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第二章 田舎娘とお猫様の初めての都会
田舎娘は、自分の過去を告げる
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私の猫吸いを甘んじて受け止めていたマロンだったが、さすがに五分近くそうされるのはいやだったのだろう。彼女は器用に身を捩り私の手から逃れると、スタッと地面に着地した。
「ニッ」
少しばかり不満げな声を漏らして、マロンはトコトコと私たちから離れてしまう。そしてどう見ても高そうな機材をキャットタワーにし始めた。
「……って、マロン! それは駄目だよ! 壊しちゃったらどうするの!」
「ニャーン」
マロンは「そんなこと知るか」と言わんばかりに一声鳴くと、収まりのいい場所を見つけ出して丸くなってしまった。ううむ、無理矢理にでも下ろした方がいいんだろうけど、でも下手に暴れ回って本当に機材を壊してしまうよりかはいいのかもしれない。
チラリとサディさんを見れば、彼女は特に気にした様子もなくマロンの姿を見つめている。だけど少しばかりその表情はだらしない。あの顔はアレだ、撫でたいって思ってるヤツだ。その証拠にサディさんの両手がわきわきと動いている。
こんな状況でも己の欲望に忠実なサディさんに私は呆れたものの、ほんの少し気分が紛れたので心の中でこっそりと感謝した。
さて、マロンを機材から下ろすという問題はあるけれど、それよりも先にやらなければならないことがある。それは、私たちに対して湧き上がった先々代の神王であるウォルフ様との関わりの説明だ。
……とはいっても、私も上手く説明できる自信はない。だって、死んだと思ったらこの世界に転生していただなんて、言って信じてもらえるものとは思えないもの。
そんな風にうだうだと悩んでいる私に、ジャル様は穏やかな声色で話し掛けてくれた。
「アイラさん、あなたが口ごもってしまうのも無理もありません。特に私のような大男に迫られて萎縮しない方がおかしいでしょう。ですから、ゆっくりで大丈夫です」
自分のことを大男なんて言いつつも、いつものように身を屈めて私と目線の高さを合わせてくれるジャル様は、相変わらず優しい。
「アイラは真面目だからねぇ、いろいろ悩んじゃうんだね。まぁ、悪いのはぜーんぶウォルフってヤツのせいなんだって思って、話せるところから話してくれたらいいよ」
サディさんはなぜか微笑ましそうにこちらを見つめながらそう言った。
「まあ、そうだな。いくらぼくと血が繋がっているとはいえ、おじいさまの数々のやらかしについてはさすがに擁護できない。だから気に病む必要はないぞ」
リオン様は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべながらも、私に対して気遣うような言葉をかけてくれる。
三人とも、ただの人間の平民でしかない私相手でも、とても真摯に接してくれる。だからきっと、私も勇気を出すことができたのだろう。
「……実は、私には前世の記憶があります」
私の口は、ゆっくりと事の顛末を話し始めた。
「私は前世、交通事故……ええと、トラックっていう大きな鉄の塊がぶつかってきて、それで死んでしまいました。マロンも一緒に」
そう、私はトラックに轢かれて死んだのだ。
「死んでしまったんだって理解した時、私の目の前に見知らぬ男性が現れました。長い金髪のその人は自分は『神様』で、私が死んでしまった原因は自分にあると言い出したんです」
なんの悪びれもなく軽い調子で謝罪されたから、あの時は面食らってしまったっけ。
「トラックを運転……操っていたのがその『神様』で、うっかり私とマロンを轢いてしまったそうなんです。それで、お詫びになんでも願いを叶えてやると言われました。それで私は、来世もマロンと一緒にいたいと『神様』に伝えたんです」
ここまで話したところでチラリとジャル様たちを見ると、彼らは一様に頭を抱えていた。あー、とかうー、とかいう唸り声まで聞こえてくる。特にリオン様の動揺は激しいみたいで、血の気が引いて青白くなっていた。
「なんと、もはや……」
「いや、うん、ウォルフの奴がトラブルメーカーなのは最初から知ってたさ! だけどまさか、異世界に行ってまでトラブルを起こしてるなんてさすがに埒外でしょ!」
「そんな、おじいさま、異世界から『勇者』を召喚するシステムを再起動して行方をくらましただけでも面倒なのに、まさか直接異世界に行っていたなんて!」
呆れて漏れ出た声、信じられないと言わんばかりの声、嘆きの声。
その三つの声に対して私は何も言えなかった。だけど一人、マロンだけは「うるさい」と言わんばかりににゃぁ、と鳴いた。
マロン、そしてついでに私の検査を終えた後、ジャル様が気分を変えるように明るい声を発した。
「いろいろと問題は出てきてしまいましたが、ここで悩んでいても解決しないでしょう。今日のところはこの話はここまでにして、食事にしましょうか」
