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第一章 戦士達の集結
第十八話 ウサギ帽子誕生の真実
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「本当によ……お前等って、本当に馬鹿だろ。舐めてんのか?」
ウサギ帽子はタバコを吸いながら調子こいていて、彼の視線の先には青い顔で正座させられている零夜達がいた。
「お前等、俺の事を馬鹿とか変態とか思っていただろ」
「いえ……そんな事無いです……」
「嘘つくなコラ。まあ、俺の機嫌が良かったから良いが、普段なら殺されていたんだぞ。分かってんのか?」
「はい……」
ウサギ帽子の指摘に零夜は冷や汗を流しながら真顔で否定するが、逆に指摘されて説教されてしまった。そりゃ嘘でもついたら逆に叱られるのも無理はない。
「おい、そこの嬢ちゃん」
「はい」
ウサギ帽子は倫子に視線を移し、真顔で冷や汗を流している彼女を呼び出す。それに彼女はコクリと頷くしかなかった。
「俺は何だと思っている?」
「分かりません」
ウサギ帽子からの質問に倫子はそう返すしかなく、それにミミ達もコクコク頷きながら同情する。
「バカヤロー!どっからどう見ても可愛いウサギさんだろ!お前の目玉は腐っていんのか?あん?」
「ごめんなさい……」
ウサギ帽子からの怒鳴り声に倫子はただ謝罪するしかなかった。しかもその目には涙まで浮かべられていて泣いてしまうのも時間の問題だ。
(うう……なんでこんな事に……)
(ウサギ帽子って、喋ったのかな……)
(早く帰りたい……)
調子こいているウサギ帽子からの説教で、倫子、エヴァ、ヒカリが心の中でそう思うのも無理はない。このまま延々と説教が続くかと思ったその時だった。
「おいおい。こんな所で何してんだ、タカゾウ」
「あん?」
タカゾウと呼ばれたウサギ帽子が声のした方を見ると、なんと黒縁メガネを掛けていたツノラビ親父が姿を現した。年齢に関しては四十代ぐらいだろう。
「あっ、親父!」
(あの人、親父さんなんだ……)
ツノラビ親父とタカゾウの関係にエヴァは心の中で納得しながら思っていた。
「お前は相変わらず元気そうだが、まだお前は気付いていないな。自身がウサギじゃないという事に」
「な!?」
ツノラビ親父からの宣言にタカゾウは驚きを隠せず、零夜達は真顔で変わらない表情をしていた。
「親父、どういう事だ?」
タカゾウは信じられない表情をしたまま、冷や汗を流してしまう。しかし、その理由を知ろうとツノラビ親父に視線を移していた。
「折角だから話をしてやるよ。お前が何故この姿となっているのかを」
ツノラビ親父は決心したと同時に、真顔でタカゾウに過去の事を話し始める。その内容に零夜達は耳を傾け始めた。
※
あれは数十年前、わしがまだ若い頃だ。この時のわしは普通にツノラビとして冒険者達の隙をついて倒しまくっていた。
「浣腸!」
「あへら!」
浣腸は見事成功しまくり、多くの冒険者達を次々と悶絶。わしは浣腸名人のツノラビと呼ばれるようになり、皆からも尊敬されていたのだよ。
「フッ!これが俺の実力さ!」
しかし、そんなある日の事……仲間のツノラビ達が次々と交尾の為に付き合っているのを見た。今の時期は交尾の時期だからな。
「ヤバい!俺も恋人を探さないと!」
わしは慌てながら恋人を探すが、誰もいなくて困っていた。そんなある日の事だった。
「ハァ……このままだと皆に馬鹿に……おおっ!」
恋人がいなくて落ち込んでいたその時、落ちている毛糸の帽子が目に映り、わしはそれを拾った。
「私の名はリリーです。あなたは?」
「タロウだ」
しかも、この帽子は喋っていて、わし等は付き合い始めた。それから2年後に結婚し、タカゾウが生まれたのだよ。
※
「この話は以上だ」
(((なんだこれ……)))
ツノラビ親父の話を聞いた零夜達は真顔で冷や汗を流しながら唖然とする中、タカゾウは冷や汗を流しながらプルプルと信じられない表情をした。
この話を聞いてしまった以上、信じられない気持ちになるのも無理はないだろう。
「じ、じゃあ……俺は……ウサギじゃなくて……帽子という事なのか?」
「いや、お前はウサギや帽子なんかじゃない……ウサギと帽子のハーフだ。更に強いて言うなら……」
ツノラビ親父は下を向いていたが、まっすぐタカゾウに視線を移す。
「この世で一体の神獣だ」
「「「へ!?」」」
ツノラビ親父の宣言にミミ達は思わず唖然としてしまい、タカゾウは驚きを隠せずにいた。
「俺が……神獣……なのか?」
ツノラビ親父からの話を聞いたタカゾウは涙を流しながら、彼の方を向く。
自分がウサギではなく、この世で一体の神獣である事に驚きを隠せずにいたのも無理はない。
「そうだ。お前は自分自身に自信を持て。自分の人生を歩んでいけ」
「親父……」
ツノラビ親父からの話を聞いたタカゾウは涙を流しながら自らの決意を固め、アラベスクの方に視線を移す。
「アラベスク!もう一度俺を被ってください!共に戦おう!」
「タカゾウ……おう!」
タカゾウの決意の表情にアラベスクはグッドサインと全開スマイルを見せる。
それと同時にアラベスクはタカゾウを被り、完全に一つの姿となった。
(この人達って……変態だよね?)
(うん。前から思いました)
アラベスクとタカゾウの姿にクロエ、紬はヒソヒソと話をしながらジト目で見ていたのは言うまでもない。
「俺達はもう迷わない。一つとなった以上、真の力を発揮するのみだ!」
「真の力!?」
するとタカゾウが光り輝いたと同時に、アラベスクと共に光に包まれる。
「光り輝いた!」
「一体何に変化するのだろうか……」
全員が光り輝いた二人に注目した直後、光が収まって新たな姿になる。
それは白いショートカットの短髪にウサギの耳が生えていて、全身タイツ姿となっていた。
「全身タイツ姿の変態なのは変わってないぞ」
「前よりも馬鹿になった気がする……」
「やかましい!これが俺達の真の姿『アラビー』だ!ラビット旋風脚!」
零夜とミミに変態扱いされたアラビーは叫び返した後、ジャンプして空中で片脚を竜巻のように回転させながら、零夜に3回の回し蹴りを与えた。
「がっ!」
零夜は強烈な回し蹴りを受けて倒れそうになるが、地面に両手を着けて逆立ちし、そのままジャンプして着地した。
(なるほどな……ここまでやってくれるとは……戦いはそうでなければ面白くないぜ!)
零夜が楽しそうな表情をしながらすぐに腕を鳴らし始めたその時、木の怪物のトレント、ウルフ、かぼちゃの顔をした怪物のジャックランタン、植物のマンドラゴラ、額の宝石を持つカーバンクル、子鬼のインプとゴブリン、鬼の顔をした怪物のガーゴイル、更にはミノタウロスというモンスター軍団が姿を現した。
「こんな事もあろうかと、モンスター達も用意したからな!」
「用意周到ね……こんなにも怪物達がいるなんて……」
アラビーの用意周到にクロエは思わず冷や汗を流すが、ヒューゴは冷静に対処して指示を飛ばし始める。
「仕方がない。モンスター達については僕達が相手にするしか無いな。零夜はアラビーを頼む!」
「任せてくれ!」
ヒューゴの指示に零夜はアラビーに集中する事になり、彼等はモンスター達を相手に討伐する事になった。同時に二つの戦いが始まりを告げられたのだった。
ウサギ帽子はタバコを吸いながら調子こいていて、彼の視線の先には青い顔で正座させられている零夜達がいた。
「お前等、俺の事を馬鹿とか変態とか思っていただろ」
「いえ……そんな事無いです……」
「嘘つくなコラ。まあ、俺の機嫌が良かったから良いが、普段なら殺されていたんだぞ。分かってんのか?」
「はい……」
ウサギ帽子の指摘に零夜は冷や汗を流しながら真顔で否定するが、逆に指摘されて説教されてしまった。そりゃ嘘でもついたら逆に叱られるのも無理はない。
「おい、そこの嬢ちゃん」
「はい」
ウサギ帽子は倫子に視線を移し、真顔で冷や汗を流している彼女を呼び出す。それに彼女はコクリと頷くしかなかった。
「俺は何だと思っている?」
「分かりません」
ウサギ帽子からの質問に倫子はそう返すしかなく、それにミミ達もコクコク頷きながら同情する。
「バカヤロー!どっからどう見ても可愛いウサギさんだろ!お前の目玉は腐っていんのか?あん?」
「ごめんなさい……」
ウサギ帽子からの怒鳴り声に倫子はただ謝罪するしかなかった。しかもその目には涙まで浮かべられていて泣いてしまうのも時間の問題だ。
(うう……なんでこんな事に……)
(ウサギ帽子って、喋ったのかな……)
(早く帰りたい……)
調子こいているウサギ帽子からの説教で、倫子、エヴァ、ヒカリが心の中でそう思うのも無理はない。このまま延々と説教が続くかと思ったその時だった。
「おいおい。こんな所で何してんだ、タカゾウ」
「あん?」
タカゾウと呼ばれたウサギ帽子が声のした方を見ると、なんと黒縁メガネを掛けていたツノラビ親父が姿を現した。年齢に関しては四十代ぐらいだろう。
「あっ、親父!」
(あの人、親父さんなんだ……)
ツノラビ親父とタカゾウの関係にエヴァは心の中で納得しながら思っていた。
「お前は相変わらず元気そうだが、まだお前は気付いていないな。自身がウサギじゃないという事に」
「な!?」
ツノラビ親父からの宣言にタカゾウは驚きを隠せず、零夜達は真顔で変わらない表情をしていた。
「親父、どういう事だ?」
タカゾウは信じられない表情をしたまま、冷や汗を流してしまう。しかし、その理由を知ろうとツノラビ親父に視線を移していた。
「折角だから話をしてやるよ。お前が何故この姿となっているのかを」
ツノラビ親父は決心したと同時に、真顔でタカゾウに過去の事を話し始める。その内容に零夜達は耳を傾け始めた。
※
あれは数十年前、わしがまだ若い頃だ。この時のわしは普通にツノラビとして冒険者達の隙をついて倒しまくっていた。
「浣腸!」
「あへら!」
浣腸は見事成功しまくり、多くの冒険者達を次々と悶絶。わしは浣腸名人のツノラビと呼ばれるようになり、皆からも尊敬されていたのだよ。
「フッ!これが俺の実力さ!」
しかし、そんなある日の事……仲間のツノラビ達が次々と交尾の為に付き合っているのを見た。今の時期は交尾の時期だからな。
「ヤバい!俺も恋人を探さないと!」
わしは慌てながら恋人を探すが、誰もいなくて困っていた。そんなある日の事だった。
「ハァ……このままだと皆に馬鹿に……おおっ!」
恋人がいなくて落ち込んでいたその時、落ちている毛糸の帽子が目に映り、わしはそれを拾った。
「私の名はリリーです。あなたは?」
「タロウだ」
しかも、この帽子は喋っていて、わし等は付き合い始めた。それから2年後に結婚し、タカゾウが生まれたのだよ。
※
「この話は以上だ」
(((なんだこれ……)))
ツノラビ親父の話を聞いた零夜達は真顔で冷や汗を流しながら唖然とする中、タカゾウは冷や汗を流しながらプルプルと信じられない表情をした。
この話を聞いてしまった以上、信じられない気持ちになるのも無理はないだろう。
「じ、じゃあ……俺は……ウサギじゃなくて……帽子という事なのか?」
「いや、お前はウサギや帽子なんかじゃない……ウサギと帽子のハーフだ。更に強いて言うなら……」
ツノラビ親父は下を向いていたが、まっすぐタカゾウに視線を移す。
「この世で一体の神獣だ」
「「「へ!?」」」
ツノラビ親父の宣言にミミ達は思わず唖然としてしまい、タカゾウは驚きを隠せずにいた。
「俺が……神獣……なのか?」
ツノラビ親父からの話を聞いたタカゾウは涙を流しながら、彼の方を向く。
自分がウサギではなく、この世で一体の神獣である事に驚きを隠せずにいたのも無理はない。
「そうだ。お前は自分自身に自信を持て。自分の人生を歩んでいけ」
「親父……」
ツノラビ親父からの話を聞いたタカゾウは涙を流しながら自らの決意を固め、アラベスクの方に視線を移す。
「アラベスク!もう一度俺を被ってください!共に戦おう!」
「タカゾウ……おう!」
タカゾウの決意の表情にアラベスクはグッドサインと全開スマイルを見せる。
それと同時にアラベスクはタカゾウを被り、完全に一つの姿となった。
(この人達って……変態だよね?)
(うん。前から思いました)
アラベスクとタカゾウの姿にクロエ、紬はヒソヒソと話をしながらジト目で見ていたのは言うまでもない。
「俺達はもう迷わない。一つとなった以上、真の力を発揮するのみだ!」
「真の力!?」
するとタカゾウが光り輝いたと同時に、アラベスクと共に光に包まれる。
「光り輝いた!」
「一体何に変化するのだろうか……」
全員が光り輝いた二人に注目した直後、光が収まって新たな姿になる。
それは白いショートカットの短髪にウサギの耳が生えていて、全身タイツ姿となっていた。
「全身タイツ姿の変態なのは変わってないぞ」
「前よりも馬鹿になった気がする……」
「やかましい!これが俺達の真の姿『アラビー』だ!ラビット旋風脚!」
零夜とミミに変態扱いされたアラビーは叫び返した後、ジャンプして空中で片脚を竜巻のように回転させながら、零夜に3回の回し蹴りを与えた。
「がっ!」
零夜は強烈な回し蹴りを受けて倒れそうになるが、地面に両手を着けて逆立ちし、そのままジャンプして着地した。
(なるほどな……ここまでやってくれるとは……戦いはそうでなければ面白くないぜ!)
零夜が楽しそうな表情をしながらすぐに腕を鳴らし始めたその時、木の怪物のトレント、ウルフ、かぼちゃの顔をした怪物のジャックランタン、植物のマンドラゴラ、額の宝石を持つカーバンクル、子鬼のインプとゴブリン、鬼の顔をした怪物のガーゴイル、更にはミノタウロスというモンスター軍団が姿を現した。
「こんな事もあろうかと、モンスター達も用意したからな!」
「用意周到ね……こんなにも怪物達がいるなんて……」
アラビーの用意周到にクロエは思わず冷や汗を流すが、ヒューゴは冷静に対処して指示を飛ばし始める。
「仕方がない。モンスター達については僕達が相手にするしか無いな。零夜はアラビーを頼む!」
「任せてくれ!」
ヒューゴの指示に零夜はアラビーに集中する事になり、彼等はモンスター達を相手に討伐する事になった。同時に二つの戦いが始まりを告げられたのだった。
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