赤い流れ星3

ルカ(聖夜月ルカ)

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side シュウ

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酷く気になったが、今、真っ向から質問した所で、大河内の爺さんがまともに返事をしてくれるとは思えない。
きっと、あの指輪には何らかの秘密があり、爺さんはその内容を知っている。
 不思議なことだが、ひかりはそのことに気付いていない……いや、それすらも演技なのか?
 様々な疑問が頭の中をかけめぐる。



 (あ……)



 美咲さんもだ!
 美咲さんが大河内の爺さんを見て、同じように瞳を潤ませている……
つまりは、美咲さんも指輪のことを知ってるってこと……



「……それ、ペンダントとお揃いやんなぁ?
なんていう宝石なん?」

 唐突に慎二がひかりにそんな質問を投げかけた。



 「え…?あ、あぁ、これは確かモルガナイトっていうパワーストーンで……」

 「パワーストーン?
っていうことは、この石は願い事を叶えてくれる石なんやな?
それで、何なん?
この石のパワーって…」

 「え…っと。
お店のお姉さんは…その…恋愛運が上がるとかなんとかって……」

 「恋愛運アップ?
あぁ、そういえば、この石…ローズクォーツとかいうのに似てんなぁ…
 ……それで、どうなん?
 恋愛運はようなった?」

 「え…、そ、それは……」



ひかりはまた頬を赤く染め、俯いてもじもじとした仕草を始めた。



 「ようなったんやな!
ご利益あったんや!?
 良かったやんか。
あ、でも…それって、ひかりちゃんには彼氏がおるってことなんやな?
あかんやん!そしたら、俺のこと振り向いてもらわれへんがな!」

 「ち、違います!
わ、私…彼氏なんていません!」



ひかりのその言葉に、俺の口角は意地悪く上がった。
よくもぬけぬけとそんな大嘘が吐けたもんだ。
それにしても、こいつは本当に演技派だ。
 目の前のひかりの様子を見たら、ホストだってころっとだまされてしまうだろう。
それほど、純情で初心に見えるひかりに、俺はいらいらとするものを感じた。



 「本当かなぁ?
このペンダントや指輪だって、本当は男からもらったもんじゃないの?」

 俺は思わずそんな意地悪なことを口走っていた。



 「えっ!
こ、この指輪は、多分、母さんが……
そ、それに、ペンダントは……」

 「こ、これはひかりさんのお兄さんが買って下さったんです。
 私もおそろいで石の違う物をいただきました。」



 困った様子のひかりに、美咲さんが助け船を出した。
 兄か…よくある言い訳だ。
 確かに、美咲さんはひかりのと同じデザインのペンダントを付けてはいたが、兄が妹の友達に同じようなものをプレゼントなんてするだろうか?
それに、あの男とひかりは少しも似ていない。
おそらく、ひかりの窮地を救うために吐いた美咲さんの咄嗟の嘘だろう。

 
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