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side 美幸
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「最初はいやいやだったけど、逃げることも出来ないから僕はなんとか働いた。
そのうちに、だんだんシュウさんのこともわかって来て…
厳しいけど、いつもみんなのこと考えてるし、真面目で気を抜かない…本当にすごい人だなって思ってたんだ。
だいたい、僕のことだって、ただ死ぬのを止めただけじゃなくて、家にまで住みこませて面倒をみてくれた。
そこまでしてくれる人なんて、めったにいないよね…」
「それはそうだよね…」
「あとで知ったことなんだけど、シュウさんは両親にお金を貸してくれてたんだ。
そのおかげで工場もなんとか持ち直した。」
「そんなことまで…」
やっぱりシュウさんってすごい人なんだと思った。
純平君の言う通り、そこまで面倒を見てくれる人なんてきっと滅多にいない。
シュウさんは生半可な気持ちで純平君を助けたわけじゃないんだ。
助けたら、最後まで面倒をみる人なんだ…すごい…
「シュウさんのことがわかってからは、僕も気持ちが変わったっていうのか、少しずつ真面目になれたんだ。
真面目に働くようになると、自然と体重も減って行った。
それで、僕からホストとして働かせてもらえないかって持ち掛けた。
それは、シュウさんに借りたお金を早く返したいっていうこともあったけど、そうすることがシュウさんへの恩返しになるようにも思えたからなんだ。」
「そうだったの…」
「でも、いざ初めてみたらうまくいかないことだらけで、最初の頃は何度もやめようと思ったんだよ。
やっぱり俺には向いてないって。
でも、その度にシュウさんが励ましてくれた。
そのおかげで僕は今までホストを続けて来られたんだ。」
そう言った純平君の顔は、とても晴れやかだった。
(純平君、辛いこと、乗り越えたんだね…)
そのうちに、だんだんシュウさんのこともわかって来て…
厳しいけど、いつもみんなのこと考えてるし、真面目で気を抜かない…本当にすごい人だなって思ってたんだ。
だいたい、僕のことだって、ただ死ぬのを止めただけじゃなくて、家にまで住みこませて面倒をみてくれた。
そこまでしてくれる人なんて、めったにいないよね…」
「それはそうだよね…」
「あとで知ったことなんだけど、シュウさんは両親にお金を貸してくれてたんだ。
そのおかげで工場もなんとか持ち直した。」
「そんなことまで…」
やっぱりシュウさんってすごい人なんだと思った。
純平君の言う通り、そこまで面倒を見てくれる人なんてきっと滅多にいない。
シュウさんは生半可な気持ちで純平君を助けたわけじゃないんだ。
助けたら、最後まで面倒をみる人なんだ…すごい…
「シュウさんのことがわかってからは、僕も気持ちが変わったっていうのか、少しずつ真面目になれたんだ。
真面目に働くようになると、自然と体重も減って行った。
それで、僕からホストとして働かせてもらえないかって持ち掛けた。
それは、シュウさんに借りたお金を早く返したいっていうこともあったけど、そうすることがシュウさんへの恩返しになるようにも思えたからなんだ。」
「そうだったの…」
「でも、いざ初めてみたらうまくいかないことだらけで、最初の頃は何度もやめようと思ったんだよ。
やっぱり俺には向いてないって。
でも、その度にシュウさんが励ましてくれた。
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