48 / 761
side 美幸
6
しおりを挟む
(あ……!)
困り果てた私の頭に、突如ひらめいたグッドアイディア!
「それに、大河内のおじいさんにも…!」
「……大河内さんだって?」
我ながら、とても良い答えだ。
おじいさんならこの前お世話になったっていう理由があるから不自然なことはないし、その上、それを渡すって名目で野々村さんとおじいさんを会わせることだって出来る!
私って…もしかして、天才ですか!?
心の中で浮かれる私とは裏腹に、なぜだか、兄さんの眉間には深い皺が刻まれた。
「おまえなぁ…こんな所の土産なんか買っても、大河内さんが喜ぶはずないだろ。」
「そんなことないよ~
あのおじいさんならきっと喜んでくれるよ。
ね!野々村さんもそう思うよね?
あ、そうだ…私だけじゃ渡すの恥ずかしいから、野々村さんもおじいさんにお土産買ってよ。」
「え……?あ……そ…そうですね!
たいしたことは出来ませんが、お土産……ええ、良いですね!買いましょう!」
「う…うん!」
ちょっとびっくりする程、野々村さんの態度は一転した。
野々村さん…そんなにおじいさんのことを…!?
わかりやす過ぎるよ…
私みたいな恋愛経験のひとつもない鈍感な女にも、野々村さんが恋してることがわかるよ。
だって、おじいさんにお土産を買うってだけで、さっきまでの顔と全然違うんだもん。
*
「きっと気に入ってくれると思うよ。」
私はおじいさんにキャラクターの絵柄の可愛い缶に入ったクッキーを買って、野々村さんはぬいぐるみを買った。
アッシュさんも便乗してふかふかの耳付きの帽子を買って、選ぶ時から三人でけっこう盛りあがったんだけど、兄さんだけが浮かない顔で…
大河内さんは大金持ちなんだからそんなつまらないものは喜ばないとかなんとかしつこくぶつぶつ言って…
そんなこと、私だってわかってるよ。
喜んでくれなくたって構わない。
私は、野々村さんの恋を応援したいだけなんだから!
でも、そんな事言ったら、おまえは他人のことより自分の心配をしろって怒られるに決まってる。
だから、兄さんには言えない…
野々村さんのことは、これからもこっそり応援することにしようと、私は心の中で誓った。
困り果てた私の頭に、突如ひらめいたグッドアイディア!
「それに、大河内のおじいさんにも…!」
「……大河内さんだって?」
我ながら、とても良い答えだ。
おじいさんならこの前お世話になったっていう理由があるから不自然なことはないし、その上、それを渡すって名目で野々村さんとおじいさんを会わせることだって出来る!
私って…もしかして、天才ですか!?
心の中で浮かれる私とは裏腹に、なぜだか、兄さんの眉間には深い皺が刻まれた。
「おまえなぁ…こんな所の土産なんか買っても、大河内さんが喜ぶはずないだろ。」
「そんなことないよ~
あのおじいさんならきっと喜んでくれるよ。
ね!野々村さんもそう思うよね?
あ、そうだ…私だけじゃ渡すの恥ずかしいから、野々村さんもおじいさんにお土産買ってよ。」
「え……?あ……そ…そうですね!
たいしたことは出来ませんが、お土産……ええ、良いですね!買いましょう!」
「う…うん!」
ちょっとびっくりする程、野々村さんの態度は一転した。
野々村さん…そんなにおじいさんのことを…!?
わかりやす過ぎるよ…
私みたいな恋愛経験のひとつもない鈍感な女にも、野々村さんが恋してることがわかるよ。
だって、おじいさんにお土産を買うってだけで、さっきまでの顔と全然違うんだもん。
*
「きっと気に入ってくれると思うよ。」
私はおじいさんにキャラクターの絵柄の可愛い缶に入ったクッキーを買って、野々村さんはぬいぐるみを買った。
アッシュさんも便乗してふかふかの耳付きの帽子を買って、選ぶ時から三人でけっこう盛りあがったんだけど、兄さんだけが浮かない顔で…
大河内さんは大金持ちなんだからそんなつまらないものは喜ばないとかなんとかしつこくぶつぶつ言って…
そんなこと、私だってわかってるよ。
喜んでくれなくたって構わない。
私は、野々村さんの恋を応援したいだけなんだから!
でも、そんな事言ったら、おまえは他人のことより自分の心配をしろって怒られるに決まってる。
だから、兄さんには言えない…
野々村さんのことは、これからもこっそり応援することにしようと、私は心の中で誓った。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
【 完 結 】スキル無しで婚約破棄されたけれど、実は特殊スキル持ちですから!
しずもり
ファンタジー
この国オーガスタの国民は6歳になると女神様からスキルを授かる。
けれど、第一王子レオンハルト殿下の婚約者であるマリエッタ・ルーデンブルグ公爵令嬢は『スキル無し』判定を受けたと言われ、第一王子の婚約者という妬みや僻みもあり嘲笑されている。
そしてある理由で第一王子から蔑ろにされている事も令嬢たちから見下される原因にもなっていた。
そして王家主催の夜会で事は起こった。
第一王子が『スキル無し』を理由に婚約破棄を婚約者に言い渡したのだ。
そして彼は8歳の頃に出会い、学園で再会したという初恋の人ルナティアと婚約するのだと宣言した。
しかし『スキル無し』の筈のマリエッタは本当はスキル持ちであり、実は彼女のスキルは、、、、。
全12話
ご都合主義のゆるゆる設定です。
言葉遣いや言葉は現代風の部分もあります。
登場人物へのざまぁはほぼ無いです。
魔法、スキルの内容については独自設定になっています。
誤字脱字、言葉間違いなどあると思います。見つかり次第、修正していますがご容赦下さいませ。
【本編完結】転生令嬢は自覚なしに無双する
ベル
ファンタジー
ふと目を開けると、私は7歳くらいの女の子の姿になっていた。
きらびやかな装飾が施された部屋に、ふかふかのベット。忠実な使用人に溺愛する両親と兄。
私は戸惑いながら鏡に映る顔に驚愕することになる。
この顔って、マルスティア伯爵令嬢の幼少期じゃない?
私さっきまで確か映画館にいたはずなんだけど、どうして見ていた映画の中の脇役になってしまっているの?!
映画化された漫画の物語の中に転生してしまった女の子が、実はとてつもない魔力を隠し持った裏ボスキャラであることを自覚しないまま、どんどん怪物を倒して無双していくお話。
設定はゆるいです
病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
おばさん、異世界転生して無双する(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆オラオラオラオラ
Crosis
ファンタジー
新たな世界で新たな人生を_(:3 」∠)_
【残酷な描写タグ等は一応保険の為です】
後悔ばかりの人生だった高柳美里(40歳)は、ある日突然唯一の趣味と言って良いVRMMOのゲームデータを引き継いだ状態で異世界へと転移する。
目の前には心血とお金と時間を捧げて作り育てたCPUキャラクター達。
そして若返った自分の身体。
美男美女、様々な種族の|子供達《CPUキャラクター》とアイテムに天空城。
これでワクワクしない方が嘘である。
そして転移した世界が異世界であると気付いた高柳美里は今度こそ後悔しない人生を謳歌すると決意するのであった。
神様!モフモフに囲まれることを希望しましたが自分がモフモフになるなんて聞いてません
縁 遊
ファンタジー
異世界転生する時に神様に希望はないかと聞かれたので『モフモフに囲まれて暮らしたい』と言いましたけど…。
まさかこんなことになるなんて…。
神様…解釈の違いだと思うのでやり直しを希望します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる