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第二章 隠されたホムラの陰謀

第三十九話 変態スライムの後処理

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 零夜達はスライムを次々と倒しながら元を探すが、中々見つからず数は増えていく。そうしている間にも、変態スライムは倫子達の服にゆっくりと入ってくるのだ。

「くそっ!このままだとジリ貧になりそうだ……!」
「ああ……大変な事になりそうかもな……」
「僕達だけで何処までやれるか……」

 零夜、トラマツ、ノースマンが冷や汗を流す中、変態スライムはゲスい顔をしながら、ミミ達の服の中にゆっくりと入っていく。

「止めて!ああっ!」
「んやっ!そこは……」
「くすぐったいよ!止めて!」
「ひゃうっ!胸を触らないで!」
「ひっ!ジーンズの中に入ってきた!」

 更に変態スライムのイタズラはエスカレートし、そのお陰でミミ達の服も乱れ始めていく。
 しかも中には下半身にも向かっていく奴、胸の辺りに住みつこうとしている物までいる。女性にとってはまさに災難としか言えないレベルだ。

「ひゃあっ!そこは嫌!」
「ひぐっ!助けてくれ!アタイはこんな趣味はしないんだ!」
「んやっ!そこは嫌だ!」
「あっ、そこは……止めてェェェェェ!!」

 ジャンヌ達の涙ながらの悲鳴が辺り一面に響き渡り、ノースマンは冷や汗を流しながら冷静に考え始める。

(確か忍者は心眼しんがんという技を持っていた……昨日、零夜がそれを取得したとなれば……)

 ノースマンは真剣な表情で考えたと同時に、すぐに作戦を思いついて零夜に視線を移した。

「零夜!心眼を使え!そうすれば元凶が見つかるぞ!」
「よし!心眼発動!」

 零夜は新たなスキルである心眼を発動させ、冷静な表情をしながら元凶となるスライムを探し始める。

(元となるスライムは……見えた!)

 零夜はすぐに目を見開き、一匹のビッグ変態スライムに向かって駆け出していく。そう。彼こそスライム達のボスであり、スライムが大量に出てくる元凶でもあるのだ。

「お前が元凶なのは分かっている!お前にはこれで終わらせてやる!」
 
 零夜の怒りと同時に、全身から炎のオーラが飛び出した。炎のオーラは零夜の身体を纏い始め、そのまま元凶である変態ビッグスライムに突撃し始めた。

心頭滅却しんとうめっきゃく火炎車かえんぐるま!」

 零夜の炎のタックルが見事ビッグ変態スライムに炸裂し、彼がそのまま破裂してしまう。
 それと同時に、スライム達は次々と破裂して素材と金貨になっていく。これによって倫子達に貼り付いていた変態スライム達も次々と破裂し、一匹もいなくなってしまったのだ。

「これで全部か……皆、大丈夫か?」

 零夜達はミミ達の元に駆け寄ると、彼女達は既に泣いていて、スライムの粘液まみれとなっている。この様な屈辱を受けていればそうなるのも無理はない。

「うえ~ん!変なところ触られた~!」
「もう嫌だ!お嫁に行けないよ~!」
「うわ~ん!異世界に来たのにこんな事になるなんて~!」
「もう嫌~!うえ~ん!」

 九人は既に大泣き状態となっていて、なりふり構わずそのまま零夜に抱き着いてきた。顔は涙と鼻水まみれとなっていて、泣いている姿はまるで子供の様だ。
 零夜はそんな倫子達を抱き寄せつつ、そのまま優しく彼女達の頭を撫で始める。

(やれやれ……変態スライムが出てきた事でこうなってしまうとは……やっぱり俺がしっかりしないと駄目かもな……)

 零夜が心の中でため息をついた途端、トラマツとノースマンが心配そうな表情をしながら彼等に近付いてきた。

「大変な目に遭ったみたいだね……あのスライムは変態行為が好きだからこうなるんだよね……」
「それを早く言って欲しいぜ……それを知ったらこんな展開にはならなかったのに……」

 零夜はトラマツとノースマンに対して呆れながらため息をつく中、トラマツはすぐにバッグの中をゴソゴソと探し始め、そこから変わったシートを取り出す。

「それは?」
「このシートは僕が開発した綺麗シート。スライムの粘液などを取る事ができるから、安心だよ」
「じゃあ、これを使えば粘液も取れるのか」

 トラマツの説明に零夜が納得したその時、ミミ達が突然泣き止んだと同時に、トラマツからバシッとシートを奪い取る。

「お、おい……もう大丈夫なのか?」
「大丈夫じゃないけど、見ないでね」

 ミミ達女性陣はギロリと零夜達に視線を移しながら忠告し、そのまま茂みの中に向かってしまう。今からスライムの粘液を取りに向かう為、覗きを防ぐ為に今の様な行動をしたのだ。
 この様子を見た零夜達は思わずポカンとしてしまうのも無理はなく、ただ呆然とするしかなかった。

「あいつ等、行動力早いな……」
「見たら殺されるから大人しくした方が良いかもね。何を仕掛けるのか分からないし」
「だな……今後どうするか話し合いをするか」

 零夜達はミミ達が戻ってくるまで待機する事にし、現在の状況を含めながら、今後はどうするのか話し合い始めた。



「まったく!本当に最悪!変態スライムにやられるなんて!」

 茂みの中ではミミが不満な表情で綺麗シートを使いながら腕の粘液を取りまくり、他の皆も首や服の中の粘液をシートを使って取っていた。
 ミミは変態スライムにやられた事に不満を持っていて、ブツクサ言うのも無理ないのだ。

「うう……腕や顔は拭いたけど、まだ中がベトベトする……服を脱がないとね……」

 倫子はつなぎ服の前のボタンを開けて、そのまま肩紐を降ろしてシートで身体をゴシゴシと拭き始める。彼女の身体には粘液がまだ残っていて、シートで綺麗に拭き取られていく。
 この光景を男性達が見たら普通は興奮すると思うが、零夜だったら鼻血を出して倒れるに違いない。

「私達もしておかないと」
「そうね。ルリカ、今から拭くけど大丈夫?」
「はい!」

 ヒカリとミミ、ルリカもオーバーオールの肩紐を降ろし、綺麗シートを使いながら身体をゴシゴシと汚れを拭き取る。
 ミミはヒカリとルリカの胸の大きさに視線を移していて、自らの胸の大きさと比べてみる。自身は普通の胸サイズでヒカリとルリカはFカップ以上。ため息をついてしまうのも無理ないのだ。

「アタイもどうにかしないとな……」

 ソニアもオールインワンタイプのアオザイを脱ぎ、全身の汚れを拭き取り始める。その姿はまるで東洋美人の如く、綺麗な肌をしている。口調は悪いが、素肌はとても綺麗なのがソニアの特徴だ。
 エヴァ達もジーンズを脱ぎ下ろしたと同時に身体についている粘液をキュッキュッと丁寧に拭き取る。そのまま全ての粘液を拭き取り終え、彼女達はすぐに服を着直し始める。

「これで全部みたい。気持ち悪かった……」
「もう最悪……」

 ミミ達は不満の表情をしながら、ギュッギュッと服の長さなどを調節しつつ、誰にも覗かれないまま着替え終えたのだった。
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