21 / 88
第21話:ブーケ①
しおりを挟む
「じゃあ……お願いしようかな。薬草を貼ったりしてもなかなか良くならないの」
「私に任せて。キレイサッパリ解消してみせるからね」
「ポーラちゃんがいると心強いなぁ」
お屋敷に来てから、エヴェちゃんには本当にたくさんのことを教えてもらっている。
少しでも恩返しがしたかった。
「詩を書く前に、ちょっと肩凝りの状態を確認させてもらえる? よく把握するほど精度があがるから」
「もちろん、どうぞ」
エヴァちゃんの両肩に手を添えて、ちょっと揉んでみる。
たしかに、石のように硬く凝っていた。
これは大変だ。
腕も動かしづらいだろう。
辞書を開き、羽ペンを走らすこと数分。
詩が書けた。
「それでは、詩を詠いたいと思います」
「楽しみ~」
エヴァちゃんの肩凝りが治りますように……。
そう願いを込めて詩を詠う。
――
不安を胸に訪れたお屋敷
最初に出会ったのがあなた
佇まいは凛として
内に秘めるは豊かな情緒
私の不安が消えたのは
あなたのおかげ
いつも私を助けてくれる
そんなあなたが私は好き
あなたの肩にはお化けがいるね
のしかかって動きを止める
悪いお化け
でもお化けがいるのはこの時までだよ
今度は私が助ける番
私の大切な友人
自由よ戻れ
――
詩を詠い終わると、エヴァちゃんの全身、特に肩の周りに白い光が集まった。
うまくいくか、ドキドキしながら見守る。
エヴァちゃんはというと、徐々にその顔がうっとりとしてきた。
ぽわぁ~とした表情で宙を見る。
「なんか……すごい心地良いよ。お風呂に入っているみたいな温かさ……」
しばらくした後、白い光は静かに消えた。
「私に任せて。キレイサッパリ解消してみせるからね」
「ポーラちゃんがいると心強いなぁ」
お屋敷に来てから、エヴェちゃんには本当にたくさんのことを教えてもらっている。
少しでも恩返しがしたかった。
「詩を書く前に、ちょっと肩凝りの状態を確認させてもらえる? よく把握するほど精度があがるから」
「もちろん、どうぞ」
エヴァちゃんの両肩に手を添えて、ちょっと揉んでみる。
たしかに、石のように硬く凝っていた。
これは大変だ。
腕も動かしづらいだろう。
辞書を開き、羽ペンを走らすこと数分。
詩が書けた。
「それでは、詩を詠いたいと思います」
「楽しみ~」
エヴァちゃんの肩凝りが治りますように……。
そう願いを込めて詩を詠う。
――
不安を胸に訪れたお屋敷
最初に出会ったのがあなた
佇まいは凛として
内に秘めるは豊かな情緒
私の不安が消えたのは
あなたのおかげ
いつも私を助けてくれる
そんなあなたが私は好き
あなたの肩にはお化けがいるね
のしかかって動きを止める
悪いお化け
でもお化けがいるのはこの時までだよ
今度は私が助ける番
私の大切な友人
自由よ戻れ
――
詩を詠い終わると、エヴァちゃんの全身、特に肩の周りに白い光が集まった。
うまくいくか、ドキドキしながら見守る。
エヴァちゃんはというと、徐々にその顔がうっとりとしてきた。
ぽわぁ~とした表情で宙を見る。
「なんか……すごい心地良いよ。お風呂に入っているみたいな温かさ……」
しばらくした後、白い光は静かに消えた。
654
お気に入りに追加
1,513
あなたにおすすめの小説
義姉でも妻になれますか? 第一王子の婚約者として育てられたのに、候補から外されました
甘い秋空
恋愛
第一王子の婚約者として育てられ、同級生の第二王子のお義姉様だったのに、候補から外されました! え? 私、今度は第二王子の義妹ちゃんになったのですか! ひと風呂浴びてスッキリしたら…… (全4巻で完結します。サービスショットがあるため、R15にさせていただきました。)
交換された花嫁
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
「お姉さんなんだから我慢なさい」
お姉さんなんだから…お姉さんなんだから…
我儘で自由奔放な妹の所為で昔からそればかり言われ続けてきた。ずっと我慢してきたが。公爵令嬢のヒロインは16歳になり婚約者が妹と共に出来きたが…まさかの展開が。
「お姉様の婚約者頂戴」
妹がヒロインの婚約者を寝取ってしまい、終いには頂戴と言う始末。両親に話すが…。
「お姉さんなのだから、交換して上げなさい」
流石に婚約者を交換するのは…不味いのでは…。
結局ヒロインは妹の要求通りに婚約者を交換した。
そしてヒロインは仕方無しに嫁いで行くが、夫である第2王子にはどうやら想い人がいるらしく…。
暗闇に輝く星は自分で幸せをつかむ
Rj
恋愛
許婚のせいで見知らぬ女の子からいきなり頬をたたかれたステラ・デュボワは、誰にでもやさしい許婚と高等学校卒業後にこのまま結婚してよいのかと考えはじめる。特待生として通うスペンサー学園で最終学年となり最後の学園生活を送る中、許婚との関係がこじれたり、思わぬ申し出をうけたりとこれまで考えていた将来とはまったく違う方向へとすすんでいく。幸せは自分でつかみます!
ステラの恋と成長の物語です。
*女性蔑視の台詞や場面があります。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
逃げて、追われて、捕まって
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で王妃として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ
2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。
**********お知らせ***********
2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。
それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。
ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。
〘完〙婚約者が溺愛してきますが、わたくし悪役令嬢かもしれません
hanakuro
恋愛
魔法の王国「プロメア」
主人公のリリスはたまに夢を見ていた。彼女はその夢の光景に、どこか見覚えのあるような気もしていた。
そしてやがて悪夢に魘されるようになる。その悪夢の主人公はリリス。彼女の夢は現実となり、悪役令嬢として振る舞ってしまうのか。はたまた溺愛してくる婚約者や友人たちの手を借り、それを回避できるのか。
彼女が可愛らしい聖獣や一癖も二癖もある魔女などいろんな生き物や友人たちに出会い、成長していくそんな物語である。
◇◇◇◇◇
自身の想像を文字にした初の長編です。
思い付きをパッと文章にしてるので、整合性が取れない部分があるかもしれません。
それも初心者故と、温かい目で読んでいただけたら嬉しいです。
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!
聖女追放 ~私が去ったあとは病で国は大変なことになっているでしょう~
白横町ねる
ファンタジー
聖女エリスは民の幸福を日々祈っていたが、ある日突然、王子から解任を告げられる。
王子の説得もままならないまま、国を追い出されてしまうエリス。
彼女は亡命のため、鞄一つで遠い隣国へ向かうのだった……。
#表紙絵は、もふ様に描いていただきました。
#エブリスタにて連載しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる