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side 美幸
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「きゃー!素敵!
シュウったら、歌もうまいなんて反則ーー!」
ちょっとお酒がまわって来た頃、カラオケタイムがやって来た。
タカミーさんは歌が苦手だとかで、ちょっと昔の歌謡曲をシュウさんに歌ってってリクエストして、シュウさんは躊躇なくそれを歌ってくれたんだけど、確かにうまい!
元々、響きのある低い声だから、本当にまるで歌手みたい。
この間は歌わなかったから、歌が苦手なのかと思いきや……
あ、そうじゃない。
あの時は、兄さんの元恋人の派手な人が乱入して……そうだ。
だから、シュウさんは歌う機会がなかったんだ。
それにしても、容姿端麗でしかも歌もうまいなんて、それこそ、反則だ!
「じゃあ、次は僕達が歌おうか?」
「え?う、うん。」
あんなうまいシュウさんお後に歌うのは、ちょっと気が引けるけど……
ま、そんなこと気にしてたら楽しめない。
うん、歌おう!
何を歌うかも聞かずに、純平君が入れた曲は、イントロだけで懐かしの「森の道標」だとわかった。
この間、電話で話した時に約束したあの曲だ。
(純平君…ちゃんと覚えててくれたんだ。)
ってことは、やっぱりあれはただの営業の電話じゃなかったってこと?
それとも、そういう所もきっちりチェックしてこその営業だってことなのか?
だって、純平君はホストなんだもん。
やっぱり、普通の職業とは違う。
シュウさんはお客に誠実に対応するようなことを言ってたけど、でも、だからって言って本気になれる相手じゃないよね。
(私にだって、そのくらいのことはわかってるんだから……)
少し切ない想いを感じながらも、私は純平君と森の道標を歌った。
……なんだろう?息が合うっていうのかな?
純平君とはとても歌いやすい。
歌っているうちに、大好きなこのアニメの名シーンが次々と思い出されて、本当に楽しい気分になって来る。
DVDが出たら、絶対買おう!
私はいつの間にかノリノリになっていて、歌い終わってからもらった皆の拍手や歓声が最高に気持ち良い……!
純平君もそれは同じだったらしくって、私達は顔を見合せて微笑んだ。
「きゃー!素敵!
シュウったら、歌もうまいなんて反則ーー!」
ちょっとお酒がまわって来た頃、カラオケタイムがやって来た。
タカミーさんは歌が苦手だとかで、ちょっと昔の歌謡曲をシュウさんに歌ってってリクエストして、シュウさんは躊躇なくそれを歌ってくれたんだけど、確かにうまい!
元々、響きのある低い声だから、本当にまるで歌手みたい。
この間は歌わなかったから、歌が苦手なのかと思いきや……
あ、そうじゃない。
あの時は、兄さんの元恋人の派手な人が乱入して……そうだ。
だから、シュウさんは歌う機会がなかったんだ。
それにしても、容姿端麗でしかも歌もうまいなんて、それこそ、反則だ!
「じゃあ、次は僕達が歌おうか?」
「え?う、うん。」
あんなうまいシュウさんお後に歌うのは、ちょっと気が引けるけど……
ま、そんなこと気にしてたら楽しめない。
うん、歌おう!
何を歌うかも聞かずに、純平君が入れた曲は、イントロだけで懐かしの「森の道標」だとわかった。
この間、電話で話した時に約束したあの曲だ。
(純平君…ちゃんと覚えててくれたんだ。)
ってことは、やっぱりあれはただの営業の電話じゃなかったってこと?
それとも、そういう所もきっちりチェックしてこその営業だってことなのか?
だって、純平君はホストなんだもん。
やっぱり、普通の職業とは違う。
シュウさんはお客に誠実に対応するようなことを言ってたけど、でも、だからって言って本気になれる相手じゃないよね。
(私にだって、そのくらいのことはわかってるんだから……)
少し切ない想いを感じながらも、私は純平君と森の道標を歌った。
……なんだろう?息が合うっていうのかな?
純平君とはとても歌いやすい。
歌っているうちに、大好きなこのアニメの名シーンが次々と思い出されて、本当に楽しい気分になって来る。
DVDが出たら、絶対買おう!
私はいつの間にかノリノリになっていて、歌い終わってからもらった皆の拍手や歓声が最高に気持ち良い……!
純平君もそれは同じだったらしくって、私達は顔を見合せて微笑んだ。
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