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初出店
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「出来た~!」
最後のひとつのピアスが完成した。
明日は市民ハンドメイド祭りだ。
私は周りの人からのすすめで、今回初出品する。
今まで趣味で作っていたアクセサリーと、着せ替え人形のドレスを出すのだ。
この趣味を始めてから、もう何年にもなる。
友達にプレゼントして喜ばれたこともある。
だから、それなりに自信はあったけど、売り物として通用するのかどうかはわからない。
値段は材料費に少し上乗せした程度だ。
特に、ドレスは市販のものの半額くらいだからお買い得だと思う。
だけど、それでも、自分の作ったものに対してお金をいただくというのはやはり心配だ。
それに、接客も不安だ。
元々、人見知りだし、普段も工場で働いてるから、接客は心配過ぎて、友達に協力を頼んだ。
幼馴染の豆腐屋の恵子ちゃんだ。
恵子ちゃんは家の仕事柄、接客は得意だから、心強い。
*
「いらっしゃい、いらっしゃい。
可愛いアクセサリーと人形のドレスはこちらですよ~!」
恵子ちゃんは、オープンすると同時に大きな声で呼び込みをする。
「〇〇市の金券も使えますよ。
お買い上げ下さった方には、山崎豆腐店のクーポンも差し上げますよ~!」
恵子ちゃんの声は止まらない。
私は何も出来ず、ただその姿をみつめるだけだった。
「あ、いらっしゃい!見ていって下さいね。」
ついに初めてのお客さんが来た。
「これ可愛いわね。リエちゃん人形にあうの?」
「は、はい。全部リエちゃんのサイズで作ってあります。」
「そうなんだ。じゃあ、これと…これもいただくわ。」
「あ、ありがとうございます!」
売れた!
私の作ったものが二つも売れてしまった。
嬉し過ぎて驚き過ぎて、手が震えるのを必死で押さえて、私はお金を受け取った。
「あ、豆腐のクーポンもどうぞ。」
恵子ちゃんは抜け目なく、クーポンを手渡した。
それからも、お客さんは次々と来てくれて、ハンドメイド祭りが終わる頃には持って来た商品は完売した。
「すごいじゃない!完売だよ!」
「恵子ちゃんの呼び込みのおかげだよ。」
帰りに、ファミレスで晩御飯をご馳走した。
バイト代にもならないけれど、とりあえず、私の気持ちだ。
初めての販売がうまくいき、私の心は充実感で満たされていた。
最後のひとつのピアスが完成した。
明日は市民ハンドメイド祭りだ。
私は周りの人からのすすめで、今回初出品する。
今まで趣味で作っていたアクセサリーと、着せ替え人形のドレスを出すのだ。
この趣味を始めてから、もう何年にもなる。
友達にプレゼントして喜ばれたこともある。
だから、それなりに自信はあったけど、売り物として通用するのかどうかはわからない。
値段は材料費に少し上乗せした程度だ。
特に、ドレスは市販のものの半額くらいだからお買い得だと思う。
だけど、それでも、自分の作ったものに対してお金をいただくというのはやはり心配だ。
それに、接客も不安だ。
元々、人見知りだし、普段も工場で働いてるから、接客は心配過ぎて、友達に協力を頼んだ。
幼馴染の豆腐屋の恵子ちゃんだ。
恵子ちゃんは家の仕事柄、接客は得意だから、心強い。
*
「いらっしゃい、いらっしゃい。
可愛いアクセサリーと人形のドレスはこちらですよ~!」
恵子ちゃんは、オープンすると同時に大きな声で呼び込みをする。
「〇〇市の金券も使えますよ。
お買い上げ下さった方には、山崎豆腐店のクーポンも差し上げますよ~!」
恵子ちゃんの声は止まらない。
私は何も出来ず、ただその姿をみつめるだけだった。
「あ、いらっしゃい!見ていって下さいね。」
ついに初めてのお客さんが来た。
「これ可愛いわね。リエちゃん人形にあうの?」
「は、はい。全部リエちゃんのサイズで作ってあります。」
「そうなんだ。じゃあ、これと…これもいただくわ。」
「あ、ありがとうございます!」
売れた!
私の作ったものが二つも売れてしまった。
嬉し過ぎて驚き過ぎて、手が震えるのを必死で押さえて、私はお金を受け取った。
「あ、豆腐のクーポンもどうぞ。」
恵子ちゃんは抜け目なく、クーポンを手渡した。
それからも、お客さんは次々と来てくれて、ハンドメイド祭りが終わる頃には持って来た商品は完売した。
「すごいじゃない!完売だよ!」
「恵子ちゃんの呼び込みのおかげだよ。」
帰りに、ファミレスで晩御飯をご馳走した。
バイト代にもならないけれど、とりあえず、私の気持ちだ。
初めての販売がうまくいき、私の心は充実感で満たされていた。
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