上 下
161 / 393
かき氷は三人で

しおりを挟む
「理香子、すごい!」

「かっこいい~~!」



海から上がった私を、二人が賞賛の言葉と共に迎えてくれた。



「サーフィン始めてまだ二年くらいよね?」

「う~ん、二年半くらいかな。」

「それでもすごいわよ。ベテランみたいな乗り方だったわよ。」

「まだそんなにうまくないって。」

そんな会話を交わしながら、私達は、海の家に向かった。



「私、氷あずきの練乳がけ!」

「私も!」

「私も!」

昔からこれだ。
私達は、学生時代から好きなものがすごく似ていて、特に食べ物はいつも三人一緒だった。



「これもすべては、水野君のおかげね。」

「そうそう、旦那にマンツーマンで教えてもらったら、そりゃあうまくもなるわよ。」

そう言われて私は、ただ微笑むことしか出来なかった。



水野君との再会は、高校の同窓会だった。
高校の時、私は水野君が好きだった。
だけど、水野君には彼女がいたから、その想いは伝えられないまま、終わってしまった。
時の流れと共に、私も彼への想いは忘れていた。
ところが、同窓会の時、久々に会ってしゃべったら、妙に気が合って…
唐突にサーフィンに行かないかと誘われた。
私はサーフィンなんてやったことないし、水泳すらあまり得意ではない。
でも、彼がしつこく言うから行くことになって…
やってみたら、なんだかハマってしまって、そのうちに水野君とも仲良くなって、気が付けば、私は彼の妻になっていた。



水野君との生活は快適だ。
サーフィンもどんどん上達し、楽しくてたまらない。



何の気なしに出席した同窓会で、私の人生は随分と変わった。



「わぁ、美味しそう!」

「あ、結衣のあずき、ちょっと多いんじゃない?」

「美穂のは練乳が多いわ!」

つまらないことを言いながら、三人でかき氷をつついた。



学生時代の仲良し三人組で会うようになったのも、同窓会のおかげだ。
いつの間にか疎遠になっていたけれど、同窓会で連絡先を交換して以来、しょっちゅう会うようになった。
これからもずっと仲良くしたい大切な友達だ。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

キミはダレ?【少し奇妙な話/ショートショート集】

虹あさぎ
ホラー
◯ホラー要素を含んだ1話完結型ショートショート集。(お話により、意味怖、人怖、オカルト、怪談、ミステリー、イヤミス、都市伝説的な要素も含まれます) ♢ジャンル分けしにくいものを、全体的にホラーという大きなくくりで詰め合わせています。この話にはこういう要素も混じってるのかな?といった感じで、ゆるく読んでいただけると嬉しいです。 なので、ホラー度数も基本低めです。話によってのバラツキが大きく、ホラー耐性が高い人にはかなり刺激不足なものも多いと思います。 ※1話のみ、他の動画サイトで出していたものに加筆修正したものになります。 ※表紙にはAI画像を加工したものを使っております。 ※基本的に1話完結型ですが、ベースが繋がっていたり、関連するものは同タイトルに2、3とつけております。

これ友達から聞いた話なんだけど──

家紋武範
ホラー
 オムニバスホラー短編集です。ゾッとする話、意味怖、人怖などの詰め合わせ。  読みやすいように千文字以下を目指しておりますが、たまに長いのがあるかもしれません。  (*^^*)  タイトルは雰囲気です。誰かから聞いた話ではありません。私の作ったフィクションとなってます。たまにファンタジーものや、中世ものもあります。

投稿インセンティブで月額23万円を稼いだ方法。

克全
エッセイ・ノンフィクション
「カクヨム」にも投稿しています。

【厳選】意味怖・呟怖

ねこぽて
ホラー
● 意味が分かると怖い話、ゾッとする話、Twitterに投稿した呟怖のまとめです。 ※考察大歓迎です✨ ※こちらの作品は全て、ねこぽてが創作したものになります。

意味が分かると怖い話 完全オリジナル

何者
ホラー
解けるかなこの謎ミステリーホラー

僕のナツヤスミ、

泉涼子
ホラー
小学四年生の夏休み。 お父さんに連れられて、不登校気味だった「僕」は山に囲まれたとある村に夏休みの間宿泊する事になった。 宿主のおじいさん。なんだか不思議。 この村の人達。なんだか不思議。 この村。なんだか不思議。 この村、 ーナニカアル?ー 「僕」のナツヤスミが、始まる。

意味がわかると怖い話ファイル01

永遠の2組
ホラー
意味怖を更新します。 意味怖の意味も考えて感想に書いてみてね。

処理中です...