177 / 761
side 和彦
6
しおりを挟む
「カズはここでいつも暮らしてるのね。
……あーーーーっ!」
夢見るような瞳であたりを見渡した高見沢大輔が、急に大きな声を上げた。
何事かと思っていると、高見沢大輔は野々村さんを目指してまっすぐに歩き出した。
「野々村さんじゃないの!
どうしたの!?
今日はこの前よりずっとマシじゃない!」
「あ、せ、先日はどうもありがとうございました!
タカミーさんに髪を素敵にしてもらったから、あんな服装じゃだめだって思って、美幸さんと服を買いに行って……」
高見沢大輔の顔がそう話す野々村さんにどんどん近付いていく。
「でも、メイクが昭和のメイクだわ。
……ねぇ、鏡はどこ?」
「え?あ、洗面台で良い?」
「どこ?」
アッシュが案内しようとすると、高見沢大輔は自分のバッグを片手にそしてもう片方の手で野々村さんの腕を掴んでその後に続いた。
「……すごいや。
さすがは美のカリスマだね。
他人のメイクも見過ごせないんだ。」
「でも、野々村さん…あんなに綺麗にお化粧してたのに……」
「きっと、プロから見たら、あれじゃあいかんのじゃろう。
……それにしても、タカミーの奴、一体どうしたんじゃ?
和彦さんに抱きついとったじゃないか。」
「KEN-G、知らないの~?
タカミーはね…」
「マイケル!!」
俺は大きな声を出して、マイケルを睨み付けた。
マイケルはそれに対して小さく肩をすくめ、苦笑した。
「何?何かあるの?」
「何もない。
そんなことより、美幸。
全員揃ったんだし、飲み物でも出したらどうだ?」
「うん、そうだね……あれっ?
そういえば、兄さんの彼女が来るんじゃないの?」
「……それなら、仕事で来られなくなった。
それに……彼女じゃないぞ。
……ただの友達だ。」
「そうなの?」
なぜ、そんなことを言ってしまったのかわからなかった。
大河内さんや高見沢大輔の手前、アンリには彼女のふりをさせようと思っていたのに、なぜそんなことを口走ってしまったのか……
(俺……どうなってるんだ!?)
……あーーーーっ!」
夢見るような瞳であたりを見渡した高見沢大輔が、急に大きな声を上げた。
何事かと思っていると、高見沢大輔は野々村さんを目指してまっすぐに歩き出した。
「野々村さんじゃないの!
どうしたの!?
今日はこの前よりずっとマシじゃない!」
「あ、せ、先日はどうもありがとうございました!
タカミーさんに髪を素敵にしてもらったから、あんな服装じゃだめだって思って、美幸さんと服を買いに行って……」
高見沢大輔の顔がそう話す野々村さんにどんどん近付いていく。
「でも、メイクが昭和のメイクだわ。
……ねぇ、鏡はどこ?」
「え?あ、洗面台で良い?」
「どこ?」
アッシュが案内しようとすると、高見沢大輔は自分のバッグを片手にそしてもう片方の手で野々村さんの腕を掴んでその後に続いた。
「……すごいや。
さすがは美のカリスマだね。
他人のメイクも見過ごせないんだ。」
「でも、野々村さん…あんなに綺麗にお化粧してたのに……」
「きっと、プロから見たら、あれじゃあいかんのじゃろう。
……それにしても、タカミーの奴、一体どうしたんじゃ?
和彦さんに抱きついとったじゃないか。」
「KEN-G、知らないの~?
タカミーはね…」
「マイケル!!」
俺は大きな声を出して、マイケルを睨み付けた。
マイケルはそれに対して小さく肩をすくめ、苦笑した。
「何?何かあるの?」
「何もない。
そんなことより、美幸。
全員揃ったんだし、飲み物でも出したらどうだ?」
「うん、そうだね……あれっ?
そういえば、兄さんの彼女が来るんじゃないの?」
「……それなら、仕事で来られなくなった。
それに……彼女じゃないぞ。
……ただの友達だ。」
「そうなの?」
なぜ、そんなことを言ってしまったのかわからなかった。
大河内さんや高見沢大輔の手前、アンリには彼女のふりをさせようと思っていたのに、なぜそんなことを口走ってしまったのか……
(俺……どうなってるんだ!?)
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
公国の後継者として有望視されていたが無能者と烙印を押され、追放されたが、とんでもない隠れスキルで成り上がっていく。公国に戻る?いやだね!
秋田ノ介
ファンタジー
主人公のロスティは公国家の次男として生まれ、品行方正、学問や剣術が優秀で、非の打ち所がなく、後継者となることを有望視されていた。
『スキル無し』……それによりロスティは無能者としての烙印を押され、後継者どころか公国から追放されることとなった。ロスティはなんとかなけなしの金でスキルを買うのだが、ゴミスキルと呼ばれるものだった。何の役にも立たないスキルだったが、ロスティのとんでもない隠れスキルでゴミスキルが成長し、レアスキル級に大化けしてしまう。
ロスティは次々とスキルを替えては成長させ、より凄いスキルを手にしていき、徐々に成り上がっていく。一方、ロスティを追放した公国は衰退を始めた。成り上がったロスティを呼び戻そうとするが……絶対にお断りだ!!!!
小説家になろうにも掲載しています。
Gift
ルカ(聖夜月ルカ)
ファンタジー
リクエストやら記念に書いたSS集です。
すべて、数ページ程の短編ですが、続き物になっているお話もあります。
私や他のクリエイター様のオリキャラを使ったものや、私のお話の番外編もあります。
妹が真の聖女だったので、偽りの聖女である私は追放されました。でも、聖女の役目はものすごく退屈だったので、最高に嬉しいです【完結】
小平ニコ
ファンタジー
「お姉様、よくも私から夢を奪ってくれたわね。絶対に許さない」
私の妹――シャノーラはそう言うと、計略を巡らし、私から聖女の座を奪った。……でも、私は最高に良い気分だった。だって私、もともと聖女なんかになりたくなかったから。
退職金を貰い、大喜びで国を出た私は、『真の聖女』として国を守る立場になったシャノーラのことを思った。……あの子、聖女になって、一日の休みもなく国を守るのがどれだけ大変なことか、ちゃんと分かってるのかしら?
案の定、シャノーラはよく理解していなかった。
聖女として役目を果たしていくのが、とてつもなく困難な道であることを……
プラス的 異世界の過ごし方
seo
ファンタジー
日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。
呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。
乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。
#不定期更新 #物語の進み具合のんびり
#カクヨムさんでも掲載しています
聖人様は自重せずに人生を楽しみます!
紫南
ファンタジー
前世で多くの国々の王さえも頼りにし、慕われていた教皇だったキリアルートは、神として迎えられる前に、人としての最後の人生を与えられて転生した。
人生を楽しむためにも、少しでも楽に、その力を発揮するためにもと生まれる場所を神が選んだはずだったのだが、早々に送られたのは問題の絶えない辺境の地だった。これは神にも予想できなかったようだ。
そこで前世からの性か、周りが直面する問題を解決していく。
助けてくれるのは、情報通で特異技能を持つ霊達や従魔達だ。キリアルートの役に立とうと時に暴走する彼らに振り回されながらも楽しんだり、当たり前のように前世からの能力を使うキリアルートに、お供達が『ちょっと待て』と言いながら、世界を見聞する。
裏方として人々を支える生き方をしてきた聖人様は、今生では人々の先頭に立って駆け抜けて行く!
『好きに生きろと言われたからには目一杯今生を楽しみます!』
ちょっと腹黒なところもある元聖人様が、お供達と好き勝手にやって、周りを驚かせながらも世界を席巻していきます!
異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手させてもらいます!
明衣令央
ファンタジー
糸井織絵は、ある日、オブルリヒト王国が行った聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界ルリアルークへと飛ばされてしまう。
一緒に召喚された、若く美しい女が聖女――織絵は召喚の儀に巻き込まれた年増の豚女として不遇な扱いを受けたが、元スマホケースのハリネズミのぬいぐるみであるサーチートと共に、オブルリヒト王女ユリアナに保護され、聖女の力を開花させる。
だが、オブルリヒト王国の王子ジュニアスは、追い出した織絵にも聖女の可能性があるとして、織絵を連れ戻しに来た。
そして、異世界転移状態から正式に異世界転生した織絵は、若く美しい姿へと生まれ変わる。
この物語は、聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界転移後、新たに転生した一人の元おばさんの聖女が、相棒の元スマホケースのハリネズミと楽しく無双していく、恋と冒険の物語。
2022.9.7 話が少し進みましたので、内容紹介を変更しました。その都度変更していきます。
異世界着ぐるみ転生
こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生
どこにでもいる、普通のOLだった。
会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。
ある日気が付くと、森の中だった。
誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ!
自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。
幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り!
冒険者?そんな怖い事はしません!
目指せ、自給自足!
*小説家になろう様でも掲載中です
元邪神って本当ですか!? 万能ギルド職員の業務日誌
紫南
ファンタジー
十二才の少年コウヤは、前世では病弱な少年だった。
それは、その更に前の生で邪神として倒されたからだ。
今世、その世界に再転生した彼は、元家族である神々に可愛がられ高い能力を持って人として生活している。
コウヤの現職は冒険者ギルドの職員。
日々仕事を押し付けられ、それらをこなしていくが……?
◆◆◆
「だって武器がペーパーナイフってなに!? あれは普通切れないよ!? 何切るものかわかってるよね!?」
「紙でしょ? ペーパーって言うし」
「そうだね。正解!」
◆◆◆
神としての力は健在。
ちょっと天然でお人好し。
自重知らずの少年が今日も元気にお仕事中!
◆気まぐれ投稿になります。
お暇潰しにどうぞ♪
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる