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第87話:言葉②
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「みんな、今日はありがとう。君たちのおかげで忘れられない一日になる。感謝の気持ちでいっぱいだ」
「「辺境伯様ー!」」
『硬いぞ、ルイー!』
「いつだって笑顔を忘れるんじゃないよー!」
ルイ様の挨拶に、みんなはわいわいと盛り上がる。
ここにいるだけで楽しくて嬉しくて、この時間がずっと続けばいいのにと思う。
「さて、食事を始める前に、いつも私を支えてくれる大事な妻ポーラに贈りたいものがある。……私の詩だ」
「ルイ様の詩でございますか!?」
びっくりして聞いてしまった。
「君の素晴らしい詩を聞いていると、私も自分の想いを詩にして伝えたくなったんだ。……聞いてくれるか?」
「はい、もちろんです! ルイ様の詩なんてすごく聞きたいです!」
「ま、まぁ、君みたいに出来がいいかはわからないが……」
『プレッシャーかけてやるなよ、ポーラ~』
「す、すみません!」
「「あはは」」
慌てて謝ったけど、みんな笑ってくれた。
ルイ様はこほんっと咳払いすると、懐から一枚の紙を取り出す。
どんな素敵な詩が詠われるのか、胸はドキドキでいっぱいだった。
――
私は北の当主
貝のような
無言の日々を送る
ある日
訪れるは言葉の魔術師
君が操るは見事な詩
館のあらゆる問題を
たちまち解決してくれたね
君に出会い
私は殻を破れた
無言の殻を
話さぬ意志の殻を
君のおかげで
今は思う
言葉は素晴らしいものだと
人に幸せを与えられるのだと
君に会えて
私は変われた
一歩踏み出し成長できた
君との出会いが
私の人生で最上の喜びなんだ
――
ルイ様が詩を詠い終わった瞬間、頬に熱い雫が零れるのを感じた。
一滴二滴と止めどなく流れ、気がついたらぽろぽろと涙が止まらなくなっていた。
拭いても拭いても止まる気配がない。
でも……その理由はわかる。
「ポ、ポーラ、どうしたんだっ。どこか具合でも悪いのかっ」
「いえ……違うんです。ただ、本当に嬉しくて……嬉しくてしょうがないんです。こんな素敵な詩を……私は聞いたことがありません」
胸が嬉しさでいっぱいになって、収まりきらない思いが涙となってどんどん零れる。
感動で喜びで、それ以上の言葉が出てこない。
「「辺境伯様ー!」」
『硬いぞ、ルイー!』
「いつだって笑顔を忘れるんじゃないよー!」
ルイ様の挨拶に、みんなはわいわいと盛り上がる。
ここにいるだけで楽しくて嬉しくて、この時間がずっと続けばいいのにと思う。
「さて、食事を始める前に、いつも私を支えてくれる大事な妻ポーラに贈りたいものがある。……私の詩だ」
「ルイ様の詩でございますか!?」
びっくりして聞いてしまった。
「君の素晴らしい詩を聞いていると、私も自分の想いを詩にして伝えたくなったんだ。……聞いてくれるか?」
「はい、もちろんです! ルイ様の詩なんてすごく聞きたいです!」
「ま、まぁ、君みたいに出来がいいかはわからないが……」
『プレッシャーかけてやるなよ、ポーラ~』
「す、すみません!」
「「あはは」」
慌てて謝ったけど、みんな笑ってくれた。
ルイ様はこほんっと咳払いすると、懐から一枚の紙を取り出す。
どんな素敵な詩が詠われるのか、胸はドキドキでいっぱいだった。
――
私は北の当主
貝のような
無言の日々を送る
ある日
訪れるは言葉の魔術師
君が操るは見事な詩
館のあらゆる問題を
たちまち解決してくれたね
君に出会い
私は殻を破れた
無言の殻を
話さぬ意志の殻を
君のおかげで
今は思う
言葉は素晴らしいものだと
人に幸せを与えられるのだと
君に会えて
私は変われた
一歩踏み出し成長できた
君との出会いが
私の人生で最上の喜びなんだ
――
ルイ様が詩を詠い終わった瞬間、頬に熱い雫が零れるのを感じた。
一滴二滴と止めどなく流れ、気がついたらぽろぽろと涙が止まらなくなっていた。
拭いても拭いても止まる気配がない。
でも……その理由はわかる。
「ポ、ポーラ、どうしたんだっ。どこか具合でも悪いのかっ」
「いえ……違うんです。ただ、本当に嬉しくて……嬉しくてしょうがないんです。こんな素敵な詩を……私は聞いたことがありません」
胸が嬉しさでいっぱいになって、収まりきらない思いが涙となってどんどん零れる。
感動で喜びで、それ以上の言葉が出てこない。
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