赤い流れ星3

ルカ(聖夜月ルカ)

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side 和彦

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「ゆみちゃん…」

 純平は知ってる女なのか、声を掛けて立ち上がった。



 「あんた…どういうつもりなの?」

ゆみちゃんと呼ばれた女は、美幸に向かって低い声を出した。



 「ど、どういうって…あの?」

 「純平とは私の方がずっと長いの!」

 女の声はヒステリックな叫びに変わっていた。



 「え……」

 「ゆみちゃん、向こうへ行こう…」

 純平が女の腕を取ろうとしたが、女はそれを振り払い、純平の胸を突いた。



 「私…知ってるのよ。
どんな手を使ったか知らないけど…純平をたぶらかすのはやめて!」

 「え…私…そんな…」

 「許さない…!」

 女は、懐からナイフを取り出し、美幸に近付く。



 「危ない!」

 俺は立ち上がったが、俺と美幸の間には野々村さんがいる。
そのせいで一歩出遅れた…



 ……その時だった。



 「シュウ!!」



 女と美幸の間にシュウがいた。
 美幸をかばうように女に背を向けて、シュウは、苦し気に顔を歪めている。



 「シュウ…!」

 「あ…あ…あぁ……」

ゆみという女は手を赤く染め、その場に座り込んで狂ったように泣き始めた。
あちこちで、騒ぎに気付いたお客たちの悲鳴が上がる。



 「慎二…く、車を用意してくれ。」

 「は、はいっ!」

 「シュウ!大丈夫なのか!」

 「たいした…ことは、ない……」

それがシュウの強がりであることは、奴の表情や脂汗から容易にわかった。
 俺はシュウに肩を貸し、店の外に連れ出した。



 「シュウさん……!!」

 美幸は泣きながら、シュウの様子を不安気に見ていた。
 野々村さんはそんな美幸に付き添い、手を握ってくれていた。



 病院に着き、シュウは手術室に運ばれて行った。
 大変なことになった…そう思うのと同時に、俺は不思議な力が動き出したことを感じていた。

 
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