36 / 761
side 美幸
8
しおりを挟む
*
「美幸ちゃん、どうかしたの?
最近、なんだか元気ないね…」
「え…?そ、そんなことないですよ~!」
「確かにぼーっとしてることは多いが、食べる物は食べてるから心配はないだろう。」
兄さん…最近、あなた、どうも機嫌が悪いようですけど、八つあたりはやめて下さいよ!
……と、心の中でブチ切れながらも、私は気にしていないふりを決めこんだ。
あの日の野々村さんのメールの事が、今でも頭から離れない。
誰にも逆らえない人間だったって、一体どういうことだろう?
何か、過去に誰にも言えないようなことがあったんだろうか?って気になるし、本当なら楽しくて仕方ないはずの恋愛がいやな記憶ばかりだなんて気の毒過ぎる。
だからこそ、やっと心から好きだと思えた運命のおじいさんとうまくいってほしいと思うけど、その方法が思いつかない。
多分、一般的には服装やら髪型を変えて、綺麗になって、おじいさんの気持ちをゲット…みたいな事なんだろうな。
野々村さんは身長も高いしスマートだから、髪型や服装を変えれば、けっこう綺麗になれそうな気はするけど、センスの欠片もない私にそんなアドバイスが出来るわけないし、だいたい、突然、服装や髪型を変えた方が良いなんて言い出せる筈がない。
それじゃあまるで、野々村さんがださいって言ってるようなものだもの。
それも、私みたいに普段からお化粧もしない、ジャージばっかり着てる女に言われたら、絶対に気分を悪くされるよねぇ。
(あぁ~…どうすれば良いんだ~!)
そんなことばかり考えてるから、ついついぼーっとして見えるんだと思う。
ぼーっとはしてても、料理は口に運んでるあたりが我ながらすごいと思うけど…
「美幸ちゃん、どうかしたの?
最近、なんだか元気ないね…」
「え…?そ、そんなことないですよ~!」
「確かにぼーっとしてることは多いが、食べる物は食べてるから心配はないだろう。」
兄さん…最近、あなた、どうも機嫌が悪いようですけど、八つあたりはやめて下さいよ!
……と、心の中でブチ切れながらも、私は気にしていないふりを決めこんだ。
あの日の野々村さんのメールの事が、今でも頭から離れない。
誰にも逆らえない人間だったって、一体どういうことだろう?
何か、過去に誰にも言えないようなことがあったんだろうか?って気になるし、本当なら楽しくて仕方ないはずの恋愛がいやな記憶ばかりだなんて気の毒過ぎる。
だからこそ、やっと心から好きだと思えた運命のおじいさんとうまくいってほしいと思うけど、その方法が思いつかない。
多分、一般的には服装やら髪型を変えて、綺麗になって、おじいさんの気持ちをゲット…みたいな事なんだろうな。
野々村さんは身長も高いしスマートだから、髪型や服装を変えれば、けっこう綺麗になれそうな気はするけど、センスの欠片もない私にそんなアドバイスが出来るわけないし、だいたい、突然、服装や髪型を変えた方が良いなんて言い出せる筈がない。
それじゃあまるで、野々村さんがださいって言ってるようなものだもの。
それも、私みたいに普段からお化粧もしない、ジャージばっかり着てる女に言われたら、絶対に気分を悪くされるよねぇ。
(あぁ~…どうすれば良いんだ~!)
そんなことばかり考えてるから、ついついぼーっとして見えるんだと思う。
ぼーっとはしてても、料理は口に運んでるあたりが我ながらすごいと思うけど…
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
プラス的 異世界の過ごし方
seo
ファンタジー
日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。
呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。
乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。
#不定期更新 #物語の進み具合のんびり
#カクヨムさんでも掲載しています
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
異世界でお取り寄せ生活
マーチ・メイ
ファンタジー
異世界の魔力不足を補うため、年に数人が魔法を貰い渡り人として渡っていく、そんな世界である日、日本で普通に働いていた橋沼桜が選ばれた。
突然のことに驚く桜だったが、魔法を貰えると知りすぐさま快諾。
貰った魔法は、昔食べて美味しかったチョコレートをまた食べたいがためのお取り寄せ魔法。
意気揚々と異世界へ旅立ち、そして桜の異世界生活が始まる。
貰った魔法を満喫しつつ、異世界で知り合った人達と緩く、のんびりと異世界生活を楽しんでいたら、取り寄せ魔法でとんでもないことが起こり……!?
そんな感じの話です。
のんびり緩い話が好きな人向け、恋愛要素は皆無です。
※小説家になろう、カクヨムでも同時掲載しております。
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
おばさん、異世界転生して無双する(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆オラオラオラオラ
Crosis
ファンタジー
新たな世界で新たな人生を_(:3 」∠)_
【残酷な描写タグ等は一応保険の為です】
後悔ばかりの人生だった高柳美里(40歳)は、ある日突然唯一の趣味と言って良いVRMMOのゲームデータを引き継いだ状態で異世界へと転移する。
目の前には心血とお金と時間を捧げて作り育てたCPUキャラクター達。
そして若返った自分の身体。
美男美女、様々な種族の|子供達《CPUキャラクター》とアイテムに天空城。
これでワクワクしない方が嘘である。
そして転移した世界が異世界であると気付いた高柳美里は今度こそ後悔しない人生を謳歌すると決意するのであった。
【完結】あなたの思い違いではありませんの?
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
複数の物語の登場人物が、一つの世界に混在しているなんて?!
「カレンデュラ・デルフィニューム! 貴様との婚約を破棄する」
お決まりの婚約破棄を叫ぶ王太子ローランドは、その晩、ただの王子に降格された。聖女ビオラの腰を抱き寄せるが、彼女は隙を見て逃げ出す。
婚約者ではないカレンデュラに一刀両断され、ローランド王子はうろたえた。近くにいたご令嬢に「お前か」と叫ぶも人違い、目立つ赤いドレスのご令嬢に絡むも、またもや否定される。呆れ返る周囲の貴族の冷たい視線の中で、当事者四人はお互いを認識した。
転生組と転移組、四人はそれぞれに前世の知識を持っている。全員が違う物語の世界だと思い込んだリクニス国の命運はいかに?!
ハッピーエンド確定、すれ違いと勘違い、複数の物語が交錯する。
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/11/19……完結
2024/08/13……エブリスタ ファンタジー 1位
2024/08/13……アルファポリス 女性向けHOT 36位
2024/08/12……連載開始
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる