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side 和彦
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野々村さんが俺と同じようなことを考えていたということがわかり、俺の気持ちは安堵した。
ネイサンとの出会いにより、もう一つの記憶がよみがえった時にはとても不安になったものだったが、最近は、大河内さんや野々村さんに相談出来ることが心の支えみたいになっていた。
特に野々村さんはいつもけっこう暇だから、こうしてすぐにでも相談出来る。
以前は大河内さんとのことでおかしな勘違いをしてたから、呼び出すのも躊躇われたが、あれはすべて誤解だったとわかったから、そんな気遣いをすることもなくなった。
「それじゃあ、これからも放っておけば良いということなんでしょうか?
俺達が何もしなくても、二人は惹かれ合っていくと…」
「私はそうじゃないかなって思います。」
「じゃ、俺が心配することはいらないってことですかね?」
「……そうかもしれませんね。」
本当にそうだったら、どんなに良いだろう?
でも、たとえ、二人がお互いに愛し合うようになったっとしても、今のシュウはホストだ。
あの美幸にホストの嫁なんて務まるだろうか?
ふと、そんなことが頭をかすめ…俺は失笑した。
まだそんな先のことを考える必要なんてないじゃないか。
美幸とシュウの仲は、まだ始まったばかりなんだから…
「青木さん…どうかなさいましたか?」
「え?あぁ…なんでもありません。」
込み上げて来る笑いを噛み殺しながら、俺はそんな風に誤魔化した。
「ところで、今度のシュウの退院祝いですが、シュウの店からは誰が来るんでしょうね?」
「そうですね。
ジョーさんと慎二さんは多分来られると思いますが…」
「そういえば、野々村さんはジョーとけっこう気が合ってらっしゃるみたいですね。」
「えっ!?そ、そんな風に見えますか?」
俺がなにげなく言ったことに野々村さんは過剰に反応した。
「べ、別にそんな気はなかったんですが…そ、そんな風に…」
焦る野々村さんを見ていると、俺はますます笑いが込み上げ、彼女に気付かれないように、俺は肩を揺らした。
ネイサンとの出会いにより、もう一つの記憶がよみがえった時にはとても不安になったものだったが、最近は、大河内さんや野々村さんに相談出来ることが心の支えみたいになっていた。
特に野々村さんはいつもけっこう暇だから、こうしてすぐにでも相談出来る。
以前は大河内さんとのことでおかしな勘違いをしてたから、呼び出すのも躊躇われたが、あれはすべて誤解だったとわかったから、そんな気遣いをすることもなくなった。
「それじゃあ、これからも放っておけば良いということなんでしょうか?
俺達が何もしなくても、二人は惹かれ合っていくと…」
「私はそうじゃないかなって思います。」
「じゃ、俺が心配することはいらないってことですかね?」
「……そうかもしれませんね。」
本当にそうだったら、どんなに良いだろう?
でも、たとえ、二人がお互いに愛し合うようになったっとしても、今のシュウはホストだ。
あの美幸にホストの嫁なんて務まるだろうか?
ふと、そんなことが頭をかすめ…俺は失笑した。
まだそんな先のことを考える必要なんてないじゃないか。
美幸とシュウの仲は、まだ始まったばかりなんだから…
「青木さん…どうかなさいましたか?」
「え?あぁ…なんでもありません。」
込み上げて来る笑いを噛み殺しながら、俺はそんな風に誤魔化した。
「ところで、今度のシュウの退院祝いですが、シュウの店からは誰が来るんでしょうね?」
「そうですね。
ジョーさんと慎二さんは多分来られると思いますが…」
「そういえば、野々村さんはジョーとけっこう気が合ってらっしゃるみたいですね。」
「えっ!?そ、そんな風に見えますか?」
俺がなにげなく言ったことに野々村さんは過剰に反応した。
「べ、別にそんな気はなかったんですが…そ、そんな風に…」
焦る野々村さんを見ていると、俺はますます笑いが込み上げ、彼女に気付かれないように、俺は肩を揺らした。
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