167 / 393
わ~れ~わ~れ~は
1
しおりを挟む
「七夕って地味だから、なんとかぱーっと盛り上げようよ!」
今年、紗枝がそんなことを提案した。
まぁ、別に嫌ではないから、僕は簡単に頷いたんだけど、思った以上の展開にちょっと後悔した。
それは、6月30日から始まった。
まず、リビングの天井にまるでプラネタリウムみたいな星のシートを貼るように言われた。
暗くすると、星の部分がほんのり光る。
それから、笹を買いに行かされた。
壁に10本もの笹を並べて置き、たくさんの短冊を書かされた。
折り紙で飾りも作らされて、それらを笹に飾った。
7月6日には宅配便が届いた。
開けてみたら、牽牛と織姫のコスプレ衣装だった。
なぜだかウィッグまで入ってる。
(あれ?)
牽牛の衣装は、Sサイズだ。
僕はそんなに太ってはいないけどLなのに…
「紗枝、さっき宅配便でコスプレ衣装が来たけど、牽牛の衣装がSサイズだったんだけど。」
「うん、それで良いから。」
紗枝は笑ってそう言った。
当日は、朝から大量の料理やスイーツを作った。
二人でこんなに食べきれるのかな?
それが出来たら、次はコスプレだった。
「はい、これ着て。」
「紗枝、これ、織姫の衣装だよ。」
「そうよ、これを着るのよ。」
「えーっ!」
僕はウィッグを付けられ、メイクをさせられた。
「意外と可愛いじゃない。」
ほめられて、ちょっと楽しくなってきた。
紗枝は牽牛のコスをした。
なかなかのイケメンだ。
「それにしても、料理ちょっと作りすぎたんじゃない?」
「大丈夫!友達呼んであるから。」
「えーーっ!友達が来るの?」
チャイムが鳴り、天使と孫悟空と流れ星と宇宙人が来た。
「いらっしゃい!」
「ハッピー七夕~!」
皆、本当にノリの良い人達ばかりで、みんなで料理を食べながら、楽しい一時を過ごした。
七夕をパーティで盛り上げる意味があるのかどうかはわからないけど、とりあえずはとても楽しかった。
宇宙人のコスをした人は、ずっとおかしな言葉をしゃべってた。
多分、宇宙人語のつもりなんだろう。変わった人だ。
その人が、パーティの終盤、急にいなくなった。
「宇宙人さん、いつ帰ったんだろう?」
「瞬間移動だったりしてね。」
さして気にすることも無く、やがて、七夕パーティはお開きとなった。
後日、宇宙人が誰だったのか、誰も知らないという事実が判明した。
天使と孫悟空と流れ星の三人は紗枝の友達で一緒に来ていて、玄関でふと見たら、宇宙人がいたから、僕の友達だろうと思っていたそうだ。
結局、あの宇宙人が誰だったのか…それは最後まで分からず仕舞いだった。
今年、紗枝がそんなことを提案した。
まぁ、別に嫌ではないから、僕は簡単に頷いたんだけど、思った以上の展開にちょっと後悔した。
それは、6月30日から始まった。
まず、リビングの天井にまるでプラネタリウムみたいな星のシートを貼るように言われた。
暗くすると、星の部分がほんのり光る。
それから、笹を買いに行かされた。
壁に10本もの笹を並べて置き、たくさんの短冊を書かされた。
折り紙で飾りも作らされて、それらを笹に飾った。
7月6日には宅配便が届いた。
開けてみたら、牽牛と織姫のコスプレ衣装だった。
なぜだかウィッグまで入ってる。
(あれ?)
牽牛の衣装は、Sサイズだ。
僕はそんなに太ってはいないけどLなのに…
「紗枝、さっき宅配便でコスプレ衣装が来たけど、牽牛の衣装がSサイズだったんだけど。」
「うん、それで良いから。」
紗枝は笑ってそう言った。
当日は、朝から大量の料理やスイーツを作った。
二人でこんなに食べきれるのかな?
それが出来たら、次はコスプレだった。
「はい、これ着て。」
「紗枝、これ、織姫の衣装だよ。」
「そうよ、これを着るのよ。」
「えーっ!」
僕はウィッグを付けられ、メイクをさせられた。
「意外と可愛いじゃない。」
ほめられて、ちょっと楽しくなってきた。
紗枝は牽牛のコスをした。
なかなかのイケメンだ。
「それにしても、料理ちょっと作りすぎたんじゃない?」
「大丈夫!友達呼んであるから。」
「えーーっ!友達が来るの?」
チャイムが鳴り、天使と孫悟空と流れ星と宇宙人が来た。
「いらっしゃい!」
「ハッピー七夕~!」
皆、本当にノリの良い人達ばかりで、みんなで料理を食べながら、楽しい一時を過ごした。
七夕をパーティで盛り上げる意味があるのかどうかはわからないけど、とりあえずはとても楽しかった。
宇宙人のコスをした人は、ずっとおかしな言葉をしゃべってた。
多分、宇宙人語のつもりなんだろう。変わった人だ。
その人が、パーティの終盤、急にいなくなった。
「宇宙人さん、いつ帰ったんだろう?」
「瞬間移動だったりしてね。」
さして気にすることも無く、やがて、七夕パーティはお開きとなった。
後日、宇宙人が誰だったのか、誰も知らないという事実が判明した。
天使と孫悟空と流れ星の三人は紗枝の友達で一緒に来ていて、玄関でふと見たら、宇宙人がいたから、僕の友達だろうと思っていたそうだ。
結局、あの宇宙人が誰だったのか…それは最後まで分からず仕舞いだった。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる