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第一章 戦士達の集結
第十七話 変態にご用心
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零夜達がホムラの街へと進む中、ヒカリ達と紬が楽しく会話をしていた。
「紬ちゃん、転生者なんだ」
「ええ。元の世界ではOLでしたが、仕事からの帰り道に落ちてきた鉄骨に潰されてしまい、気が付いたらこの世界に来たのです」
「鉄骨!?かなり悲惨な目に遭ったのね……」
紬の説明にヒカリは驚きを隠せず、まさかの事故死で転生してしまった彼女に同情してしまう。
あの様な死に方をするのは想定外と言えず、思わず涙が出そうになってしまう。
「生前は酷かった物です。ブラック企業で働かされて、フラフラと帰った所で鉄骨に潰されてしまいましたからね……ですが、そのお陰で女子高生ぐらいに若返りました!」
「「「羨ましい……ハァ……」」」
紬の説明を聞いた倫子達は顔を見合わせ、お互いため息をついてしまう。
転生したら若返る事は羨ましさを感じているが、自分達はこの世界に転移しているのでそうなるのも無理はないのだ。
「どうしたのですか?」
「色々事情があるという物だからな……」
紬が倫子達が落ち込んでいる事にキョトンとする中、零夜は唖然としながらため息をついていた彼女達の方を向いている。
「まあまあ。取り敢えずは私達の仲間の行方を探してみるわね。私、こう見えても千里眼で仲間を探せるから」
クロエの説明に零夜達は驚きを隠せないまま、彼女の方に一斉に視線を移す。千里眼を持つスキルを持っているとなると、今後の展開が益々有利となるだろう。
「できるのか!?」
「当然よ。では、始めるわ!」
クロエは神経を研ぎ澄ませる様に集中し、自身のスキルである千里眼を発動。すぐに彼女は仲間の居場所をキャッチする事に成功した。
「分かったわ!まず、アミリスとソニア、ジャンヌについては近くにあるヘンダル鉱山にいるわ。そこにはガンテツもいるみたい!」
クロエはウインクしながら説明し、それに皆は喜びの表情をする。
「おお!ガンテツもいるのか!後はフリードとバルク、ユンリンだけど……」
「フリードは何処かに放浪、バルクはシルバーウルフの村、ユンリンは大道芸で金稼ぎみたい」
「そうなるとホムラに行く前にヘンダル鉱山に行く必要があるみたいだな……」
ヒューゴの質問にクロエは苦笑いしながらも説明する。
説明の内容をトラマツは冷静に判断し、バングルでウインドウをひらいてマップを確認する。
現在地からホムラまではあと十五kmあるが、ヘンダル鉱山とホムラの距離は僅か二km先となっている。そのデータを読み取ったトラマツは全員の方を向く。
「ヘンダル鉱山はホムラからも近いし、アークスレイヤーもそこを狙っている。すぐにその場所へ向かおう!」
「よし!決定だな!」
トラマツからのアドバイスに全員がヘンダル鉱山に向かう決断をしたその時、倫子の視線の先に木の後ろから出ている可愛いウサギを見つける。
「あっ、ウサギさんだ」
倫子はウサギが気になり、危険を感じずにトコトコとすぐに彼の元に近寄り始める。
「どうしたの?迷子かな?」
倫子がウサギに笑顔で声を掛けてもっと近付いた途端……驚きの光景を目にする。
「お嬢ちゃんも、ウサギ好きかい?」
なんとウサギの顔をつけた帽子を被り、全身タイツの変態おじさんがいたのだ。それを見た倫子は真顔となってしまい、ガタガタと身体を震わせてしまう。
「きゃあああああああ!変態ー!」
倫子は悲鳴を上げながら後方に飛んでしまい、エヴァに抱き着いてガタガタ震えてしまう。
可愛いウサギかと思ったらまさかの変態だという衝撃の事実に耐えきれず、トラウマになってしまったのは言うまでもないだろう。
「相当怖かったのね……よしよし」
エヴァは苦笑いしながらガタガタ震えている倫子を慰め始め、彼女の背中をポンポンと叩く。
零夜達は一斉に警戒態勢に入り、全身タイツ姿の変態の男を睨み付ける。
「お前は何者だ!」
「俺か。俺はアークスレイヤーアジトホムラ支部の暗殺処刑人、アラベスクだ!」
零夜が真剣な表情で問い詰めると、アラベスクは自己紹介をしながらカンフーポーズで決める。
しかし、その姿はまさに変態其の物としか思えないのも無理なく、零夜達が唖然とするのも無理無いのだ。
「こんな変態に絡まれたら一貫の終わりとしか言えないわね……」
「けど、倫子が無事で良かったわ」
「ヒッ……ヒッ……うええ……」
アラベスクの姿にミミは冷や汗を流しながら唖然としている。
エヴァはまだ自身に抱き着いて涙を流しながら泣きじゃくる倫子を慰めつつ、彼女の無事に安堵していた。この様子だと大きい赤ん坊をよしよしとあやしている光景に見えるのは気の所為かも知れない。
「ともかく、倫子さんを泣かせた罪は重いんだから!」
「ええ!これ以上好き勝手させません!」
「お仕置きしておかないとね!」
ヒカリ、紬、クロエがアラベスクに対する怒りと同時に戦闘態勢に入り、零夜とヒューゴも後に続く。
仲間を泣かせてしまった罪はとても大きいのだ。
「レベルの差というのを教えてやる!さあ……行くぜ!」
アラベスクはジャンプしたと同時にナイフを構え、そのまま零夜達に向けてまっすぐ投げ飛ばす。
「そうはさせない!マジカルカウンター!」
クロエはバリアを展開して飛ばされてきたナイフを次々と弾き返し、ナイフはアラベスクに向けて方向転換してきた。
「チッ!」
アラベスクはナイフを次々と素早い動きで回避した後、地面に降り立ってナイフを両手で構える。
「それなら俺に任せてくれ!」
零夜は両手に苦無を構え、そのままスピードを上げてアラベスクに立ち向かう。
「小癪な!」
アラベスクもナイフを構えながらスピードを上げ、苦無とナイフがぶつかり合う度に火花が散って行く。
目にも止まらない素早さの攻防に、ミミ達は冷や汗を流しながら呆然としてしまう。この様な戦いを間近で見るのは初めてなのだ。
「どうやらこれは維持の戦いだ。果たしてどうなるかだが……」
「……」
ヒューゴの推測にエヴァが真剣な表情をした直後、両者はお互い離れて真剣な表情で睨みつける。
「零夜君!変な帽子の男に負けないで!」
「頑張れ、零夜!」
「変な帽子に負けるな!」
倫子、ミミ、ヒカリの声援が響き渡り、零夜は頷いて気合を入れ始める。応援は力となる為、気合を入れたりするだけでなく、力が溢れる最高のアイテムとして重宝されるのだ。
「声援を受けた以上は負けてられないな!変な帽子にやられるのは勘弁して欲しいぜ!」
零夜のやる気に満ち溢れた表情に、アラベスクは冷や汗を流す。声援によって強くなってしまうのは想定外としか言えないだろう。
「チッ!俺もまともだ!こんな変な帽子を被る馬鹿はいないんだよ!」
アラベスクが自身が変態でない事を証明する為、自身の帽子を馬鹿にして叫んだその時だった……
「なんつった?誰が変な帽子だこの野郎?」
「「「?」」
何処からかいきなり声が聞こえ、零夜達は戦うのを止めて首を傾げてしまう。
「今、声がしなかったか?」
「変な帽子と言ったら反応した様な……」
零夜達が何処から声がしたのか気になり、誰もが首を傾げてしまう。
皆がざわつきながら辺りを見回す中、声の主は息を大きく吸い込む。
「誰が変な帽子だコノヤロー!」
「「「!?」」」
なんと声の主はアラベスクが被っている帽子であり、ウサギの顔はバカにされてしまった怒りに満ち溢れて完全にブチギレていた。
この様子から見ると完全に怒りの限界を超えているだろう。
「し……し……喋ったァァァァァァァァ!!」
なんと帽子が喋った事で、その場にいる全員が驚くのも無理はなかった……
「紬ちゃん、転生者なんだ」
「ええ。元の世界ではOLでしたが、仕事からの帰り道に落ちてきた鉄骨に潰されてしまい、気が付いたらこの世界に来たのです」
「鉄骨!?かなり悲惨な目に遭ったのね……」
紬の説明にヒカリは驚きを隠せず、まさかの事故死で転生してしまった彼女に同情してしまう。
あの様な死に方をするのは想定外と言えず、思わず涙が出そうになってしまう。
「生前は酷かった物です。ブラック企業で働かされて、フラフラと帰った所で鉄骨に潰されてしまいましたからね……ですが、そのお陰で女子高生ぐらいに若返りました!」
「「「羨ましい……ハァ……」」」
紬の説明を聞いた倫子達は顔を見合わせ、お互いため息をついてしまう。
転生したら若返る事は羨ましさを感じているが、自分達はこの世界に転移しているのでそうなるのも無理はないのだ。
「どうしたのですか?」
「色々事情があるという物だからな……」
紬が倫子達が落ち込んでいる事にキョトンとする中、零夜は唖然としながらため息をついていた彼女達の方を向いている。
「まあまあ。取り敢えずは私達の仲間の行方を探してみるわね。私、こう見えても千里眼で仲間を探せるから」
クロエの説明に零夜達は驚きを隠せないまま、彼女の方に一斉に視線を移す。千里眼を持つスキルを持っているとなると、今後の展開が益々有利となるだろう。
「できるのか!?」
「当然よ。では、始めるわ!」
クロエは神経を研ぎ澄ませる様に集中し、自身のスキルである千里眼を発動。すぐに彼女は仲間の居場所をキャッチする事に成功した。
「分かったわ!まず、アミリスとソニア、ジャンヌについては近くにあるヘンダル鉱山にいるわ。そこにはガンテツもいるみたい!」
クロエはウインクしながら説明し、それに皆は喜びの表情をする。
「おお!ガンテツもいるのか!後はフリードとバルク、ユンリンだけど……」
「フリードは何処かに放浪、バルクはシルバーウルフの村、ユンリンは大道芸で金稼ぎみたい」
「そうなるとホムラに行く前にヘンダル鉱山に行く必要があるみたいだな……」
ヒューゴの質問にクロエは苦笑いしながらも説明する。
説明の内容をトラマツは冷静に判断し、バングルでウインドウをひらいてマップを確認する。
現在地からホムラまではあと十五kmあるが、ヘンダル鉱山とホムラの距離は僅か二km先となっている。そのデータを読み取ったトラマツは全員の方を向く。
「ヘンダル鉱山はホムラからも近いし、アークスレイヤーもそこを狙っている。すぐにその場所へ向かおう!」
「よし!決定だな!」
トラマツからのアドバイスに全員がヘンダル鉱山に向かう決断をしたその時、倫子の視線の先に木の後ろから出ている可愛いウサギを見つける。
「あっ、ウサギさんだ」
倫子はウサギが気になり、危険を感じずにトコトコとすぐに彼の元に近寄り始める。
「どうしたの?迷子かな?」
倫子がウサギに笑顔で声を掛けてもっと近付いた途端……驚きの光景を目にする。
「お嬢ちゃんも、ウサギ好きかい?」
なんとウサギの顔をつけた帽子を被り、全身タイツの変態おじさんがいたのだ。それを見た倫子は真顔となってしまい、ガタガタと身体を震わせてしまう。
「きゃあああああああ!変態ー!」
倫子は悲鳴を上げながら後方に飛んでしまい、エヴァに抱き着いてガタガタ震えてしまう。
可愛いウサギかと思ったらまさかの変態だという衝撃の事実に耐えきれず、トラウマになってしまったのは言うまでもないだろう。
「相当怖かったのね……よしよし」
エヴァは苦笑いしながらガタガタ震えている倫子を慰め始め、彼女の背中をポンポンと叩く。