「さんせーい。ボクもうお腹ペコペコだよ!」
サディさんはおどけたように言うと、ジャル様やリオン様といったとても偉い方々のことなどまったく気にしていない様子で検査室を出て行ってしまった。この人は本当に自由だと思う。それを見て、リオン様が呆れたように呟いた。
「あいつ、昔から思ってるけど無礼にもほどがないか?」
「……こっそり減給しておきます」
サディさんの自由奔放さが災いし、彼女のお給料が減ってしまった。その一部始終を見聞きしていた私は、検査台から下りてきたマロンをぎゅうぎゅう抱き締めながら心の中で「ご愁傷様」とだけ呟く。冷たい奴だと罵られるかもしれないが、私だっていっぱいいっぱいなのだ。
だって、ジャル様とリオン様の今日の夕食は、私が作らないといけないのだから。
ジャル様たちが食堂へ向かうのを見送ってから、私はマロンを連れて自分の仕事場へと向かう。その仕事場とはもちろん、ジャル様の執務室の隣にあるキッチンだ。
衛生面を考えたらマロンをキッチン内に入れるのは良くないとは思うんだけど、目を離した隙に何かやらかされる方が恐ろしいので渋々連れてきた形だ。
「いい? マロン、ここがあなたのベッド。私がお仕事をしている間は、ここで大人しくしててね」
「ニャーン」
分かったよ、とでも言っているのだろうか。マロンは一鳴きすると、カゴとクッションで作った急ごしらえのベッドに入り、丸くなって眠り始める。
「ふふ、本当に賢い子だね」
私はマロンの頭を優しくくすぐってから、よし! と気合いを入れて初仕事に取り掛かった。
執務室の隣にあるこのキッチンは、お城の厨房なんかと比べたらもちろん狭いだろう。だけど私の実家や、前世に住んでいた家のキッチンと比べたら、それはそれは広い。
さて、そんな広いキッチンの設備と材料の確認だ。
まず目に付くのは、十分な作業スペースが確保できる大きな調理台だろうか。これだけ大きければ思いっきりパン生地を捏ねることだってできる。
どうやら水道も引いてあるようで、綺麗な流し台と水の出る蛇口もある。さすが魔王城、とても贅沢な造りだ。
魔導具らしき三口あるコンロは使いやすい高さにある。コンロはもう二つあり、そちらは大きな寸胴用なのか低い位置に置いてあった。このコンロはツマミで火加減が調整できるもので、前世の調理器具に近いだろう。
あと、立派なオーブン。こちらも温度の調整がツマミ一つでできるタイプだ。
「これならいろんな料理が作れそう!」
揃っている材料次第だけれど、お菓子も作ることができるだろう。
楽しくなってきた私は一通りキッチンを見回ってから、一際目立つ大きな箱……恐らく用途は冷蔵庫と似たものであろうそれに手を伸ばした。
「ニッ」
少しばかり不満げな声を漏らして、マロンはトコトコと私たちから離れてしまう。そしてどう見ても高そうな機材をキャットタワーにし始めた。
「……って、マロン! それは駄目だよ! 壊しちゃったらどうするの!」
「ニャーン」
マロンは「そんなこと知るか」と言わんばかりに一声鳴くと、収まりのいい場所を見つけ出して丸くなってしまった。ううむ、無理矢理にでも下ろした方がいいんだろうけど、でも下手に暴れ回って本当に機材を壊してしまうよりかはいいのかもしれない。
チラリとサディさんを見れば、彼女は特に気にした様子もなくマロンの姿を見つめている。だけど少しばかりその表情はだらしない。あの顔はアレだ、撫でたいって思ってるヤツだ。その証拠にサディさんの両手がわきわきと動いている。
こんな状況でも己の欲望に忠実なサディさんに私は呆れたものの、ほんの少し気分が紛れたので心の中でこっそりと感謝した。
さて、マロンを機材から下ろすという問題はあるけれど、それよりも先にやらなければならないことがある。それは、私たちに対して湧き上がった先々代の神王であるウォルフ様との関わりの説明だ。
……とはいっても、私も上手く説明できる自信はない。だって、死んだと思ったらこの世界に転生していただなんて、言って信じてもらえるものとは思えないもの。
そんな風にうだうだと悩んでいる私に、ジャル様は穏やかな声色で話し掛けてくれた。
「アイラさん、あなたが口ごもってしまうのも無理もありません。特に私のような大男に迫られて萎縮しない方がおかしいでしょう。ですから、ゆっくりで大丈夫です」
自分のことを大男なんて言いつつも、いつものように身を屈めて私と目線の高さを合わせてくれるジャル様は、相変わらず優しい。
「アイラは真面目だからねぇ、いろいろ悩んじゃうんだね。まぁ、悪いのはぜーんぶウォルフってヤツのせいなんだって思って、話せるところから話してくれたらいいよ」
サディさんはなぜか微笑ましそうにこちらを見つめながらそう言った。
「まあ、そうだな。いくらぼくと血が繋がっているとはいえ、おじいさまの数々のやらかしについてはさすがに擁護できない。だから気に病む必要はないぞ」
リオン様は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべながらも、私に対して気遣うような言葉をかけてくれる。
