328 / 393
病は気から?
1
しおりを挟む
「ああ…痛た……」
なんとも言えず頭が痛い。
頭だけじゃない。
腰も痛いし、歯も痛い。
そのせいか、気分も塞ぎがちだ。
こんなことになってる原因には心当たりがある。
最近、天気予報で良く耳にする『秋雨前線』
こいつのせいに違いない。
秋雨前線が張り出したということは、涼しくなる前触れでもあるけれど、こいつのせいで不安定な天気が増え、所謂、気象病というやつにやられてしまうんだ。
「そろそろ紅葉のシーズンだよな。
今年は北海道でも行かないか?
多分、日本で一番早くに紅葉が見られるぜ。」
彼氏の公平は、すこぶる体が丈夫だ。
最近の秋雨前線にも全く影響されてない。
「はあ、旅行?
そんな元気あるか。
具合悪くて、毎日、仕事に行くだけで精一杯だっつーの。」
「なんでそんなに具合が悪いんだよ。」
「秋雨前線のせいだってば!」
「見かけによらず、やわな体してるんだなぁ。」
「見かけによらなくて悪かったな!」
ただでさえ気分が良くないのに、公平のせいでますます気分が悪くなった。
*
「しゅっぱ~つ!」
「は?何言ってんの?
あ、なになに!?」
ある日、公平がやって来て、まるで私を拉致するみたいに連れ出した。
公平が向かったのは空港だった。
「な、何なのよ!?」
「だから、旅行だよ。紅葉を見に北海道に。」
「えーーっ!」
頭に来たけど、私はいつの間にか飛行機に乗せられて…
「わぁ~~絶景だね。」
空港からバスを乗り継ぎ、いつの間にか紅葉の名所に着いていた。
確かに綺麗だ。
それに、山のせいか空気が澄み切っていて気分が良い。
「気分はどう?」
「そ、そりゃあ、悪くは無いけど。」
「このあたりには、もう秋雨前線がいないから。」
「えっ!?そうなの?」
気のものなのか、本当にそのせいなのか、なんだか妙に元気が出ていた。
いつもの腰痛や頭痛もない。
おかげでとても気分が良くなり、私たちはあちこち観光してまわった。
なんとその距離30000歩!
「お腹すいたね。」
夕方になり、バスでホテルに向かう。
「あれ?予約したホテルはどこだ?
確かバス停から徒歩5分のはずだけど。」
「こんな時は…」
私は地図アプリを開いた。
GPSのおかげで現在地がわかる。
「今、ここだから、ホテルはこっちだね。」
すぐにホテルはみつかった。
美味しい夕飯をいただき、広い温泉に浸かり、私の気象病は跡形もなく完治した。
なんとも言えず頭が痛い。
頭だけじゃない。
腰も痛いし、歯も痛い。
そのせいか、気分も塞ぎがちだ。
こんなことになってる原因には心当たりがある。
最近、天気予報で良く耳にする『秋雨前線』
こいつのせいに違いない。
秋雨前線が張り出したということは、涼しくなる前触れでもあるけれど、こいつのせいで不安定な天気が増え、所謂、気象病というやつにやられてしまうんだ。
「そろそろ紅葉のシーズンだよな。
今年は北海道でも行かないか?
多分、日本で一番早くに紅葉が見られるぜ。」
彼氏の公平は、すこぶる体が丈夫だ。
最近の秋雨前線にも全く影響されてない。
「はあ、旅行?
そんな元気あるか。
具合悪くて、毎日、仕事に行くだけで精一杯だっつーの。」
「なんでそんなに具合が悪いんだよ。」
「秋雨前線のせいだってば!」
「見かけによらず、やわな体してるんだなぁ。」
「見かけによらなくて悪かったな!」
ただでさえ気分が良くないのに、公平のせいでますます気分が悪くなった。
*
「しゅっぱ~つ!」
「は?何言ってんの?
あ、なになに!?」
ある日、公平がやって来て、まるで私を拉致するみたいに連れ出した。
公平が向かったのは空港だった。
「な、何なのよ!?」
「だから、旅行だよ。紅葉を見に北海道に。」
「えーーっ!」
頭に来たけど、私はいつの間にか飛行機に乗せられて…
「わぁ~~絶景だね。」
空港からバスを乗り継ぎ、いつの間にか紅葉の名所に着いていた。
確かに綺麗だ。
それに、山のせいか空気が澄み切っていて気分が良い。
「気分はどう?」
「そ、そりゃあ、悪くは無いけど。」
「このあたりには、もう秋雨前線がいないから。」
「えっ!?そうなの?」
気のものなのか、本当にそのせいなのか、なんだか妙に元気が出ていた。
いつもの腰痛や頭痛もない。
おかげでとても気分が良くなり、私たちはあちこち観光してまわった。
なんとその距離30000歩!
「お腹すいたね。」
夕方になり、バスでホテルに向かう。
「あれ?予約したホテルはどこだ?
確かバス停から徒歩5分のはずだけど。」
「こんな時は…」
私は地図アプリを開いた。
GPSのおかげで現在地がわかる。
「今、ここだから、ホテルはこっちだね。」
すぐにホテルはみつかった。
美味しい夕飯をいただき、広い温泉に浸かり、私の気象病は跡形もなく完治した。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる