
「勿論だ。奴等の野望は……俺達の手で終わらせる!」
零夜の決意の瞳を見たジャンヌ達は、その姿にコクリと頷く。それと同時に新たな戦いも始まろうとしていたのだった。
イケメンなのは見事としか言えないが、零夜達に対して偉そうな態度を取るのが欠点だ。
「何か用?」
「お前じゃない。俺はこの女性達に用がある」
「私達の事ですか?」
男はルリカ達に用があると指差し、彼女達はキョトンとしてしまう。いきなり知らない男性から声をかけられただけでなく、用がある事に思わず疑問に感じるのも無理はない。
「そうだ。貴様等の事だ」
「ルリカと申します」
「エヴァよ」
「ウチは藍原倫子!」
「国重ヒカリよ」
「ジャンヌ・ダルクです」
ルリカ達は男に対して丁寧に自己紹介をし、彼は納得の表情をしながら頷く。五人の個性はとても見事であり、称賛する理由もないくらい美しさと可愛さも兼ね揃えていると思っているのだ。
「そうか。随分と可愛らしいじゃないか。俺の女になれ」
男がルリカ達に対し、彼女達を指さしながら命令口調でそう宣言する。
すると零夜が黙っていられずに、ルリカ達を守る様に男の前に移動する。男の言動には呆れている部分もあり、馬鹿だと思っている部分があるだろう。
「お前な……悪いけど、俺の仲間に対して勝手にそんな事しないでくれるか?」
零夜からの呆れながらの指摘に、男は彼に視線を合わせながら睨みつけてきた。
「貴様、この俺を知らないのか?」
「知るわけないだろ!」
零夜の叫びを聞いた男は、彼のバングルに視線を移し、納得の表情をする。この世界では見たことが無いとなると、納得せざるを得ないだろう。
「なるほど。なら、教えるとしよう。俺はこのホムラを治める領主の息子、アルフレッド・ムラマツだ!」
「領主の息子か……どうやらこいつは面倒臭い奴に絡まれたな……」
アルフレッドの自己紹介に零夜が呆れながらため息をついてしまう。こんな偉そうな奴が領主の息子であり、とんでもないキザ男なら関わりたくないのも無理はない。零夜は呆れながらその場から立ち去ろうとしていた。
すると武士姿の兵士達が彼等を囲む。どうやら目的を果たす為ならどんな手段を使おうが構わないだけでなく、反逆する者に対して自らの立ち位置を知ってもらおうとしているのだ。
「何の真似だ。さっさとお昼を食べたいが……」
「俺は領主の息子だぞ。反逆罪に問われたいのか?」
「そんな権限あっても知るかよ。お前等にルリカ達を渡すぐらいなら、反逆罪に問われようとも……俺はお前を殺す覚悟だ!」
零夜は真剣な表情で駆け出したと同時に、次々と手刀を兵士達の首に浴びせて倒した。彼の韋駄天と忍者の隠密能力があるからこそ、この様な行動はお手の物である。
兵士達はまるで糸が切れた人形の様に倒れてしまい、そのまま気絶するのも無理なかった。
「なんて奴だ……」
アルフレッドはこの光景に呆然としているのも無理なく、零夜の圧倒的な強さに恐怖を抱いてしまう。自身が立ち向かえば返り討ちに遭うのは確定と言えるだろう。
その様子を見た兵士の一人が、真剣な表情でアルフレッドに助言を出してきた。
「アルフレッド様、奴は選ばれし戦士である以上、撤退するのが手だと……」
兵士の助言にアルフレッドは首を横に振りながら否定。彼は恐怖心を押し殺しながらキリッと前を向く。
「選ばれし戦士達でも構わん。だが、このまま情けない姿を見せるのなら……」
「話をする暇があれば戦えよ!」
「へぶら!?」
兵士と話をしていたアルフレッドは、急接近してきた零夜のアッパーを下顎から受けてしまい、勢いよく高く飛んでしまう。
そのままアルフレッドは地面に墜落し、ヒクヒクと痙攣しながら倒れてしまった。話をしている事に集中した結果がこれだと言えるだろう。
「アルフレッド様が……倒れた……」
この光景に兵士達が武器を落として唖然とする中、零夜は真剣な表情で彼等に視線を移す。その瞳には怒りが込み上げられていて、兵士達は思わずビクビクと怯えてしまう。
「おい、このバカを連れて行け」
「は、はい!」
「それと……この事についてはアンタ等が突っかかっていたからな。二度と……ん?」
零夜が兵士達に説教をしていたその時、失神しているアルフレッドの右肩部分の服に、見覚えのマークがあるのが見つかった。
悪魔の顔に後ろには双剣がある。これこそアークスレイヤーの紋章なのだ。
「これは……アークスレイヤーの紋章……どういう事か説明してもらおうか!」
「ひっ!」
零夜の鋭い怒りの睨みに兵士達は怯えてしまい、観念して話す事に。
話にをまとめてみるとこの様になっていた。
・領主はアークスレイヤーと手を組んでいる。
・賄賂や違法品、薬物となる植物の販売などをしている。
・奴隷が届く予定だったが、なかなか届かずに苛立ちをしていた。
彼等の話を聞いて零夜は納得したと同時に、怒りの表情で兵士達を再び睨みつける。兵士達は腰を抜かしてしまい、中には失禁している者もいた。
「アークスレイヤーと絡みがあるのなら、こいつは見逃す事はできない。この件に関しては公表させてもらう!良いな?」
「「「はい!」」」
兵士達はアルフレッドを担いでその場から立ち去り、零夜は後方にいるルリカ達に視線を移す。
「もう大丈夫だ!」
「ありがとうございます!」
零夜の笑顔にルリカは嬉しさのあまり彼に抱き着き、スリスリと身体をくっつかせる。
「本当に助かりました!それにしても凄かったです!あの領主の息子であろうとも、一歩も引かないのですね」
「まあな。あいつ、強がっている割には大した事なかったからな。しかし、領主がアークスレイヤーと繋がっていたとは想定外だったな……」
零夜が苦笑いした後、領主達とアークスレイヤーが繋がっている事に真剣な表情をする中、騒ぎを聞いていたヒューゴが彼の元に駆け付けてきた。
「今、騒ぎが起きていたけど何かあったのか?」
「ヒューゴ!実は……」
零夜はこれまでの事をヒューゴに話し始め、その内容に彼が驚きを隠せずにいたのも無理はなかった。
※
「「「ええっ!?領主の息子を殴り飛ばした!?」」」
その後、ミミ達も駆け付け、零夜からの話に驚きを隠せずにいた。一方的に絡まれたとはいえ、まさか殴り飛ばしてしまうとは思わなかったのだろう。
「そうだ。それに奴等はアークスレイヤーと手を組んでいるだけでなく、薬物植物、違法品の販売までしていた」
零夜からの報告に全員は納得の表情をする。領主が裏でとんでもない事を知った以上、これは流石に見逃す事はできない。おまけにアークスレイヤーと組んでいるのなら、容赦なく倒すしかないだろう。
「まさかホムラでその様な事が隠されていたなんて……でも、零夜達が無事で良かったわ……」
「迷惑掛けて悪いな……」
零夜がすまなさそうにミミ達に謝罪するが、倫子は彼のおでこにデコピンをする。その様子だと零夜の行動に少し怒っているのも無理ないのだ。
「痛っ!」
「ここが異世界だから良かったけど、私達の世界だと犯罪になるからね。プロレスラーは基本的に暴力行為は禁止なんだから!」
「すみません……」
倫子からの指摘に零夜は俯きながら謝罪してしまう。確かにプロレスラーが暴力行為を振るえば、警察沙汰になってしまうのも間違いない。プロレスラーとしては失格にもなるし、試合にも出られなくなるのだ。
すると、倫子は優しい表情で零夜の頭を優しく撫でる。
「でも、アークスレイヤーと組んでいるという情報を聞き出せたのは凄いと思う。後は領主達をどう取り押さえるかね」
「ええ。アークスレイヤー騎士団もこの街にいますし、アルフレッドに囚われた女性達もいます!」
「となると……このホムラ支部の前に、ホムラの領主屋敷へと向かう必要があるわね」
倫子が零夜を褒める中、紬は騎士団の情報を伝え、クロエは真剣な表情で推測する。どうやら敵はホムラにもいる以上、この状況を整理してからホムラ支部に向かわなければならない。領主への反逆を成功させるかが、この戦いのキーポイントだ。
「零夜さん、覚悟はできていますか?」
「勿論だ。奴等の野望は……俺達の手で終わらせる!」
零夜の決意の瞳を見たジャンヌ達は、その姿にコクリと頷く。それと同時に新たな戦いも始まろうとしていたのだった。
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