三人とも、ただの人間の平民でしかない私相手でも、とても真摯に接してくれる。だからきっと、私も勇気を出すことができたのだろう。
「……実は、私には前世の記憶があります」
私の口は、ゆっくりと事の顛末を話し始めた。
「私は前世、交通事故……ええと、トラックっていう大きな鉄の塊がぶつかってきて、それで死んでしまいました。マロンも一緒に」
そう、私はトラックに轢かれて死んだのだ。
「死んでしまったんだって理解した時、私の目の前に見知らぬ男性が現れました。長い金髪のその人は自分は『神様』で、私が死んでしまった原因は自分にあると言い出したんです」
なんの悪びれもなく軽い調子で謝罪されたから、あの時は面食らってしまったっけ。
「トラックを運転……操っていたのがその『神様』で、うっかり私とマロンを轢いてしまったそうなんです。それで、お詫びになんでも願いを叶えてやると言われました。それで私は、来世もマロンと一緒にいたいと『神様』に伝えたんです」
ここまで話したところでチラリとジャル様たちを見ると、彼らは一様に頭を抱えていた。あー、とかうー、とかいう唸り声まで聞こえてくる。特にリオン様の動揺は激しいみたいで、血の気が引いて青白くなっていた。
「なんと、もはや……」
「いや、うん、ウォルフの奴がトラブルメーカーなのは最初から知ってたさ! だけどまさか、異世界に行ってまでトラブルを起こしてるなんてさすがに埒外でしょ!」
「そんな、おじいさま、異世界から『勇者』を召喚するシステムを再起動して行方をくらましただけでも面倒なのに、まさか直接異世界に行っていたなんて!」
呆れて漏れ出た声、信じられないと言わんばかりの声、嘆きの声。
その三つの声に対して私は何も言えなかった。だけど一人、マロンだけは「うるさい」と言わんばかりににゃぁ、と鳴いた。
マロン、そしてついでに私の検査を終えた後、ジャル様が気分を変えるように明るい声を発した。
「いろいろと問題は出てきてしまいましたが、ここで悩んでいても解決しないでしょう。今日のところはこの話はここまでにして、食事にしましょうか」
「さんせーい。ボクもうお腹ペコペコだよ!」
サディさんはおどけたように言うと、ジャル様やリオン様といったとても偉い方々のことなどまったく気にしていない様子で検査室を出て行ってしまった。この人は本当に自由だと思う。それを見て、リオン様が呆れたように呟いた。
「あいつ、昔から思ってるけど無礼にもほどがないか?」
「……こっそり減給しておきます」
サディさんの自由奔放さが災いし、彼女のお給料が減ってしまった。その一部始終を見聞きしていた私は、検査台から下りてきたマロンをぎゅうぎゅう抱き締めながら心の中で「ご愁傷様」とだけ呟く。冷たい奴だと罵られるかもしれないが、私だっていっぱいいっぱいなのだ。
だって、ジャル様とリオン様の今日の夕食は、私が作らないといけないのだから。
ジャル様たちが食堂へ向かうのを見送ってから、私はマロンを連れて自分の仕事場へと向かう。その仕事場とはもちろん、ジャル様の執務室の隣にあるキッチンだ。
衛生面を考えたらマロンをキッチン内に入れるのは良くないとは思うんだけど、目を離した隙に何かやらかされる方が恐ろしいので渋々連れてきた形だ。
「いい? マロン、ここがあなたのベッド。私がお仕事をしている間は、ここで大人しくしててね」
「ニャーン」
分かったよ、とでも言っているのだろうか。マロンは一鳴きすると、カゴとクッションで作った急ごしらえのベッドに入り、丸くなって眠り始める。
「ふふ、本当に賢い子だね」
私はマロンの頭を優しくくすぐってから、よし! と気合いを入れて初仕事に取り掛かった。
執務室の隣にあるこのキッチンは、お城の厨房なんかと比べたらもちろん狭いだろう。だけど私の実家や、前世に住んでいた家のキッチンと比べたら、それはそれは広い。
さて、そんな広いキッチンの設備と材料の確認だ。
まず目に付くのは、十分な作業スペースが確保できる大きな調理台だろうか。これだけ大きければ思いっきりパン生地を捏ねることだってできる。
どうやら水道も引いてあるようで、綺麗な流し台と水の出る蛇口もある。さすが魔王城、とても贅沢な造りだ。
魔導具らしき三口あるコンロは使いやすい高さにある。コンロはもう二つあり、そちらは大きな寸胴用なのか低い位置に置いてあった。このコンロはツマミで火加減が調整できるもので、前世の調理器具に近いだろう。
あと、立派なオーブン。こちらも温度の調整がツマミ一つでできるタイプだ。
「これならいろんな料理が作れそう!」
揃っている材料次第だけれど、お菓子も作ることができるだろう。
楽しくなってきた私は一通りキッチンを見回ってから、一際目立つ大きな箱……恐らく用途は冷蔵庫と似たものであろうそれに手を伸ばした。
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