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side 和彦
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「ジョーです。よろしくお願いします。」
「僕は慎二ていいます。
どうぞよろしゅうに。」
俺は、シュウの隣に腰かけた。
「すごいですね。
まだお若いのに、こんな店を持たれるなんて。」
「これも周りのみんなの協力があったからですよ。」
「シュウさんは、どうしてホストの道に?」
「あぁ…自分でも意外でしたよ。
ホストなんて、女に媚びを売って成り立つ商売だと思ってましたからね。
でも、ある人との出会いで、その考えも変わりました?」
「……ある人?」
「ええ、俺の人生の師匠とも言うべき人です。
あの人と出会わなかったら、多分、今の俺はありませんね。」
シュウはそう言って穏やかに笑った。
そう…こんな笑い方だった。
身に付けているものは違っても、俺の知ってるシュウと、微笑みは少しも変わっていない。
「皆さん、今夜はぱーっといきまひょな。
まずは乾杯や。」
「じゃ、ネイサンとの再会を祝しての乾杯にしようよ。
このネイサンは、昨日イギリスから着いたばかりなんだ。」
「アッシュ、それは昨夜もやっただろう?」
「何度だって良いじゃない!」
「ほな、ネイサンさんとの再会を…俺達は初めての出会いを祝して…かんぱーーい!」
皆のグラスが高く掲げられ、繊細な音を立ててぶつかった。
その後は、カラオケ大会となった。
本当はシュウともっと話をしたかったのだけど、店でプライベートな話を…しかも、初めて来た日に…っていうのはあまりにも不自然だ。
シュウの元気な顔も見られたことだし、今日はもう適当に騒ぐことにした。
シュウとカラオケをデュエットした。
速いリズムの激しいロックだ。
なぜだか、歌いながら、昔、二人で旅行した時のことを思い出していた。
あの頃のシュウは、まだずいぶんと緊張してて、俺のことも恐れてたみたいだけど、あの旅行のおかげで俺達はわかり合うことが出来たんだ。
(シュウ…本当におまえなんだな…)
「僕は慎二ていいます。
どうぞよろしゅうに。」
俺は、シュウの隣に腰かけた。
「すごいですね。
まだお若いのに、こんな店を持たれるなんて。」
「これも周りのみんなの協力があったからですよ。」
「シュウさんは、どうしてホストの道に?」
「あぁ…自分でも意外でしたよ。
ホストなんて、女に媚びを売って成り立つ商売だと思ってましたからね。
でも、ある人との出会いで、その考えも変わりました?」
「……ある人?」
「ええ、俺の人生の師匠とも言うべき人です。
あの人と出会わなかったら、多分、今の俺はありませんね。」
シュウはそう言って穏やかに笑った。
そう…こんな笑い方だった。
身に付けているものは違っても、俺の知ってるシュウと、微笑みは少しも変わっていない。
「皆さん、今夜はぱーっといきまひょな。
まずは乾杯や。」
「じゃ、ネイサンとの再会を祝しての乾杯にしようよ。
このネイサンは、昨日イギリスから着いたばかりなんだ。」
「アッシュ、それは昨夜もやっただろう?」
「何度だって良いじゃない!」
「ほな、ネイサンさんとの再会を…俺達は初めての出会いを祝して…かんぱーーい!」
皆のグラスが高く掲げられ、繊細な音を立ててぶつかった。
その後は、カラオケ大会となった。
本当はシュウともっと話をしたかったのだけど、店でプライベートな話を…しかも、初めて来た日に…っていうのはあまりにも不自然だ。
シュウの元気な顔も見られたことだし、今日はもう適当に騒ぐことにした。
シュウとカラオケをデュエットした。
速いリズムの激しいロックだ。
なぜだか、歌いながら、昔、二人で旅行した時のことを思い出していた。
あの頃のシュウは、まだずいぶんと緊張してて、俺のことも恐れてたみたいだけど、あの旅行のおかげで俺達はわかり合うことが出来たんだ。
(シュウ…本当におまえなんだな…)
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