赤い流れ星3

ルカ(聖夜月ルカ)

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side 美幸

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「ねぇ、美幸さん。
それで、シュウさんは、小説の中ではどんな人なんですか?」

 「え……そ、それは……」

 「わしもぜひ聞きたいのう。
 一体、どんなストーリーなんじゃ?」



 小説のことを聞かれるのが、一番恥ずかしい。
だって、文章も内容もそりゃあもう酷いもんだから。
 HPで公開したのは、ファンタジーっぽいもので恋愛要素もまるでなかったから、まぁつまらないのは変わらないけど、それほどの恥ずかしさはないものの…
恋愛小説はやっぱり恥ずかしいよ。
これといった恋愛経験もなく、こんな年になってもお化粧やおしゃれもしない私が、たまたまのぞいた携帯小説の恋愛ものについハマり…
自分で書いたりしたのがそもそもの間違いだ。
 怖い物知らずにも程がある!
しかも、私の理想像の主人公と恋をするのが私自身って……痛過ぎるよね。
 自分でもなんか怖いよ…



「美幸さん……?」

 「え?……えっと…あの…シュウは、ちょっと俺様気質なイケメンでね…当然、モテるから、女の子をとっかえひっかえするようなすっごい遊び人なんだ。」

と、そんなことを話してるうちに、私の脳裏にいやな記憶が浮かび上がった。



 「そういえば、野々村さん…
昨夜の亜理紗さんって、兄さんの……あの人だよね?」

 「え……えぇ……そうです。」

 「なんか前より一段と派手になったような感じだよね。
ねぇ、野々村さん、亜理紗さんと会ったことがあるの?」

 「えぇ……実は青木さんとお仕事の打ち合わせをして帰る時に一度だけ…」

 野々村さんは話しにくそうに小さな声でそう答えた。
やっぱり、野々村さんもあの人のことは嫌いなんだろうな。



 「ずいぶんと失礼なおなごじゃったのう。
 勝手に部屋には入って来るわ、おまえさんのことをおばさん呼ばわりして…」

 「いえ、私は本当におばさんだから、そんなことは良いんです。」

そうだった。
 亜理紗さんは野々村さんのことを、「おばさん」と呼んでいた。
そりゃあ、自分は若くて綺麗かもしれないけど、だからってあんな失礼な呼び方をして良いってことにはならない。
 兄さんもなんでまたあんな女と……あ、シュウさんもか……
本当にもう……二人共、見る目がなさ過ぎるよ……
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