零夜達は一斉に警戒態勢に入り、全身タイツ姿の変態の男を睨み付ける。
「お前は何者だ!」
「俺か。俺はアークスレイヤーアジトホムラ支部の暗殺処刑人、アラベスクだ!」
零夜が真剣な表情で問い詰めると、アラベスクは自己紹介をしながらカンフーポーズで決める。
しかし、その姿はまさに変態其の物としか思えないのも無理なく、零夜達が唖然とするのも無理無いのだ。
「こんな変態に絡まれたら一貫の終わりとしか言えないわね……」
「けど、倫子が無事で良かったわ」
「ヒッ……ヒッ……うええ……」
アラベスクの姿にミミは冷や汗を流しながら唖然としている。
エヴァはまだ自身に抱き着いて涙を流しながら泣きじゃくる倫子を慰めつつ、彼女の無事に安堵していた。この様子だと大きい赤ん坊をよしよしとあやしている光景に見えるのは気の所為かも知れない。
「ともかく、倫子さんを泣かせた罪は重いんだから!」
「ええ!これ以上好き勝手させません!」
「お仕置きしておかないとね!」
ヒカリ、紬、クロエがアラベスクに対する怒りと同時に戦闘態勢に入り、零夜とヒューゴも後に続く。
仲間を泣かせてしまった罪はとても大きいのだ。
「レベルの差というのを教えてやる!さあ……行くぜ!」
アラベスクはジャンプしたと同時にナイフを構え、そのまま零夜達に向けてまっすぐ投げ飛ばす。
「そうはさせない!マジカルカウンター!」
クロエはバリアを展開して飛ばされてきたナイフを次々と弾き返し、ナイフはアラベスクに向けて方向転換してきた。
「チッ!」
アラベスクはナイフを次々と素早い動きで回避した後、地面に降り立ってナイフを両手で構える。
「それなら俺に任せてくれ!」
零夜は両手に苦無を構え、そのままスピードを上げてアラベスクに立ち向かう。
「小癪な!」
アラベスクもナイフを構えながらスピードを上げ、苦無とナイフがぶつかり合う度に火花が散って行く。
目にも止まらない素早さの攻防に、ミミ達は冷や汗を流しながら呆然としてしまう。この様な戦いを間近で見るのは初めてなのだ。
「どうやらこれは維持の戦いだ。果たしてどうなるかだが……」
「……」
ヒューゴの推測にエヴァが真剣な表情をした直後、両者はお互い離れて真剣な表情で睨みつける。
「零夜君!変な帽子の男に負けないで!」
「頑張れ、零夜!」
「変な帽子に負けるな!」
倫子、ミミ、ヒカリの声援が響き渡り、零夜は頷いて気合を入れ始める。応援は力となる為、気合を入れたりするだけでなく、力が溢れる最高のアイテムとして重宝されるのだ。
「声援を受けた以上は負けてられないな!変な帽子にやられるのは勘弁して欲しいぜ!」
零夜のやる気に満ち溢れた表情に、アラベスクは冷や汗を流す。声援によって強くなってしまうのは想定外としか言えないだろう。
「チッ!俺もまともだ!こんな変な帽子を被る馬鹿はいないんだよ!」
アラベスクが自身が変態でない事を証明する為、自身の帽子を馬鹿にして叫んだその時だった……
「なんつった?誰が変な帽子だこの野郎?」
「「「?」」
何処からかいきなり声が聞こえ、零夜達は戦うのを止めて首を傾げてしまう。
「今、声がしなかったか?」
「変な帽子と言ったら反応した様な……」
零夜達が何処から声がしたのか気になり、誰もが首を傾げてしまう。
皆がざわつきながら辺りを見回す中、声の主は息を大きく吸い込む。
「誰が変な帽子だコノヤロー!」
「「「!?」」」
なんと声の主はアラベスクが被っている帽子であり、ウサギの顔はバカにされてしまった怒りに満ち溢れて完全にブチギレていた。
この様子から見ると完全に怒りの限界を超えているだろう。
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