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side 野々村美咲
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「美幸さん、これなんてどうですか?」
「え……ちょっと派手過ぎない?」
「そんなことありませんよ。
一度、着てみられたらいかがですか?」
「そ、そう…?」
結局、私達はおしゃれなファッションビルを出て、近くの違うビルに入った。
そこは、それほど敷居が高くないっていうのか、いかにもおしゃれな店員さんもいないし、店に並んでいるものもそれほどファッショナブルじゃないから安心して入れる。
私が美幸さんにおすすめしたのは、淡いピンクのチュニック丈の…ワンピース?
裾と襟元と袖口に小花の刺繍がしてある。
なんていうものなのかも、おしゃれに疎い私にはわからないけど、色が美幸さんに似合うんじゃないかって思った。
マネキンが着ているように、レギンスと組み合わせたら良いんじゃないかしら?
「……どうかな?」
「あぁ……良いですね。」
やっぱり、その色は顔映りがとても良かった。
「美幸さん、そのズボンはやめて、あのマネキンみたいにレギンスにしませんか?」
「ええーー…私、足が太いのにあんなのはいたら余計に太いのが目立っちゃうよ。」
「そうですか…?
じゃあ、パンツにしましょうか?」
レギンスはいやだとおっしゃるから、結局、黒のやや細身のパンツにして、次は私のものを探すことになった。
「野々村さん、これはどう?」
「む、無理ですって!
そんなの私には可愛過ぎます!」
「じゃ、こっちは?」
「そ、そんな明るい色……
こ、これなんかどうでしょう?」
私が紺色の上着を見せると、美幸さんはちょっと怒ったような顔で私をみつめられた。
「野々村さん、私だってあんな可愛いピンクを選んだんだよ。
髪型も変わって、今度から眼鏡もやめて、野々村さんもイメチェンするんだから、そんないつもと同じような地味なのはだめ!
あ……そうだ?
良かったら、私と御揃いにしない?」
「美幸さん!
私とあなたではいくつ違うと思ってるんですか。
おそろいなんて、絶対無理です!」
「じゃあ、おそろいじゃなくて良いけど、野々村さんもピンクにするよ!
そこは譲らないよ!」
美幸さんはそう言いって、早速、ピンクの服の所へ向かって歩き出された。
「美幸さん、これなんてどうですか?」
「え……ちょっと派手過ぎない?」
「そんなことありませんよ。
一度、着てみられたらいかがですか?」
「そ、そう…?」
結局、私達はおしゃれなファッションビルを出て、近くの違うビルに入った。
そこは、それほど敷居が高くないっていうのか、いかにもおしゃれな店員さんもいないし、店に並んでいるものもそれほどファッショナブルじゃないから安心して入れる。
私が美幸さんにおすすめしたのは、淡いピンクのチュニック丈の…ワンピース?
裾と襟元と袖口に小花の刺繍がしてある。
なんていうものなのかも、おしゃれに疎い私にはわからないけど、色が美幸さんに似合うんじゃないかって思った。
マネキンが着ているように、レギンスと組み合わせたら良いんじゃないかしら?
「……どうかな?」
「あぁ……良いですね。」
やっぱり、その色は顔映りがとても良かった。
「美幸さん、そのズボンはやめて、あのマネキンみたいにレギンスにしませんか?」
「ええーー…私、足が太いのにあんなのはいたら余計に太いのが目立っちゃうよ。」
「そうですか…?
じゃあ、パンツにしましょうか?」
レギンスはいやだとおっしゃるから、結局、黒のやや細身のパンツにして、次は私のものを探すことになった。
「野々村さん、これはどう?」
「む、無理ですって!
そんなの私には可愛過ぎます!」
「じゃ、こっちは?」
「そ、そんな明るい色……
こ、これなんかどうでしょう?」
私が紺色の上着を見せると、美幸さんはちょっと怒ったような顔で私をみつめられた。
「野々村さん、私だってあんな可愛いピンクを選んだんだよ。
髪型も変わって、今度から眼鏡もやめて、野々村さんもイメチェンするんだから、そんないつもと同じような地味なのはだめ!
あ……そうだ?
良かったら、私と御揃いにしない?」
「美幸さん!
私とあなたではいくつ違うと思ってるんですか。
おそろいなんて、絶対無理です!」
「じゃあ、おそろいじゃなくて良いけど、野々村さんもピンクにするよ!
そこは譲らないよ!」
美幸さんはそう言いって、早速、ピンクの服の所へ向かって歩き出された。
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